宇宙と地球を何度も行き来した特別な乗り物
スペースシャトルは、ロケットのように宇宙へ飛び立ち、飛行機のように地上に戻ってくる「世界初の再利用型宇宙船」です。1981年から30年間で135回も宇宙を往復し、日本の「きぼう」実験棟を運んだこともあるんですよ!最後の飛行から10年以上経った今でも、その技術は新しい宇宙船に受け継がれています。

はると
スペースシャトルって、ロケットと飛行機が合体したみたいでカッコいい!俺、サッカーボールみたいに蹴っ飛ばして宇宙まで飛ばせるかな!?

ひまり
はると、それは無理よ。スペースシャトルはプール2個分以上の大きさなんだから。でも、再利用できるなんて、地球に優しい乗り物なのね!
3つのパーツが合体した巨大マシン
スペースシャトルは組み立て式の乗り物で、全長56メートル(プール25mの2倍以上)の大きさがあります。主なパーツは次の3つ:
- オービター:宇宙飛行士が乗り込む有人宇宙船部分。コックピットには飛行機と同じような計器が並び、後部には大きな荷物室があります。窓から見える地球は「青いビーチボールみたい」と表現されることも。
- 外部燃料タンク:オレンジ色の巨大なタンク。打ち上げ時に必要な燃料(液体水素と液体酸素)を貯蔵します。軽量化のため断熱材が塗られ、飛行中に少しずつ剥がれ落ちる様子が「宇宙で花火を見ているよう」と例えられました。
- 固体ロケットブースター:2本の白いロケット。点火後2分間だけ作動し、打ち上げ初動を支えます。使い終わるとパラシュートで回収され、整備されて再利用されます。
スペースシャトルの構造
出典:https://iss.jaxa.jp/iss_faq/inf/shuttle.html
宇宙ステーション建設の主役だった
スペースシャトルは「宇宙のトラック」と呼ばれ、最大24トン(大型バス2台分)の物資を運べました。主な仕事内容は:
- 精密機械の運搬:ハッブル宇宙望遠鏡を設置し、故障時には修理ミッションも実施
- 宇宙ステーションの組み立て:日本の「きぼう」を含むISS(国際宇宙ステーション)の建設工事
- 特殊環境での実験:無重力状態を利用した新薬開発や材料研究
- 宇宙飛行士の移動:日本人初の宇宙飛行士・毛利衛さんも搭乗
打ち上げの瞬間はまさに圧巻!
発射台に立つスペースシャトルは、高さ約60m(20階建てビル相当)にもなります。打ち上げ時には:
- メインエンジン点火(-6秒)
- 固体ロケットブースター点火(0秒)
- 発射台のボルトを爆破解体(0.5秒後)
- 時速5000kmまで加速(8分後、宇宙到達)
打ち上げの轟音は「雷が100回同時に鳴ったような音」と表現され、3km離れていても耳栓が必要なほど。発射台周辺の水槽(消音用)には340トンもの水が注入されます。
スペースシャトルの打ち上げ
宇宙生活の意外な日常
無重力空間では、次のような工夫がされています:
食事:
・レトルトカレーやフリーズドライみそ汁など約200種類のメニュー
・マグカップは使えず、ストローで吸うかチューブから絞り出す
・コショウは飛散防止のため液体状に加工

はると
宇宙でカレーが食べられるなんて最高!でも、ストローで吸うの? 俺、スプーンでご飯と一緒に食べるのが好きなのに…。

ひまり
無重力だと、普通にご飯を食べるのは難しいのよ。でも、液体コショウなんて面白いわね! 私、宇宙でイチゴ味のデザートとか食べてみたいな。
睡眠:
・寝袋を壁に固定し、腕を体に巻き付けて就寝
・目覚まし代わりに管制官が音楽で起こす
・1日16回の日の出を見られるが、8時間睡眠を確保
健康管理:
・筋力低下防止のため毎日2時間のトレーニング
・シャワー代わりに濡れタオルで体を拭く
・髪の毛は宇宙用ドライシャンプーで洗浄
スペースシャトル内での就寝
NASA, Public domain, via Wikimedia Commons
大気圏突入は「火の玉」状態
帰還時には次のような過程を経ます:
- 軌道修正エンジンを逆噴射(高度低下開始)
- 大気圏突入時、機体表面が1600℃に(溶岩の約2倍の熱さ)
- 耐熱タイルが断熱材代わりに(表面は焦げるが内部は室温を維持)
- 音速突破時に発生する衝撃波(ドーンという大きな音)
- 滑走路に着陸(時速約350km、普通の飛行機の約2倍の速度)
耐熱タイルは約2万7000枚も貼り付けられており、1枚ずつ手作業で取り付けられていました。タイルの厚みは場所によって異なり、最も薄い部分では5mmしかありません。
歴史に残る偉業と教訓
スペースシャトル計画では次のような記録が生まれました:
- 最長宇宙滞在:17日15時間(コロンビア号)
- 最多搭乗者数:8人(チャレンジャー号)
- 日本人初の宇宙飛行:1992年毛利衛さん(エンデバー号)
一方で、1986年のチャレンジャー号爆発事故と2003年のコロンビア号空中分解事故では計14名の宇宙飛行士が犠牲になりました。これらの教訓から、現在の宇宙船には脱出装置が装備されるようになりました。
未来へつなぐ宇宙開発
スペースシャトル引退後、アメリカでは新型宇宙船「クルードラゴン」が開発され、日本でも「H3ロケット」の改良が進んでいます。将来の月面基地建設や火星有人探査でも、スペースシャトルで培われた技術が活用される予定です。
「宇宙エレベーター」や「軌道ホテル」の構想も現実味を帯びてきています。もしかすると、この記事を読んでいる皆さんの中から、次世代の宇宙船を設計するエンジニアが誕生するかもしれませんね!
ISSに接近するクルードラゴン
NASA, Public domain, via Wikimedia Commons
宇宙への好奇心を大切に
スペースシャトルは、人類が宇宙と地球を結ぶために生み出した画期的な乗り物でした。30年間の活躍で得られたデータは、現在の宇宙開発の基盤となっています。皆さんが大人になる頃には、月や火星への定期便が運行されているかもしれません。宇宙に興味を持ったら、まずは星空観察や科学館見学から始めてみましょう。誰もが宇宙への一歩を踏み出せる時代が来ているのです!

はると
将来、俺が宇宙でサッカーする時は、スペースシャトルみたいなカッコいい乗り物で行きたいな! ひまりも一緒に連れてってやるよ!

ひまり
ありがとう、はると! でも、まずは勉強を頑張らないと、宇宙飛行士にはなれないわよ。それに、宇宙に行く前に、はるとはサッカーボールを蹴る練習をもっとしないとね!
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