小学生でもわかる!「十二支(じゅうにし)のひみつ」

小学生でもわかる!「十二支のひみつ」

はじめに

お正月になると、お家に届く年賀状や初詣の神社、テレビのニュースなどで、「今年の干支は〇〇年!」という言葉をよく耳にしますよね。

カレンダーや街のポスターにも、ヘビやウマ、イヌといった動物たちの可愛いイラストがたくさん描かれています。自分の生まれ年について「私はうさぎ年!」「俺はとら年!」と友達同士で教え合ったことがある人も多いのではないでしょうか。

でも、よく考えてみると不思議なことばかりです。 「どうして動物は12匹なんだろう?」 「どうしてネズミが最初で、イノシシが最後なの?」 「大人気のネコが仲間に入っていないのはなぜ?」

実は、十二支の順番や選ばれた動物たちには、大昔から語り継がれてきたワクワクする昔話や、昔の人たちのすごい知恵がぎっしり詰まっています。

今回は、知ればお正月やカレンダーを見るのが100倍面白くなる「十二支のひみつ」を、一緒に解き明かしていきましょう!

はると
はると
お正月の年賀状やカレンダーって、毎年違う動物が描かれてて面白いよな!でも、どうして動物の順番が決まってるのかずっと不思議だったんだ!
ひまり
ひまり
ふふ、私も小さい頃から気になっていたの。実はね、動物たちがレースをした昔話や、昔の人の驚くような知恵が隠されているのよ。一緒に見ていきましょう、はると!

十二支ってそもそもなに? 12匹の動物たち

まず、「十二支」とは何なのか、基本から見ていきましょう。

十二支とは、1年ごとに交代で割り当てられる「12匹の動物たち」のことです。順番に声に出して読んでみましょう!

「子(ねずみ)」 「丑」 「寅」 「卯(うさぎ)」 「辰(りゅう)」 「巳(へび)」 「午」 「未」 「申」 「酉」 「戌」 「亥(いのしし)」

リズムよく「ねー・うし・とら・うー・たつ・みー…」と呪文のように唱えて覚えたことがある人もいるかもしれませんね。

ここで、よく似た言葉の「十二支」と「干支」の違いについて少しだけお話しします。 普段は同じ意味で使われていますが、実は本来の「干支」は、10個の記号(甲・乙・丙・丁…という十干)と、12個の動物(十二支)を組み合わせた「合計60通りの組み合わせ」のことを指します。 60年たつと組み合わせが一回りして生まれた年に戻ることから、60歳のお祝いを「還暦」と呼ぶのもここから来ています。現在では、分かりやすいように十二支のことを「干支」と呼ぶのが一般的になっています。

ところで、この12匹の動物たちを見て、何か「おかしなこと」に気づきませんか?

ネズミ、牛、虎、ウサギ……みんな実際に地球上に生きている身近な動物ばかりなのに、たった1匹だけ「絶対に動物園にいない生き物」が混ざっています。 そう、5番目に登場する「辰(竜・ドラゴン)」です!

なぜ、架空の生き物である竜が十二支に選ばれたのでしょうか?

Q. なんで辰(竜)だけ架空の生き物が入っているの?
A. 昔の中国では、竜は天を自由に飛び回り、雨を降らせて作物を実のらせてくれる「偉大な水の神様」として大切にされていたんだ。縁起が良くて力強いスーパーヒーローとして、特別に仲間入りしたんだよ!

十二支が生まれた大昔の中国では、農業(お米や野菜を作ること)が何よりも大切でした。雨が降らないと作物が枯れてしまうため、雲を呼んで恵みの雨を降らせてくれる「竜」は、神様のように敬われていたのです。強くてかっこいい最高のシンボルとして、特別に選ばれたというわけですね。

また、昔の人々はもともと、草木が芽生えて成長し、実をつけて枯れていく「植物の1年の変化」を12段階に分けて記録していました。しかし、昔の漢字は難しくて一般の人たちには覚えにくかったため、「みんながよく知っている身近な動物を当てはめて覚えやすくしよう!」と考え出されたのが、動物の十二支の始まりだと言われています。

はると
はると
辰ってドラゴンのことだったのか!架空の生き物なのに仲間に入ってるなんて、ゲームの最強隠しキャラみたいでかっこいいじゃん!
ひまり
ひまり
ふふ、昔の人にとっても竜は憧れの神様だったのね。難しい漢字の代わりに覚えやすい動物を当てはめるなんて、昔の人も工夫していたのね。
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なぜこの順番? 神様へのあいさつレース

十二支の順番は、「子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥」と決まっています。 では、どうしてネズミが1番で、足が速そうな虎や馬がその後なのでしょうか?

日本で語り継がれている、とっても有名な「神様へのあいさつレース」の昔話を紹介しましょう。

昔々、ある年の瀬(年末)のこと、神様が森や山の動物たちにお触れを出しました。 「元日の朝、私の屋敷に挨拶に来なさい。早く到着した順番に1番から12番目までを、1年ごとの大将(リーダー)にしてあげよう」

これを聞いた動物たちは、「自分が1番になってやるぞ!」と大張り切り。年が明けるのを今か今かと待ち構えました。

そして元日の朝、大波乱のレースが繰り広げられたのです!

STEP 1 足の遅い牛が夜明け前にこっそり出発!
自分の足が遅いことを知っていた真面目な牛は、「みんなより早く出かけなければ間に合わない」と考え、まだ空が真っ暗な真夜中のうちに出発しました。
STEP 2 ちゃっかりネズミが牛の背中に飛び乗る!
体が小さくて走るのが遅いネズミは、一番早く出かけた牛の背中にこっそり飛び乗ってタダ乗り!牛は重さに気づかず、一生懸命歩き続けました。
STEP 3 神様の門が開いた瞬間、ネズミが大ジャンプ!
一番乗りで神様の屋敷の門の前に着いた牛。しかし、朝一番に門が開いたその瞬間、背中からネズミが「ピョーン!」と飛び出して門をくぐり抜け、見事1位でゴールイン!牛は惜しくも2位になってしまいました。

牛に続いて、持ち前のスピードで走ってきた虎が3位、ピョンピョン跳ねて川を渡ってきたウサギが4位に飛び込んできました。

空を飛べる竜は余裕で1位になれそうでしたが、途中で地上で困っている人たちに雨を降らせて助けてあげていたため、少し遅れて5位になりました。

そのあとも、足の速い動物たちが続々とゴールします。 面白いのが、猿(サル)と犬(イヌ)です。二匹は昔から大の仲良し……ではなく、顔を合わせればケンカばかりするライバル同士でした。道中も「お前なんかに負けるか!」と激しい口喧嘩をしながら走っていたため、見かねた鳥(ニワトリ)が二匹の間に入って仲裁しながらゴールしました。だから「申・酉・戌」の順番になったと言われています。

そして、最後に全力疾走で突っ込んできたのがイノシシでした。 イノシシは猪突猛進という言葉の通り、ものすごいスピードで走ったのですが、まっすぐ走りすぎて神様の門を通り過ぎてしまいました!慌てて引き返してきたため、ギリギリ12番目の滑り込みとなったのです。

こうして、知恵を絞ったネズミが1番を勝ち取り、12匹の順番が決まりました。

はると
はると
ネズミの作戦、めちゃくちゃ頭いいな!牛の背中からゴール前に飛び出すなんて、サッカーの絶妙な飛び出しゴールみたいじゃん!
ひまり
ひまり
ふふ、牛さんは真面目に一番早く歩いたのにちょっとかわいそうだけど、2位になれたんだから立派よね。イノシシが通り過ぎちゃったお話もユーモアがあって楽しいわ!
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なぜ猫はいないの? ネズミにだまされた事件

十二支の昔話を聞いて、多くの人が抱く大きな疑問があります。 「犬や猿がいるのに、どうして身近で大人気の猫がいないの?」ということです。

実は、猫が十二支に入れなかったのにも、涙なしには語れない「大事件」があったのです。

神様が「元日の朝に集まりなさい」とお触れを出したとき、のんびり屋の猫はうっかりその日を聞き逃してしまいました。 困った猫は、お隣に住んでいたネズミに「ねえネズミくん、神様のところへ行くのって何日だったかしら?」と尋ねました。

すると、ずる賢いネズミは「ライバルが減れば自分が有利になるぞ」と考え、とんでもないウソをついたのです。

「神様のところに行くのは、元日(1月1日)じゃなくて、1月2日だよ!」

すっかり信じ込んだ猫は、元日は暖かいこたつで丸くなってぐっすり眠り、次の日の1月2日に意気揚々と神様の屋敷へ向かいました。 しかし、神様の屋敷に着いた猫に、神様はこう告げました。

「猫や、レースは昨日終わったよ。もう12匹のリーダーは決まってしまったんだ」

ネズミにだまされたことを知った猫は、毛を逆立てて大激怒!「キーッ!あのネズミめ、絶対に許さないニャー!」と怒り狂いました。 今でも猫がネズミを見かけると猛スピードで追いかけ回し、ネズミが猫の気配を感じると大慌てで壁の穴に隠れるのは、このときネズミにだまされた恨みを今も忘れていないからだと言われています。

ところで、世界に目を向けてみると、実は「猫年」が存在する国があることを知っていますか?

日本とベトナムの十二支をくらべてみよう!
日本の十二支(ウサギ年)
4番目の動物はピョンピョン跳ねる「ウサギ(卯)」!
ネズミにだまされた猫は残念ながら仲間外れ!
ベトナムの十二支(ネコ年)
4番目の動物はなんと「ネコ(猫)」!
ウサギの代わりにネコが堂々と干支の仲間入り!

東南アジアのベトナムでは、日本のウサギの代わりに「猫」が十二支に入っています。ベトナムでは田ぼのお米をネズミから守ってくれる猫がとても大切にされているため、猫が選ばれたそうです。 また、中国や台湾では「イノシシ(亥)」の代わりに「ブタ」が入っていたりと、国によって少しずつ動物が変わるのも面白いところです。

はると
はると
ネズミのウソで仲間外れにされたなんて、猫が怒るのも当然だな!アニメの追いかけっこみたいに今でもネズミを追いかけてる理由がこれだったのか!
ひまり
ひまり
ふふ、猫好きの人にはちょっと悔しいお話だけど、ベトナムではちゃんと猫年があるなんて素敵ね!国によって身近な動物が違うから、十二支も変わるのね。
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動物だけじゃない! 昔は時計や方角だった!?

十二支は、単に「お正月の動物」というだけではありません。 実は大昔の日本では、時計やコンパス(方位磁針)として、毎日の暮らしの中でバリバリ使われていました!

今でも私たちが使っている身近な言葉の中に、十二支の足跡がたくさん残っています。その代表的な秘密をのぞいてみましょう。

昼の12時はなぜ「正午」と言うの?

学校で毎日お昼の12時になると「正午になりました」と放送が流れたりしますよね。正午の前を「午前」、後を「午後」と言います。この言葉の由来は、なんと十二支の「午」なんです!

大昔は、1日(24時間)を2時間ずつ12等分にして、十二支の動物を順番に割り当てて時間を数えていました。

  • 夜の23時〜1時:子の刻
  • 昼の11時〜13時:午の刻

太陽が一番高く昇る「昼の12時ちょうど」は、まさに午の刻のど真ん中! だから「正しい午の刻」と書いて「正午」と呼ぶのです。正午より前だから「午前」、正午より後だから「午後」。私たちは毎日、知らず知らずのうちに十二支の時間を口にしているのですね!

真夜中の「子の刻」と「丑三つ時」

昔のアニメや怪談などで「草木も眠る丑三つ時」という言葉を聞いたことはありませんか? 夜中の1時〜3時は「丑の刻」と呼ばれ、それをさらに30分ずつ4つに分けた3番目の時間、つまり「午前2時〜2時半頃」のことを指します。真夜中で一番静まり返って不気味な時間帯のことですね。

方角の十二支と「鬼退治」のひみつ

昔は360度の方角も12等分して、北を「子」、東を「卯」、南を「午」、西を「酉」と表していました。 地球の北極と南極を結ぶ縦の線を「子午線」と呼ぶのも、北の「子」と南の「午」を結ぶ線だからです。

そして、ここからが一番面白い「昔話の謎解き」です!

鬼のパンツと桃太郎のお供!十二支のびっくり関係
1鬼の正体は「丑(ウシ)」と「寅(トラ)」!?
昔は、北東の方角(北と東の間)は「鬼が出入りする不吉な方角=鬼門」として恐れられていました。北東の方角を十二支で言うと「丑寅」になります。 鬼の姿を思い出してみてください。頭に「牛(丑)の角」が生えていて、腰に「虎(寅)柄のパンツ」を履いていますよね!なんと鬼の見た目は、丑寅の方角そのものを表していたのです!
2桃太郎のお供が「猿・鳥・犬」のワケ!
鬼門(北東)からやってくる恐ろしい鬼をやっつけるため、桃太郎は鬼門のちょうど反対側(裏鬼門の南西から西にかけて)に位置する動物たちを味方に引き連れました。この反対側に位置する干支こそが「申(サル)・酉(キジ=トリ)・戌(イヌ)」だったのです!

桃太郎が連れて行ったのが馬やウサギではなく、サル・キジ・イヌだったのは、十二支の方角を使って鬼の弱点を突くという、昔の人の深い知恵が込められていたのです!

はると
はると
すげーっ!!鬼のパンツがトラ柄で角が牛なのも、桃太郎のお供の動物たちも、全部十二支の方角とつながってたのか!鳥肌が立ったぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、びっくりよね!午前や午後の言葉もそうだし、昔話の桃太郎にまで十二支のルールが使われていたなんて、昔の人の知恵って本当に奥が深いわね。
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まとめ:自分の干支も調べてみよう!

年賀状やお正月の飾りでおなじみの十二支。 ただの可愛い動物たちではなく、昔の人々の知恵や楽しい昔話、そして現代の言葉にまで深く息づいていることが分かりましたね。

📝 今日のまとめノート
1 十二支は12匹の動物たち!
空想の生き物「辰(竜)」は、天から恵みの雨を降らせてくれる水の神様として特別に選ばれた!
2 順番は神様へのあいさつレース!
一番早く出かけた牛の背中に乗ったネズミが、ゴール直前で飛び降りて1位になった!
3 猫がいないのはネズミのウソのせい!
1日遅い日を教えられた猫は今でもネズミを追いかける。でもベトナムには「猫年」がある!
4 昔は時計や方角としても大活躍!
「正午」「午前・午後」は午の刻から。鬼の角とパンツ(丑寅)や桃太郎のお供(申酉戌)も干支の方角が由来!
🖍️ ✏️

最後に、家族やお友達の生まれ年の干支もぜひ調べてみてください。 「お父さんは何年?」「おじいちゃんは?」と聞いてみると、会話が弾んでとても楽しいですよ。自分の干支の動物がどんな特徴を持っているのか調べてみるのも面白いですね。

十二支のひみつを知ったみんなは、次のお正月やカレンダーを見るとき、今までとはまったく違ったワクワクした気持ちで動物たちを眺めることができるはずです!

はると
はると
今年の干支だけじゃなくて、家族みんなの干支も調べてみるぞ!昔話も時計の話も全部つながってて最高に面白かったな!
ひまり
ひまり
ええ、ぜひ家族で話してみてね!干支に詳しくなったのは素晴らしいけれど、はると、冬休みの宿題を後回しにしていたら、ネズミにだまされた猫さんみたいに後で慌てちゃうわよ?
はると
はると
ギクッ!…そ、それだけは絶対に嫌だな!俺、イノシシみたいに猛スピードで宿題を終わらせてくるぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、まさに「猪突猛進」ね!その意気よ、はると。終わったら一緒にサッカーの練習をしましょうね!
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