太陽風ってなに?
みなさんが外で感じる風と違って、太陽からは目に見えない特別な「風」が吹いています。これが「太陽風」です。実はこの風、空気でできているのではなく「プラズマ」という電気を持った小さな粒でできています。プラズマは、普段目にする氷(固体)→水(液体)→水蒸気(気体)とは違う、4つ目の物質の状態です。雷が光るときや蛍光灯の中でもプラズマが発生しています。太陽の表面は5500度(給食のスープの約80倍の熱さ!)もあり、この熱でプラズマが作られています。

はると
太陽風って、風なのに空気じゃないってマジ?それって、俺のカレーライスにパクチーが入ってるみたいに、なんか変な感じだな!

ひまり
はると、パクチーの話は置いといて…太陽風がプラズマでできてるなんて、まるで魔法みたい!私、もっと調べてみたいな。
太陽のどこから飛んでくるの?
太陽風は太陽の「コロナ」という部分から飛び出しています。コロナは普段見えない太陽の外側の層で、温度が100万度以上にもなります。熱いお湯がやかんから噴き出すように、この超高熱でプラズマが太陽の引力を振り切って宇宙へ飛び出します。地球の引力(物を引きつける力)の28倍もある太陽の引力から逃げ出すなんて、とってもパワフルですね!
ユリシーズ(宇宙船)が太陽風の変化する速度を測定している映像
NASA – Marshall Space Flight Center, Public domain, via Wikimedia Commons
どれくらい速く地球に届くの?
太陽風の速さは時速約160万km(秒速約450km)で、新幹線(時速320km)の5000倍、ジェット機(時速900km)の1800倍もの速さです。この速さなら、東京から大阪まで0.3秒、地球から月まで2日半で到着します。もし太陽風に乗れたら、学校の25mプールを0.05秒で往復できる計算です!

はると
太陽風が時速160万kmって、新幹線の5000倍!?それなら、俺がサッカーボール蹴るスピードも太陽風並みに速くなれば、プロになれるかも!

ひまり
はると、そんなに速く蹴ったらボールが燃えちゃうわよ!
地球にどんな影響があるの?
太陽風が地球に届くと、特別な現象が起こります。北極や南極で見られるオーロラは、太陽風の粒が地球の大気の粒(酸素や窒素)と衝突して光ります。赤や緑の光のカーテンができる様子は、空全体が巨大な蛍光灯のよう!色の違いは衝突する気体の種類で決まります。酸素なら緑色、窒素なら赤や青に光るのです。
でも強い太陽風が来ると困ることも。1989年にはカナダで600万人が9時間も停電し、エレベーターに閉じ込められる人もいました。人工衛星が故障すると、テレビの天気予報が映らなくなったり、カーナビが道を間違えたりします。宇宙飛行士さんが宇宙ステーションで被ばくする危険もあるため、太陽風の予測はとっても大切です。
どうやって調べているの?
科学者たちは「SOHO」や日本の「ひので」といった人工衛星で宇宙から直接観測しています。ひので衛星はサッカーコートほどの大きさで、特殊なカメラで太陽の表面を毎日撮影しています。地上では「磁力計」という機械で地球の磁場変化を測定。磁石のN極とS極が引き合うように、太陽風が来ると地球の磁場が揺れるのをキャッチする仕組みです。
太陽観測衛星「ひので(SOLAR-B)」
NASA/GSFC/C. Meaney, Public domain, via Wikimedia Commons
未来のために何ができる?
今、世界中で「宇宙天気予報」の研究が進んでいます。天気予報のように「明日の正午、強い太陽風が来ます。人工衛星の電源を切ってください」と事前に知らせることが目標です。もし正確に予測できれば、停電を防いだり、宇宙旅行を安全にしたりできるようになります。将来は、オーロラ出現時刻を予想するアプリができるかもしれませんね!

はると
ひまり、宇宙天気予報ができたら、俺たちもオーロラを見に行けるかも!その時は、パクチー抜きのカレーを持って行こうぜ!

ひまり
はると、相変わらずパクチーの話ね…でも、オーロラを見ながらカレーを食べるなんて、夢みたい!私、看護師になったら宇宙飛行士さんの健康も守りたいな。
もっと知りたくなったら
国立天文台の「ひので科学プロジェクト」サイトでは、衛星が撮影した最新の太陽画像が見られます。自由研究で太陽の表面の変化を調べてみるのも面白いですよ。お家でできる実験なら、磁石の上で鉄粉を振ると、太陽風が地球の磁場を作る様子を再現できます。みなさんも今日から「太陽ウォッチャー」になって、宇宙の不思議を探ってみませんか?
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