小学生でもわかる！「地震の速報はどうやってわかるの？」

みなさん、テレビを見みていたり、スマホを使つかっていたりしたときに、突然とつぜん「ピロピロピロ」という警報けいほう音おんと一緒いっしょに「緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうです」というアナウンスが流ながれたことはありませんか？あの速報そくほうを見みたとき、「どうして地震じしんが来くることが前まえもってわかるんだろう？」と不思議ふしぎに思おもったことはありませんか？

今日きょうは、その疑問ぎもんにお答こたえします！地震じしんが来くる前まえに知しらせてくれる「緊急地震速報きんきゅうじしんそくほう」の仕組しくみを、みなさんにも分わかりやすく説明せつめいしていきますね。科学かがくのすごさを実感じっかんできる内容ないようになっていますよ！

地震じしんってどんなもの？

地震じしんが起おきる仕組しくみ

まず、地震じしんがどうやって起おきるのか知しっていますか？私わたしたちが住すんでいる地球ちきゅうの表面ひょうめんは、「プレート」と呼よばれる大おおきな岩いわの板いたで覆おおわれています。このプレートが少すこしずつ動うごいていて、長ながい時間じかんをかけてエネルギーをためこみます。そして、あるとき限界げんかいを超こえるとパキッと割われたり、ずれたりして、そのエネルギーが一気いっきに放出ほうしゅつされるんです。これが「地震じしん」なんです！

日本にっぽんは、4つのプレートがぶつかり合あう場所ばしょにあるので、世界せかいでも地震じしんが多おおい国くにとして知しられています。だからこそ、地震じしんに関かんする研究けんきゅうや対策たいさくが進すすんでいるんですよ。

地震じしんの波なみには2種類にしゅるいある！P波ぴーはとS波えすは

地震じしんが起おきると、震源しんげん（地震じしんが発生はっせいした場所ばしょ）から地面じめんを通とおって波なみが伝つたわってきます。この波なみには主おもに2種類にしゅるいあるんです。それが「P波ぴーは」と「S波えすは」です。

P波ぴーは（Primary wave）とは？

• 一番いちばん最初さいしょに伝つたわってくる波なみ
• 速はやく伝つたわる（地中ちちゅうで秒速びょうそく約やく7km！新幹線しんかんせんの約やく20倍ばいのスピード！）
• あまり大おおきく揺ゆれない
• 前後ぜんごに揺ゆれる波なみ（押おしたり引ひいたりする動うごき）

S波えすは（Secondary wave）とは？

• P波ぴーはの後あとから来くる波なみ
• P波ぴーはより遅おそい（地中ちちゅうで秒速びょうそく約やく4km）
• 大おおきく揺ゆれる（建物たてものを揺ゆらす主おもな波なみ）
• 上下じょうげや左右さゆうに揺ゆれる波なみ（横よこに揺ゆすられる動うごき）

この二ふたつの波なみの速はやさの違ちがいが、緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうのカギになるんです！

緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうの仕組しくみ

地震計じしんけいのネットワーク

日本全国にっぽんぜんこくには約やく4,300箇所かしょもの地震計じしんけいが設置せっちされています。これらの地震計じしんけいは、地面じめんの小ちいさな揺ゆれも感知かんちできる精密せいみつな機械きかいです。海底かいていにも地震計じしんけいが設置せっちされていて、海うみの下したで起おきる地震じしんも観測かんそくできるようになっています。

全国ぜんこくの地震計じしんけいは、気象庁きしょうちょうのコンピュータとつながっていて、24時間にじゅうよじかん365日にち、地震じしんの揺ゆれを監視かんししているんです。

P波ぴーはをキャッチして計算けいさんする

緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうの仕組しくみは、P波ぴーはとS波えすはの速はやさの違ちがいを利用りようしています。どういうことか説明せつめいしますね。

1. 地震じしん発生はっせい！：地面じめんの下したで岩盤がんばんがずれて、地震じしんが発生はっせいします。
2. P波ぴーはが先さきに到達とうたつ：地震じしんが起おきると、まずP波ぴーはが地震計じしんけいに到達とうたつします。
3. コンピュータが計算けいさん：気象庁きしょうちょうのコンピュータは、P波ぴーはの情報じょうほうを使つかって、
   • 震源地しんげんち（地震じしんが起おきた場所ばしょ）
   • マグニチュード（地震じしんの大おおきさ）
   • 各地かくちの予想よそう震度しんど（どれくらい揺ゆれるか）
   を、ものすごい速はやさで計算けいさんします。
4. S波えすはが来くる前まえに警報けいほう：計算けいさん結果けっかをもとに、強つよい揺ゆれ（S波えすは）が来くる前まえに警報けいほうを出だします。

これが、緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうの基本きほん的てきな仕組しくみです。簡単かんたんに言いうと、「弱よわい揺ゆれ（P波ぴーは）を感知かんちして、強つよい揺ゆれ（S波えすは）が来くる前まえに知しらせる」というわけです。

どれくらい前まえに知しらせてくれるの？

緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうが出でてから強つよい揺ゆれが来くるまでの時間じかんは、震源地しんげんちからの距離きょりによって変かわります。

• 震源しんげんから近ちかい場所ばしょ（50km以内いない）：数すう秒びょう～10秒びょう程度ていど
• 震源しんげんから遠とおい場所ばしょ（100km以上いじょう）：数すう十じゅう秒びょう程度ていど

たとえ数すう秒びょうでも、「机つくえの下したに隠かくれる」「ガスの火ひを消けす」「危険きけんな場所ばしょから離はなれる」などの行動こうどうができるので、とても大切たいせつな時間じかんなんです。

緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうの限界げんかい

でも、緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうにも限界げんかいがあります。知しっておくといいですよ。

• 震源しんげんに近ちかすぎる場所ばしょ：震源しんげんからとても近ちかい場所ばしょでは、P波ぴーはとS波えすはがほぼ同時どうじに到達とうたつするため、速報そくほうが間まに合あわないことがあります。
• 小ちいさな地震じしんや深ふかい地震じしん：小ちいさな地震じしんや深ふかいところで起おきる地震じしんは、計算けいさんが難むずかしく、速報そくほうが出でないこともあります。
• 誤報ごほうの可能性かのうせい：稀まれに、雷かみなりや工事こうじの振動しんどうなどを地震じしんと間違まちがえて速報そくほうが出でることもあります。

だからこそ、日頃ひごろからの防災対策ぼうさいたいさくが大切たいせつなんですね。

緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうはどこで見聞みききできる？

テレビとラジオ

テレビやラジオでは、緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうが流ながれると通常つうじょうの番組ばんぐみを中断ちゅうだんして、特別とくべつな警報けいほう音おんと共ともに速報そくほうが流ながれます。NHKや民放みんぽう各局かくきょくは、全国瞬時警報ぜんこくしゅんじけいほうシステム（Jアラート）と連携れんけいして速報そくほうを伝つたえています。

スマートフォン

多おおくのスマートフォンには、緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうを受信じゅしんする機能きのうが標準ひょうじゅんで搭載とうさいされています。「緊急速報きんきゅうそくほうメール」という名前なまえの機能きのうです。設定せっていで確認かくにんしてみてください。

そのほかにも、無料むりょうの防災ぼうさいアプリがたくさんあります。

• 「Yahoo!防災ぼうさい速報そくほう」
• 「Safetytips」（訪日外国人ほうにちがいこくじん向むけ）
• 「ゆれくるコール」などが人気にんきです。

公共こうきょうの場所ばしょ

学校がっこう、駅えき、デパート、オフィスビルなどでは、館内かんない放送ほうそうで緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうが流ながれることがあります。また、屋外おくがいでは防災無線ぼうさいむせんを通つうじて情報じょうほうが伝つたえられます。

緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうを受うけたらどうする？

緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうを見聞みききしたら、すぐに身みを守まもる行動こうどうをとることが大切たいせつです。場所ばしょによって行動こうどうが違ちがいますので、覚おぼえておきましょう。

家いえにいるとき

• 机つくえやテーブルの下したに隠かくれる
• 頭あたまを守まもる（クッションや本ほんなどで）
• ガスの火ひを消けす（可能かのうなら）
• ドアを開あけて出口でぐちを確保かくほする

学校がっこうにいるとき

• 先生せんせいの指示しじに従したがう
• 机つくえの下したに隠かくれる
• 窓まどから離はなれる
• 頭あたまを守まもる

外そとにいるとき

• ブロック塀べいや自動販売機じどうはんばいきから離はなれる
• 建物たてものの看板かんばんや窓まどガラスに注意ちゅうい
• 公園こうえんなど開ひらけた場所ばしょに移動いどうする
• かばんなどで頭あたまを守まもる

電車でんしゃやバスに乗のっているとき

• つり革かわや手てすりにしっかりつかまる
• 急停車きゅうていしゃに備そなえる
• 係員かかりいんの指示しじに従したがう

地震じしんに備そなえてできること

家いえの中なかの安全対策あんぜんたいさく

• 家具かぐの固定こてい：本棚ほんだな、タンス、冷蔵庫れいぞうこなどを壁かべに固定こていしましょう。
• ガラスの飛散ひさん防止ぼうし：窓まどガラスに飛散ひさん防止ぼうしフィルムを貼はると安心あんしんです。
• 家具かぐの配置はいち：寝室しんしつや子こども部屋べやには大おおきな家具かぐを置おかないようにしましょう。
• 消火器しょうかきの準備じゅんび：使つかい方かたを確認かくにんしておきましょう。

非常用持ち出し袋ひじょうようもちだしぶくろの準備じゅんび

非常用持ち出し袋ひじょうようもちだしぶくろには、次つぎのようなものを入いれておくといいでしょう。

• 水みず（1人1日にち3リットルが目安めやす）
• 食料しょくりょう（缶詰かんづめ、レトルト食品しょくひん、お菓子かしなど）
• 懐中電灯かいちゅうでんとうと予備よびの電池でんち
• 携帯けいたいラジオ
• 救急きゅうきゅうセット
• 常備薬じょうびやく
• 使つかい捨すてカイロ
• 軍手ぐんて
• ウェットティッシュ
• マスク
• 携帯電話けいたいでんわの充電器じゅうでんき
• 筆記用具ひっきようぐとメモ帳ちょう
• 家族かぞくの写真しゃしん（はぐれたときに探さがすため）
• 現金げんきん（小銭こぜにも含ふくめて）

家族かぞくで話はなし合あっておくこと

• 家族かぞくの集合場所しゅうごうばしょ（第だい二に集合場所しゅうごうばしょも決きめておくと安心あんしん）
• 連絡れんらく方法ほうほう（災害用伝言さいがいようでんごんダイヤル「171」の使つかい方かたも確認かくにん）
• 避難経路ひなんけいろと避難所ひなんじょの場所ばしょ
• それぞれの役割分担やくわりぶんたん（誰だれが何なにを持もち出だすかなど）

地域ちいきの防災訓練ぼうさいくんれんに参加さんかしよう

多おおくの地域ちいきでは、定期的ていきてきに防災訓練ぼうさいくんれんが行おこなわれています。積極的せっきょくてきに参加さんかして、避難ひなんの仕方しかたや消火器しょうかきの使つかい方かたなどを学まなんでおきましょう。学校がっこうでも防災訓練ぼうさいくんれんがあると思おもいますが、真剣しんけんに取とり組くむことが大切たいせつです。

地震じしんに関かんするもっと詳くわしい知識ちしき

震度しんどとマグニチュードの違ちがい

震度しんど：各地かくちの揺ゆれの強つよさを表あらわす数値すうち（0～7まで）

• 震度3しんどさん：電灯でんとうなどのつり下さげ物ぶつがゆれる
• 震度5弱しんどごじゃく：棚たなの食器しょっき類るいが落おちることがある
• 震度7しんどなな：立たっていることができず、這はわないと動うごけない

マグニチュード：地震じしんそのものの大おおきさ（エネルギーの大おおきさ）

• マグニチュード6：1995年ねんの阪神・淡路大震災はんしんあわじだいしんさい
• マグニチュード9：2011年ねんの東日本大震災ひがしにほんだいしんさい

マグニチュードが1大おおきくなると、エネルギーは約やく32倍ばいになります。マグニチュード7と9では、約やく1000倍ばいもエネルギーが違ちがうんです！

地震じしんと津波つなみの関係かんけい

海底かいていで大おおきな地震じしんが起おきると、海水かいすいが持もち上あげられて波なみが発生はっせいします。これが「津波つなみ」です。津波つなみは海うみが浅あさくなるにつれて速度そくどは遅おそくなりますが、波なみの高たかさが高たかくなります。海岸かいがん付近ふきんで地震じしんを感かんじたら、すぐに高たかいところに避難ひなんすることが大切たいせつです。

「津波つなみてんでんこ」という言葉ことばを知しっていますか？これは「津波つなみが来きたら、てんでんばらばらに、一人ひとりでも高たかいところへ逃にげろ」という教おしえです。誰だれかを待まったり、何なにかを取とりに戻もどったりせず、すぐに避難ひなんすることが命いのちを守まもる行動こうどうです。

まとめ

地震じしんの速報そくほうシステムは、P波ぴーはとS波えすはという2種類にしゅるいの地震波じしんはの速度そくど差さを利用りようした、とても賢かしこい仕組しくみです。日本にっぽんは地震じしん大国たいこくですが、世界せかい最先端さいせんたんの地震じしん観測かんそく網もうと警報けいほうシステムを持もっています。

緊急地震速報きんきゅうじしんそくほうがあっても、実際じっさいに強つよい揺ゆれが来くるまでの時間じかんはわずかです。普段ふだんから防災ぼうさいについて学まなび、家族かぞくで話はなし合あい、しっかり備そなえておくことが一番いちばん大切たいせつです。

そして、いざというとき、あわてず落おち着ついて行動こうどうできるように、日頃ひごろから訓練くんれんしておきましょう。「自分じぶんの命いのちは自分じぶんで守まもる」という意識いしきが大切たいせつです。