小学生でもわかる!「冬至(とうじ)のひみつ」

冬至のひみつ

はじめに

12月になると、学校が終わって外で遊んでいるとき、「えっ、もうこんなに真っ暗!?」とびっくりしたことはありませんか? 時計を見るとまだ夕方の4時半や5時前なのに、空はすっかり夜のようになって、街灯や家の明かりがパッと灯り始めます。

1年の中でいちばん昼(太陽が出ている時間)が短くて、夜がいちばん長い日のことを「冬至」と呼びます。

「どうして冬になると、こんなにあっという間に日が沈んじゃうの?」 「冬至にはどうして、かぼちゃを食べたりゆず湯に入ったりするのかな?」

そんな疑問を持ったことはありませんか? 実は冬至には、地球と太陽のダイナミックな天体の仕組みから、寒い冬を元気に乗り切るための昔の人の知恵まで、驚くようなひみつがたくさん隠されているのです! 今回は、冬至のふしぎについて分かりやすく解き明かしていきましょう!

はると
はると
最近、放課後にサッカーの練習をしてると、あっという間に暗くなってボールが見えなくなっちゃうんだよな!それに影踏み鬼ごっこをしても、自分の影が長すぎてすぐ踏まれちゃうぞ。まだ5時前なのに「もう終わり!?」ってびっくりするよな。
ひまり
ひまり
ふふ、冬になると日が暮れるのが本当に早いわよね。でもはると、1年のうちでいちばん昼が短くなる特別な日があるって知っているかしら?

冬至ってどんな日?昼がいちばん短いわけ

冬至は、毎年12月22日ごろにやってきます(カレンダーのめぐり合わせによって、12月21日になる年もあります)。

この日は、1年365日の中で「いちばん昼の時間が短く、夜の時間が長い日」です。 例えば東京では、冬至の日の昼の長さは約9時間45分しかありません。 1日の半分(12時間)よりもずっと短く、一日の大半である約14時間15分が夜ということになります!

ちなみに、夏にある「昼がいちばん長い日」を「夏至」(6月21日ごろ)と呼びますが、夏至の日の東京の昼の長さは約14時間35分もあります。 夏至と冬至を比べると、なんと約5時間近くも昼の長さが違うのです!5時間といえば、学校の授業が何時間もできてしまうくらいの大きな差ですよね。

夏至(昼がいちばん長い日)
太陽が空のいちばん高いところまで昇る!
昼の時間はたっぷり約14時間半!
夕方7時を過ぎてもまだ空が明るい!
冬至(夜がいちばん長い日)
太陽が空の低いところを通り抜ける!
昼の時間は1年で最短の約9時間45分!
夕方4時半にはもう夕焼けが沈んで暗くなる!

どうして昼が短くなるの?地球の傾きのふしぎ

では、なぜ季節によって昼の長さが変わるのでしょうか? その秘密は、私たちがくらしている「地球の首の傾き」にあります。

地球は、コマのようにくるくると自分で回りながら(自転)、太陽のまわりを1年かけてぐるりと一周(公転)しています。 このとき、地球はまっすぐ立って回っているのではなく、地軸(北極と南極を結ぶ軸)が約23.4度傾いたまま回っているのです。

地球が傾いたまま太陽のまわりを回るため、時期によって太陽の光が当たりやすい場所が変わります。 冬至の時期になると、日本がある北半球(地球の上半分)は、太陽に対してそっぽを向くように傾きます。 すると、太陽の光が日本に対してナナメから低く差し込むようになります。

太陽が空の低いところしか通らないため、朝のぼってから夕方沈むまでの道のりがとても短くなります。これが、冬至に昼がいちばん短くなる科学的な理由なのです!

晴れた日の正午(お昼の12時)に、自分の影を観察してみてください。夏の影は足元に小さく縮まりますが、冬の影はすらりと長く伸びているはずです。これも、太陽の高さが低い証拠なんですよ。

はると
はると
5時間も昼の長さが違うのか!地球がちょっと首をかしげるように傾いているだけで、こんなに太陽の通り道が変わるなんて面白いよな!
ひまり
ひまり
影の長さにも注目してみてね。冬のお昼に自分の影を見ると、夏よりもずーっと長く伸びていてびっくりするわよ。
冬至の日の地球と太陽光の角度

なぜかぼちゃを食べるの?昔の人の大作戦

冬至の日の風習としていちばん有名なのが、「かぼちゃ(南瓜)」を食べることです。 学校の給食や、お家のごはんで甘くてホクホクした「かぼちゃの煮物」や「かぼちゃのほうとう」を食べたことがある人も多いのではないでしょうか。

でも、ここでちょっと不思議に思いませんか? 実は、かぼちゃの旬(収穫の季節)は夏から秋なのです! 夏にとれる野菜なのに、どうして真冬の冬至の日に食べるようになったのでしょうか?

理由1:冬を生き抜く「天然の保存食」だった!

冷蔵庫やビニールハウス、遠くから食べ物を運ぶトラックや飛行機がなかった大昔(江戸時代など)の冬を想像してみてください。 寒さが厳しく雪が降る冬は、畑で新鮮な野菜を育てることができませんでした。そのため、昔の人は冬になると野菜不足になり、ビタミンなどの栄養が足りなくなって病気にかかりやすかったのです。

そこで大活躍したのが「かぼちゃ」でした!

かぼちゃは皮がとても分厚くて硬いため、切らずに風通しの良い涼しい場所に置いておけば、数ヶ月間も腐らずに栄養を保ち続けることができます。 しかも、かぼちゃには健康な体づくりに欠かせない「ビタミンA・C・E(エース)」や食物繊維がたっぷり詰まっています。 ビタミンAは鼻やのどの粘膜を強くして風邪のウイルスを防ぎ、ビタミンCやEは体を元気に保ってくれます。

昔の人は、「夏に収穫したかぼちゃを大切にとっておき、寒さが一番厳しくなる冬至に食べて風邪を防ごう!」という素晴らしい知恵を生み出したのです。

Q. かぼちゃは夏野菜なのに、どうして冬まで腐らないの?
A. かぼちゃは硬くて分厚い皮がしっかりとしたバリアになって、中の水分と栄養を守ってくれるからです。冷蔵庫がなかった昔の人にとって、冬を元気に乗り切るための最高の「天然保存食」だったのですね。

理由2:「ん」がつく食べ物で「運」を呼び込む!

かぼちゃを食べるのには、もうひとつ面白い理由があります。 それは、言葉の音を使った「運盛り」という縁起担ぎです。

昔から、「ん」がつく食べ物を食べると、幸せや良い運気である「運」がつくと言われてきました。 かぼちゃは漢字で「南瓜」と書き、昔は「なんきん」と呼ばれていました。「な・ん・き・ん」と、見事に「ん」が2つも入っていますね!

特に、名前に「ん」が2つ付く食べ物は「冬至の七種」と呼ばれ、とても縁起が良いと大切にされてきました。

  1. なんきん(かぼちゃ)
  2. にんじん
  3. れんこん
  4. ぎんなん
  5. きんかん
  6. かんてん(寒天)
  7. うんどん(うどん)

どれも「ん」が2文字入っていますよね! 寒さに耐える栄養をしっかり補給しながら、「これから良いことがたくさん起きますように!」と願いを込めて食べたのです。

はると
はると
かぼちゃって甘くて美味しいだけじゃなくて、昔の人の生き残る知恵だったんだな!「ん」が2つ入る食べ物、今日の晩ごはんで全部探してみたくなったぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、ビタミンA・C・Eは風邪予防に最高の栄養素なのよ。昔の人は科学を知らなくても、体が元気になる食べ物を経験からしっかり知っていたのね。今日の晩ごはんやお弁当に、この7つのうちいくつ入っているか探してみるのも面白そうね!
冬至の食卓に並ぶかぼちゃの煮物
▲ 冬至の食卓に並ぶホクホクのかぼちゃの煮物(出典: Wikimedia Commons)

お風呂にゆずを浮かべるのはどうして?

冬至のもうひとつの大人気イベントといえば、お風呂に黄色いゆずをプカプカと浮かべる「ゆず湯」です! お風呂のドアを開けた瞬間、さわやかで甘酸っぱいいい香りがフワッと広がって、とっても気持ちがいいですよね。

なぜ冬至の夜には、お風呂にゆずを入れるのでしょうか? これにも、科学的な効果と昔の人の楽しい願いのふたつが込められています。

科学の力!体が芯からポカポカ温まる

ゆずの黄色い皮には、「リモネン」という柑橘類特有の香り成分(油分)がたくさん含まれています。

このリモネンには、毛細血管を広げて血行(血液の流れ)を良くする働きがあります。 そのため、普通のお湯に入るよりも体が芯からしっかりと温まり、お風呂からあがった後も湯冷めしにくくなるのです。 体がポカポカ温まれば、風邪をひきにくくなりますし、ぐっすり眠れて疲れも吹き飛びます。 さらに、ゆずの皮にはビタミンCも豊富に含まれているため、冬の乾燥でカサカサになりがちなお肌をすべすべに整えてくれる効果もあります。

言葉遊びと「邪気払い」

昔の人は、言葉の響きを合わせた楽しい語呂合わせ(ダジャレ)が大好きでした。 冬至にゆず湯に入るのにも、素敵な言葉遊びが隠されています。

  • 冬至 = 温泉に入って病気や怪我を治す「湯治」
  • 柚子 = 何事もスムーズに思い通りにいく「融通がきく」

「お湯に入って体を治し、どんな困難でも融通がきくように元気に乗り切ろう!」という前向きな祈りが込められているのですね。

また、昔は香りの強い植物には「悪いものや病気(邪気)を追い払う力がある」と信じられていました。 1年のうちでいちばん夜が長く、寒さが厳しい冬至の日に、強い香りを持つゆずのお風呂に入って体を清め、厄払いをしていたのです。

お家で安全に楽しむゆず湯のコツ!
丸ごとそのまま浮かべよう
お風呂にゆずを浮かべるときは、まず丸ごとそのままお湯に浮かべて、手で優しく転がしながらさわやかな香りを楽しみましょう。
ギュッとつぶさないのがコツ
強く握りつぶしたり果汁を絞り出したりすると、肌が弱い人はピリピリと痛くなることがあります。お肌が敏感な人は、ガーゼのタオルや洗濯ネットにゆずを入れて浮かべると安心ですよ!
はると
はると
お風呂に果物を浮かべるって、なんだか特別感があってワクワクするよな!サッカーの練習で冷え切った体も、芯までポカポカになりそうだ。
ひまり
ひまり
リモネンの香りは心をリラックスさせてくれる効果もあるのよ。でも、お肌がチクチクしないように、優しくお湯に浮かべて楽しんでね。
黄色い柚子が浮かぶゆず湯

冬至は「太陽の誕生日」って本当なの?

「1年でいちばん昼が短くて、夜がいちばん長い日」と聞くと、なんだか「1年でいちばん暗くて寒くて、寂しい日」のように感じるかもしれません。

しかし、昔の人にとって冬至は、まったく逆の「最高におめでたいお祝いの日」でした。 世界中や昔の日本では、冬至は「太陽が新しく生まれ変わる誕生日」として大切に祝われていたのです!

太陽の力が復活する「一陽来復」

冬に向かって、秋から冬へと進むにつれて、太陽が空にいる時間は毎日少しずつ短くなり、寒さが増していきます。 大昔の人々は、弱々しくなっていく太陽を見ながら、「このまま太陽の光が消えてしまわないだろうか」と不安な気持ちを抱えていました。

しかし、冬至を境目にして、次の日からはどうなるでしょうか? そうです!冬至を過ぎると、翌日からは毎日少しずつ、太陽が出ている時間が長くなっていくのです!

どん底まで弱まっていた太陽のパワーが底を打ち、ふたたび息を吹き返して春へ向かって強くなっていくスタートの日。 それが「冬至」なのです。

このことを、昔の言葉で「一陽来復」と呼びます。 「冬が去って春がめぐってくること」を表す言葉ですが、そこから転じて「つらいことや悪いことが続いた後には、必ず良い運気や幸せが巡ってくる」という意味のことわざとしても使われています。

冬至はジェットコースターの「いちばん底」!
冬至をジェットコースターにたとえると、急な坂をギューンと下りきった「いちばん底のポイント」です!
底まで行ったら、あとは上に向かって力強く駆け上がっていくだけですよね。冬至を過ぎれば、季節は毎日一歩ずつ、明るくあたたかい春へと向かって上り坂を進み始めるのです!

昔の人は、冬の厳しさにただ震えて耐えていたわけではありませんでした。 「今日がいちばん底だから、明日からは毎日少しずつ明るくなっていくぞ!」と、冬至を合図に大きな希望を胸に抱いていたのですね。

はると
はると
いちばん暗い日じゃなくて、太陽がパワーアップし始めるリスタートの日だったのか!そう考えると、明日からの毎日がなんだかワクワクしてくるな!
ひまり
ひまり
ええ!「一陽来復」って、とっても勇気がもらえる素敵な言葉よね。昔の人たちの自然への感謝と前向きな知恵には、本当に感心しちゃうわ。
冬至の朝日を笑顔で浴びる子どもたち

まとめ

今回は、冬の特別な節目の日「冬至」のひみつについて紹介しました。

📝 今日のまとめノート
1 冬至は1年で最も昼が短い日:地球が約23.4度傾いたまま公転しているため、太陽の光がナナメに差し込んで通り道が低くなる!
2 かぼちゃは昔の人の大作戦:夏に収穫して冬まで保存できる貴重な野菜!ビタミンA・C・Eで風邪を防ぎ、「ん」が2つ付く食べ物で運を呼び込む!
3 ゆず湯で体も心もポカポカ:皮に含まれるリモネンが血行を促進して湯冷めを防ぐ!「湯治」と「融通」をかけた厄除けの願いも込められている!
4 冬至は太陽が生まれ変わる日:「一陽来復」という言葉の通り、冬至を過ぎれば毎日少しずつ昼が長くなり、春へと進んでいく希望のスタート!
🖍️ ✏️

冬至は、ただカレンダーのひとつの日にちというだけでなく、自然の天体のリズムと、昔の人たちの素晴らしい知恵がぎゅっと詰まった日です。

今年の冬至がやってきたら、ぜひ空を見上げて太陽の高さを確かめたり、お家で甘いかぼちゃを味わったり、プカプカ浮かぶゆず湯に入ってみてくださいね。 昔の人たちの知恵を体感しながら、寒い冬を元気に笑顔で乗り切りましょう!

はると
はると
冬至って、地球の天体の仕組みから昔の人の生き残る知恵まで、すごいひみつがたくさんあったんだな!今年の冬至はかぼちゃをモリモリ食べて、ゆず湯に入って、元気いっぱいで冬のサッカーを頑張るぞ!……あっ、太陽がリスタートするなら、俺の宿題もリスタートってことにできないかな?
ひまり
ひまり
ふふ、美味しいかぼちゃとゆず湯で体を温めるのは大賛成だけど、宿題のリスタートはダメに決まってるでしょ!冬休みに入る前に、ちゃんと計画を立てて終わらせるわよ!
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