小学生でもわかる!「師走(しわす)」

師走

はじめに

カレンダーで「12月」の数字の横をじっくり見たことはあるかな? 小さな文字で「師走」と書かれているのを見つけたことがあるかもしれません。

普段、私たちは「1月」「2月」と数字で呼んでいるよね。でも、日本の昔のカレンダーには、月ごとに特別な呼び名(和風月名)がついていました。その中でも、特に有名で今でもよく使われるのが、12月をあらわす「師走」です。

でも、漢字をよく見てみるとちょっと不思議だと思いませんか? 「師」という漢字は「先生」や「師匠」のことを指します。そして「走」は文字通り走ること。つまり「先生やお坊さんがダッシュで走る月」という意味になります。

「えっ、学校の先生がマラソン大会でもするの?」 「いつも落ち着いている大人が、どうして走らなきゃいけないの?」

そんな疑問が湧いてきますよね。12月といえば、クリスマスや冬休み、お正月が近づいてきて、子どもたちにとってはワクワクが止まらない楽しい季節です。ところが大人たちを見渡してみると、仕事場でもお家でも、なんだか一年で一番バタバタと忙しそうに走り回っています。

一体なぜ、昔の人は12月を「師走」と名づけたのでしょうか? そして、なぜ年末になると日本中のみんなが大忙しになるのでしょうか? 今回は、そんな「師走」に隠された面白い秘密や歴史の謎を、一緒に楽しく解き明かしていきましょう!

はると
はると
「師が走る」ってことは、うちの担任の先生やサッカーのコーチが校庭をダッシュしてるのかと思ったぜ!大人たちもみんなバタバタしてて、なんだか落ち着かないよな!
ひまり
ひまり
ふふ、学校の先生だけじゃないのよ。でも、普段はどっしり構えている大人が走り回るくらい大忙しな月ってことなの。どんな秘密があるのか一緒に調べてみましょう、はると!

なぜ12月を「師走」って呼ぶの?

今私たちが使っている「1月、2月、3月……」という数字の呼び方は、実は明治時代になってから本格的に使われるようになったものです。それよりもずっと昔の日本では、季節の移り変わりやその月の行事に合わせた美しい名前で呼んでいました。これを「和風月名」と呼びます。

例えば、春が始まる3月は草木が生い茂る「弥生」、雨がたくさん降る6月は「水無月」、そして1年の締めくくりである12月が「師走」です。

では、なぜ12月だけ「師が走る」という不思議な名前がついたのでしょうか? 実は、言葉の由来にはいくつかの面白い説があります。その中でも特に有名なふたつの説を見比べてみましょう!

一番有名!お坊さんが走る「師馳す」説
「師」とはお寺のお坊さん(法師)のこと!
昔の日本では、お正月にご先祖様を手厚くお迎えするため、12月になると各家庭がお坊さんを家に呼んでお経を読んでもらっていたよ。
あちこちの家から引っ張りだこになったお坊さんは、朝から晩まで東西へダッシュ!
普段は静かに落ち着いて歩くお坊さんまで裾をまくって走ることから、「師馳す」が「師走」になったと言われているよ。
1年の終わり!仕事が仕上がる「仕果つ」説
「仕果つ」とは、1年間のすべての仕事が「やり終わる」「仕上がる」という意味!
昔の人々にとって、田畑の農作業や家の用事など、その年の仕事を残さずやり遂げることはとても大切なことだったよ。
「今年やるべき仕事を全部やり終えたぞ!」という区切りの言葉が、時代の流れとともに変化して「しわす」になったという説だよ。

どちらの説も「なるほど!」と納得できますよね。お坊さんが走り回るほど忙しいという情景も目に浮かびますし、1年の仕事をすべて終わらせてスッキリ新しい年を迎えたいという人々の願いもよく伝わってきます。

このほかにも、春・夏・秋・冬の4つの季節が極まる(尽きる)という意味の「四極つ」からきたという説や、1年が終わる(果てる)という意味の「年果つ」がなまったという説など、さまざまな考え方があります。

昔の人々も、私たちと同じように「あっという間に1年が終わっちゃう! 急いで片付けなきゃ!」と、12月には特別な焦りとやりがいを感じていたのかもしれませんね。

はると
はると
なるほど!あのお寺の偉いお坊さんが着物の裾を持って走る姿を想像したら、ちょっとクスッとしちゃったぜ。俺も宿題をためすぎて、冬休みの最終日に部屋をダッシュしてるのと同じかも!
ひまり
ひまり
もう、はるとったら!宿題をためて走るのは威張れることじゃないでしょ?でも、いつも落ち着いているお坊さんが走るくらい、昔の年末も熱気に包まれていたのね。
お坊さん走る

師走になるとみんなが大忙しになるのはなぜ?

12月に入ると、街の様子がガラリと変わります。テレビでは年末特番の予告が流れ、スーパーにはお正月用の食材がズラリと並び、お父さんやお母さんは大掃除の計画を立て始めます。

「どうして師走になると、大人たちはこんなにも大忙しになるんだろう?」 「クリスマスが終わったとたん、急に雰囲気が変わるよね」

そう感じたことがある人も多いはずです。実は、師走に日本中が大忙しになるのには、ただ「1年が終わるから」という理由だけではありません。日本人が古くから何百年も大切にしてきた、「ある特別な神様」をお迎えするための大作戦があるからなのです!

その神様の名前は、「歳神様」(年神様とも書きます)。

歳神様は、毎年お正月の元旦(1月1日)に、それぞれの家にやってきてくれる特別な神様です。新しい年の始まりとともに、私たちに健康や幸せ、そして1年を元気に生きるための「命の力(エネルギー)」をプレゼントしに来てくれると信じられてきました。

想像してみてください。もし、あなたの大切な友達や、憧れのヒーローが自分の家に遊びに来るとしたらどうしますか? 部屋がゴミだらけで散らかっていたり、ホコリまみれの玄関だったりしたら、恥ずかしくて招き入れられないですよね。「きれいにして歓迎したい!」と一生懸命片付けるはずです。

それとまったく同じで、昔の人々は「神聖でありがたい歳神様に気持ちよく家に入ってもらい、たくさんの福を授けてもらおう!」と考えました。そのために師走の時期に集中して行う、3つの大切な伝統ステップがあるのです。

STEP 1 すす払い(大掃除)で家中の厄とホコリを落とす!
昔は12月13日を「事始め」と呼び、お正月準備をスタートする日としていました。天井や柱にたまった1年分のススやホコリを落とす「すす払い」を行い、家の中の汚れと一緒に、たまった悪い運気(厄)をきれいに追い出します。これが今の大掃除の始まりです!
STEP 2 門松やしめ飾りで「神様の目印」をととのえる!
家がピカピカになったら、玄関に「門松」や「しめ飾り」を飾ります。門松の青々とした松や竹は、遠くからやってくる歳神様が「ここがお客さんを歓迎する家ですよ!」と見つけるための目印になります。しめ飾りは、家の中が清らかな神聖な場所であることを示すバリアのような役割を持っています。
STEP 3 年越しそばを食べて一年の厄を断ち切る!
師走の最後の日である12月31日の「大みそか」には、家族そろって年越しそばを食べます。そばは細く長いことから「健康で長生きできますように」という願いが込められています。また、そばは他の麺類よりも噛み切りやすいことから、「今年の苦労や災いをサッパリ断ち切って、新しい年へ行こう!」という意味もあるのです。

このように、師走の大忙しは単なるバタバタではなく、家族の健康と幸せを願って神様をお迎えする、愛と感謝が詰まった伝統行事だったのですね。

はると
はると
歳神様って、お正月にみんなへ元気を配りに来てくれる特別なゲストなんだな!部屋が散らかったままだと素通りされちゃうかもしれないから、絶対にきれいにしなきゃ!
ひまり
ひまり
そうね!大掃除や飾り付けのひとつひとつに、家族みんなの幸せを願う優しい意味が込められているの。理由がわかると、お手伝いも楽しくなってくるわね。
年末の大掃除を家族で楽しむ様子

師走を100倍楽しむための3つのミッション!

大人が忙しそうに走り回っている師走。「自分はまだ子どもだから、こたつでみかんを食べながらゲームしていよう!」と思っているなら、それはちょっぴりもったいないかもしれません。

師走は、小学生にとっても「自分のレベルをグーンと上げて、最高の新年を迎えるための最高のチャンス」なのです。そこで、小学生のみなさんにぜひ挑戦してほしい「師走を100倍楽しむための3つのミッション」を紹介します!

  1. 自分の部屋と机をピカピカにする「大掃除ミッション」
    家全体の大掃除はお父さんやお母さんが中心になりますが、自分の勉強机や本棚、おもちゃ箱は自分の手で片付けてみましょう。引き出しの奥底に眠っているプリントを整理したり、机の上をきれいに拭いたりするだけで、頭の中まで驚くほどスッキリします。「今年1年間、勉強や読書を支えてくれてありがとう!」と道具に感謝しながらピカピカに磨いてみましょう。
  2. 今年できるようになったことを3つ書く「振り返りミッション」
    ノートや紙を用意して、この1年間で「自分が成長したこと」を3つ書き出してみましょう。「逆上がりができるようになった」「給食を全部残さず食べられる日が増えた」「テストでケアレスミスが減った」「友達と仲直りできた」など、どんなに小さなことでも構いません。1年間で自分がどれだけ前進したかを実感すると、大きな自信が湧いてきます。
  3. 新しい年に挑戦したい「ワクワク目標」を決めるミッション
    新しいカレンダーを開く前に、来年やってみたい夢や目標を1つ決めてみましょう。「リフティングを100回続ける」「本を月に2冊読む」「家族に毎日笑顔で挨拶する」など、自分がワクワクする目標を立てます。大みそかまでに目標を決めておくと、1月1日の元旦を迎えた瞬間に、最高のスタートダッシュを切ることができますよ!

この3つのミッションをクリアすれば、心も部屋もピカピカになって、やってくる新しい年が何倍も素晴らしいものになるはずです。

はると
はると
よーし!俺はまずサッカーボールとスパイクをピカピカに磨いて、机の上のプリントタワーを片付けるぞ!来年の目標は「リフティング200回」と「宿題をためないこと」だ!
ひまり
ひまり
あら、宿題をためない目標も入っていて素晴らしいわね、はると!私は今年読んだ本を読書ノートにまとめて、来年は体の仕組みや健康についての本をもっとたくさん読む目標を立てるわ。
机に向かって新年の目標を書く小学生

まとめ

12月の昔ながらの呼び名である「師走」。 その意味や由来を知ると、ただカレンダーに書いてある難しい言葉ではなく、昔から日本人が受け継いできたあたたかい知恵や感謝の気持ちが伝わってきますね。

最後に、今回のポイントをノートにまとめておきましょう!

📝 今日のまとめノート
1 「師走」は12月の和風月名で、普段は落ち着いているお坊さんも走り回るほど忙しい季節!
2 1年間の仕事がすべて仕上がる「仕果つ」や年が終わる「年果つ」が由来という説もあるよ。
3 師走にみんなが大忙しになるのは、お正月に福を届けてくれる「歳神様」をきれいな家でお迎えするため!
4 大掃除で身の回りを清め、1年間の成長を振り返ることで、最高の新年を迎える準備ができるよ!
🖍️ ✏️

大みそかの夜に除夜の鐘が鳴り響くころ、日本中の家々がきれいになり、新しい年を迎える準備が整います。 みなさんも、ぜひ家族と一緒に大掃除をお手伝いしたり、今年1年の素敵な思い出を振り返ったりしながら、充実した師走を過ごしてくださいね!

はると
はると
師走の意味がわかったら、年末の忙しさも「お正月という大イベント」に向けたチームプレーみたいでワクワクしてきたぞ!俺も家族の即戦力として大掃除を頑張るぜ!
ひまり
ひまり
ふふ、頼もしいわね!みんなで力を合わせてお家をきれいにして、気持ちよく歳神様をお迎えしましょうね。素敵なお正月になりますように!
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