はじめに
朝起きて顔を洗い、学校へ行って授業を受け、給食をもりもり食べて放課後に友達と遊ぶ。そして夜になったらお風呂に入ってぐっすり眠る。
私たちは毎日、あたりまえのように時計を見ながら生活していますよね。
でも、ふとこんな疑問を持ったことはありませんか?
「1日はなんで24時間なんだろう?10時間や100時間のほうがキリがよくて計算しやすいのに!」
テストの点数も「100点満点」ですし、100円玉や1000円札のように、普段使っているお金や数字のほとんどは「10」を基本にまとめられています。算数でも10のまとまりで計算したほうがずっとラクなはずです。それなのに、時間だけは「1日=24時間」「1時間=60分」という、ちょっと不思議な数字が使われていますよね。
実はこの数字、適当に決められたわけではありません。今から何千年も前の大昔の人たちが夜空を見上げて発見した「星のひみつ」や、生活を便利にするための「驚きの知恵」がぎっしり詰まっているのです!
今回は、「1日はなぜ24時間なのか?」という身近な時間の謎を、地球の動きや大昔の歴史、さらには宇宙の星たちと比べながら楽しく解き明かしていきましょう!
そうなんだよ!1日が10時間なら、キリがよくて宿題の予定もパパッと計算できるのに!なんで「24」なんて半端な数字なんだ?中途半端で覚えにくいじゃん!
ふふ、確かに10のほうが計算しやすい気がするわよね。でもね、はると。この「24」には、大昔の人たちが星空を見上げて見つけた素敵なひみつが隠されているのよ!……その前に、今日の宿題はもう終わったの?
そもそも「1日」ってなに?地球の自転とコマ回し
「なぜ24時間なのか」を考える前に、そもそも「1日」という時間の長さがどうやって生まれているのかを見てみましょう。
朝になると東の空から太陽がのぼり、お昼には空のてっぺんを通って、夕方になると西の空へ沈んでいきます。そして真っ暗な夜がやってきて、また朝を迎える……。この「朝から次の朝まで」のサイクルのことを、私たちは「1日」と呼んでいますよね。
空を見上げていると、まるで太陽が地球のまわりをぐるぐると回っているように思えます。でも、理科の授業でも習うように、実際に動いているのは太陽ではなく「地球のほう」なのです!
私たちの足もとにある地球は、まるで巨大なコマのように、自分自身でくるくると回転しています。この地球が自分で回る動きのことを、科学の言葉で「自転」と言います。
地球がコマのようにぐるっと「1回転」する時間、それこそが「1日」の正体です!
地球がくるくる回っているとき、太陽の光が当たっている半分は明るい「昼」になります。その反対側の光が当たらない半分は暗い「夜」になります。地球が休むことなく回転し続けているからこそ、昼と夜が順番にやってくるわけですね。
つまり、「1日」という時間の長さそのものは人間が勝手に決めたルールではなく、「地球が1回転するスピード」という自然のリズムによって最初から決まっていたのです。
俺たちが立っているこの地球が、ものすごいスピードでコマみたいに回っているのか!全然揺れないから知らなかったぞ!
ふふ、地球がとても大きくて、滑らかに回っているから気づかないのよね。じゃあ次は、その地球の1回転をどうやって「24」に分けたのかを見てみましょう!
▲ 地球がコマのようにぐるぐる回る「自転」。太陽の光が当たると昼、陰になると夜になるよ
なぜ24時間なの?古代エジプトの星空観察のひみつ
地球が1回転する時間が「1日」なのはわかりました。では、昔の人たちはなぜその1回転を「10」ではなく「24」に分けたのでしょうか?
そのきっかけを作ったのは、今からおよそ5000年も前の「古代エジプト」に暮らしていた人たちでした!
古代エジプトの人たちは、太陽の光でできる影の長さを利用した「日時計」を使って昼の時間を測っていました。彼らは昼の間をキリよく「12」に分けて生活していたのです。
でも、ここで大きな問題が起こります。太陽が沈んで夜になると、あたりは真っ暗になり、日時計の影が見えなくなってしまいますよね。「夜の時間はどうやって測ればいいんだ?」とエジプトの人たちは困ってしまいました。
そこでエジプト人が見上げたのが、夜空に輝く「満天の星空」でした!
地球が自転しているため、夜空の星たちも東から西へとゆっくり動いていきます。古代エジプトの天文学者たちは、夜空の決まったルートを順番に通り過ぎていく明るい星のグループ(デカン星と呼ばれます)に注目しました。
そして、夜の間にちょうど順番に現れる「12個の目印の星」を見つけ出したのです!
「星が1つ通り過ぎたら1時間。夜の間に12個の星が空を渡っていくから、夜の長さは12時間だ!」
こうして、「昼の12時間」+「夜の12時間」を合わせて「1日=24時間」という数え方が誕生しました。昼も夜も同じ「12」という数字で揃えたことで、合計24時間という仕組みが完成したのです。
やってみよう!親指で「12」を数えるひみつ
古代の人たちが「12」という数字を大切にした理由は、人間の「手」にもあります。自分の手のひらを見て、親指の先で人差し指から小指までの「指の関節(節)」をトントンと数えてみてください。人差し指に3つ、中指に3つ、薬指に3つ、小指に3つ……全部でぴったり「12」になりますよね!片手だけで12まで数えられるため、大昔の人にとって12は最高の数字だったのです。
すげー!親指で指の節をトントン数えたら、本当に片手で12まで数えられたぞ!道具がなくても体で数を数えられたなんて、大昔の人も頭がいいよな!
ええ!しかも、夜空の星を時計代わりにするなんて素敵よね。昼の12時間と夜の12時間を足して24時間。星空の観察から生まれた知恵なのね。
▲ 大昔に使われていた石造りの日時計(スカフェ日時計)。影が落ちる位置で時間を測っていたんだよ!
1時間はなぜ60分?古代バビロニア人の大発見!
1日が24時間になった理由は、昼と夜をそれぞれ12個ずつに分けたからでした。でも、時計にはもうひとつ大きな謎がありますよね。
「1時間はなぜ60分なの?1分はなぜ60秒なの?」
ここでもやっぱり、「100分」のほうが計算しやすい気がします。なぜ昔の人は、わざわざ「60」という大きな数字を選んだのでしょうか?
この謎を解き明かしたのは、エジプトのお隣にあったメソポタミア地方の「古代バビロニア」の人たちです。彼らは「60」をひとまとまりとして数を数える「60進法」を使っていました。
なぜバビロニアの人たちが60を選んだのかというと、「60はいろんな人数で平等に分けられる、ものすごく便利な数字」だったからです!
たとえば、お菓子やピザを友達と分ける場面を想像してみてください。
もし「10個のお菓子」を分けるとしたら、あまりを出さずにピッタリ分けられるのは「2人」か「5人」のときだけです。3人や4人で分けようとすると、割り切れなくてケンカになってしまいますよね。
ところが「60」という数字は、驚くほどたくさんの数で割り切ることができます!
キレイに
割り
切れるのは「2
人」と「5
人」の2
通りだけ!
3
人、4
人、6
人で
分けようとすると
端数が
出てケンカになってしまう!
60で分けるとき(バビロニアの知恵)
2
人、3
人、4
人、5
人、6
人、10
人、12
人、15
人、20
人、30
人……なんと10
通りもの
人数でキレイに
割り
切れる!(10のときの5
倍!)
「30
分(
半分)」「20
分(3
分の1)」「15
分(4
分の1)」など、
時間をきれいに
区切るのに
最強の
数字!
「あと半分の30分だけ遊ぼう!」「4分の1の15分で宿題をやろう!」というように、時間を細かく分けて使うとき、60という数字はこれ以上ないほど便利だったのです。
大昔の人たちは、太陽が出ているときは日時計、夜や曇りの日は一定のスピードで水が垂れる「水時計」や、サラサラと砂が落ちる「砂時計」を使って、この便利な「60」のリズムを正確に測り続けました。
バビロニアの人たちの知恵があったからこそ、現代の私たちもスムーズにスケジュールを立てて生活できているのですね。
なるほど!60なら2人でも3人でも4人でもケンカにならずに分けられるのか!サッカーの練習メニューを組むときも、15分や30分で区切るとわかりやすい理由がわかったぞ!
ふふ、時間をみんなで平等に使うための大発明だったのね。砂時計や水時計で少しずつ時間を測っていた昔の人の工夫にも頭が下がるわ。
▲ 一定のスピードで砂が落ちる砂時計。夜や雨の日でも時間を正確に測る工夫だったんだね
ほかの星の1日は?宇宙へ飛び出してみよう!
ここまで地球の「1日=24時間」のお話をしてきましたが、もし私たちが宇宙船に乗ってほかの惑星へ引っ越したら、1日はどうなるとお思いますか?
実は、宇宙にある星たちの「コマ回し(自転のスピード)」は星ごとにバラバラで、1日の長さも全く違います!
太陽系の仲間たちの1日をのぞいてみましょう。
- 火星:地球のお隣にある赤い星。自転するスピードが地球とそっくりで、1日は約24時間37分!地球とほぼ同じ生活リズムで過ごせます。
- 木星:太陽系で一番大きな巨大惑星ですが、なんと猛スピードで超高速回転しています!1日はたったの約10時間。あっという間に昼が終わり、あっという間に夜がやってきます。
- 金星:地球と大きさが近い星ですが、回転スピードは超のんびり。なんと地球の時間で約243日かけて、ようやく1回まわります。
- 水星:太陽のすぐ近くを回る水星もゆっくり屋さんで、1回まわるのに地球の約58日半もかかります。
Q. 1年より1日のほうが長い星があるって本当?
A. 本当です!お隣の金星は、太陽のまわりをぐるっと1周する時間(金星の1年=約225日)よりも、自分で1回転する時間(金星の1日=約243日)のほうが長いという不思議な星です。「あけましておめでとう!」と新しい年を迎えても、まだ昨日の昼間が続いているような不思議な世界なんですよ。
こうして宇宙の惑星たちと比べてみると、地球の「1日=24時間」という長さは、人間が起きて活動し、ごはんを食べ、夜にぐっすり体を休めるのに、本当にちょうどいい奇跡のようなバランスなんですね。
木星の1日は10時間なのか!?朝ごはんを食べてサッカーの試合をしたら、もう真っ暗になって寝る時間じゃん!俺は地球の24時間のほうが断然いいな!
あはは!木星にいたら大忙しよね。逆に金星だと、一度夜になったら何ヶ月も朝が来ないから困っちゃうわ。地球の24時間は、私たちの命のリズムにぴったり寄り添っているのね。
▲ 太陽系の惑星たちの大きさと自転。星によって1日の長さはぜんぜん違うんだ!(NASA等の観測図より)
まとめ
普段なにげなく見ている時計の「24時間」や「60分」には、地球の自然のリズムと、何千年も前の古代の人たちの素晴らしい知恵が詰まっていましたね。
最後に、今日学んだ大切なポイントをおさらいしておきましょう!
📝 今日のまとめノート
1
「1日」の正体:地球がコマのように自分自身で1回転する時間(自転)のこと!
2
「24時間」の由来:古代エジプト人が、昼の12時間と夜空に見える12個の目印の星(デカン星)を足して決めた!
3
「60分・60秒」の知恵:古代バビロニア人が発見した「たくさんの人数でキレイに等分できる便利な数字(60進法)」がもとになっている!
4
宇宙の奇跡:星によって1日の長さはバラバラ。地球の24時間は私たちが元気に暮らすのに最高のバランス!
🖍️ ✏️
次に時計を見るときは、ぜひ大昔のエジプト人が見上げた満天の星空や、足もとで静かに回り続けている地球の姿を思い出してみてください。いつもの時間が、ちょっぴり特別でワクワクするものに感じられるはずですよ!
地球のコマ回しと、大昔のエジプトやバビロニアの人たちの知恵が合体して今の時計ができたんだな!これからは時間を大切にして、サッカーの練習も宿題も集中してやるぞ!
ふふ、偉いわねはると!当たり前に流れている時間も、理由を知ると感謝したくなるわよね。毎日を大切に、楽しく過ごしていきましょうね!
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