みなさん、こんにちは!今日は「ブラックマンデー」というおもしろい名前の、昔起きた大きな経済の出来事についてお話しします。難しそうに聞こえるかもしれませんが、わかりやすく説明するので一緒に学んでいきましょう!

はると
ブラックマンデーって、サッカーのユニフォームが真っ黒な月曜日みたいな感じ?

ひまり
はると、それだとただのファッションセンスの話よ。経済の大事件なの!株の話、ちゃんと聞いてた?
株ってなに?お菓子工場で考えてみよう!
まず、ブラックマンデーを理解するために「株」について知っておく必要があります。
「株」とは、会社の一部を持っている証明書のようなものです。たとえば、「おいしいチョコ工場」という会社があるとしましょう。この工場を大きくするためにはお金がかかります。そこで社長さんは「おいしいチョコ工場の一部を買ってくれませんか?工場が儲かったら、お金をわけあいっこしますよ」と言います。
これが「株」です。あなたが1000円で「おいしいチョコ工場」の株を買ったとします。その後、工場がたくさんチョコを売って大成功!すると、あなたの株も値上がりして1500円になるかもしれません。または、会社が儲かったお金の一部をもらえることもあります。これを「配当金」と言います。
でも注意が必要です。もし工場がうまくいかなくなると、あなたの株も値下がりして800円になってしまうかもしれません。これが株の「リスク」です。

はると
へぇー、株って『おいしいチョコ工場』を応援する感じなんだ!じゃあ、俺が好きなカレー屋さんの株があったら、儲かったら配当金で毎日カレー食べ放題!?

ひまり
お金でもらうのよ!もう、はるとはすぐカレーのことなんだから。でも、応援したい会社にお金を託すっていうのは、そういうことかもね。
ブラックマンデーって何があったの?
さて、本題の「ブラックマンデー」についてです。ブラックマンデーとは、1987年10月19日に起きた、世界中の株価が一気に急落した日のことを言います。
その日、アメリカの株価(ダウ平均株価という数字)が、たった1日で22%も下がりました!これがどれだけすごいことか想像してみてください。あなたが持っていた1000円分の株が、次の日には780円になってしまったのです。
世界中の株式市場がパニックになり、日本でも株価が大きく下がりました。多くの人がお金を失って、新聞やテレビは大騒ぎになったのです。
ダウ平均株価のチャート (1987年7月19日~1988年1月19日)
Edward, Public domain, via Wikimedia Commons
なぜ「ブラック(黒い)マンデー」というの?
「どうして黒い月曜日って呼ぶの?」と思った人もいるでしょう。
実は、経済の世界では、会社の成績が良くて儲かっていることを「黒字」、反対に損をしていることを「赤字」と言います。これは昔、会計帳簿をつけるとき、儲けはプラスなので黒のインクで、損失はマイナスなので赤のインクで書いていたことから来ています。
しかし「ブラックマンデー」の「ブラック」は、暗い・悲しいという意味で使われています。株価が大暴落して、多くの人が悲しい思いをした「暗黒の月曜日」という意味なんです。
ブラックマンデーはなぜこんなにすごかったの?水の入ったバケツで考えてみよう
株価が下がることは時々あります。でも、ブラックマンデーの下がり方はとても特別でした。
想像してみてください。水がいっぱい入ったバケツがあります。小さな穴が1つあいていると、水はゆっくり減っていきますね。これが普通の株価の下がり方です。
でも、ブラックマンデーのときは、バケツの底が一気に抜けてしまったようなもの!水が一気に流れ出してしまいました。
数字で見ると、アメリカのダウ平均株価は508ポイントも下落しました。パーセントでいうと22.6%です。これは、それまで起きた中で最大の1日の下落率でした。
例えば、1000円のお小遣いがあったのに、突然226円も減って774円になったようなものです。もしみんなの持っている大事なゲームが、ある日突然4分の1も値段が下がってしまったら、びっくりしますよね。
ブラックマンデーの原因を科学者のように調べてみよう
なぜこんな大きな出来事が起きたのでしょうか?実は、一つだけでなく、いくつもの原因が重なったんです。まるで、台風が起きるときと同じように、いろいろな条件が重なったのです。
1. コンピュータが自動で株を売ってしまった?
1987年には、今ほどコンピュータは発達していませんでしたが、株の取引にはコンピュータが使われ始めていました。「プログラム取引」というシステムがあり、株価が下がると自動的に売るようにプログラムされていたのです。
想像してみてください。あなたの家のロボットに「お菓子の値段が10円下がったら、すぐに買いに行って」と命令しておいたとします。もし町中のみんなが同じ命令をロボットにしておいたら、値段が下がった瞬間、町中のロボットがお店に殺到してしまいますよね。
株の世界でも同じことが起きました。株価が下がると、多くのコンピュータが一斉に「売れ!」という命令を出したのです。これが「連鎖反応」を起こし、株価がどんどん下がってしまいました。
2. 世界の経済に不安があった
ブラックマンデーの前から、アメリカの経済には心配な兆候がありました。
まず、アメリカは外国から輸入する物が多く、「貿易赤字」といって、外国に支払うお金の方が多い状態でした。さらに、「金利」といって、お金を借りるときに支払う利息が上がっていました。
金利について簡単に説明すると、例えば友達から100円借りるとき、「返すときに110円にするね」と約束することがあります。この10円が「利息」で、その割合が「金利」です。金利が上がると、お金を借りるのが大変になるのです。
また、アメリカとドイツ、日本、イギリス、フランスなどの国々は、「為替レート」(お金の交換率)を安定させる「プラザ合意」という約束をしていました。それによってドルの価値が下がり、アメリカの経済に影響が出ていたのです。
このように、経済全体に不安がある状態だったんです。
3. 人々の不安が広がった
株価は、人々の気持ちにも大きく影響されます。ブラックマンデーの前の週、株価はすでに下がり始めていました。そして週末に、新聞やテレビが「株価が下がっている」と報道しました。
週明けの月曜日、多くの人が「もっと下がるかもしれない!」と心配して、一斉に株を売り始めました。その結果、実際に株価は大暴落したのです。
これは、校庭で「あそこに虫がいるよ!」と1人が叫ぶと、みんなが一斉に逃げ出すようなものです。本当は大したことがなくても、みんなが慌てると大騒ぎになってしまいますね。
ブラックマンデーから学べる大切なこと
この大きな出来事から、私たちはいくつかの大切なことを学ぶことができます。
1. あわてないことが大切!
株価が下がったからといって、すぐに慌てて売ってしまうと、かえって損をすることがあります。ブラックマンデーのとき、慌てて株を売った人の中には、後で「売らなければよかった」と後悔した人もいました。
これは、テストの点が悪かったからといって、すぐに「勉強はもうやめた!」と投げ出してしまうようなものです。大切なのは、落ち着いて考えることです。
2. 正しい情報を集めることが大事!
株価は、いろいろな情報によって上がったり下がったりします。だから、正しい情報を集めることがとても大切です。
例えば、友達から「あのお店のおもちゃ、全部半額だって!」と聞いたとします。でも、本当かどうか確かめずに走っていったら、実は違うお店の話だったということもありますよね。情報は必ず確認することが大切です。
3. お金を分散して持つことの大切さ
株だけでなく、定期預金やその他の貯蓄方法など、お金を分散して持つことも大切です。
例えば、お菓子を買うためのお金を全部1つのポケットに入れておくと、そのポケットに穴が開いていたら全部なくなってしまいます。でも、いくつかのポケットに分けておけば、1つのポケットに問題があっても、全部はなくなりません。
お金も同じで、すべてを1つの場所や方法で持っていると、何か問題があったときに大きな損失になってしまいます。
ブラックマンデーの後、どうなったの?
ブラックマンデーの後、各国の中央銀行(お金を管理する銀行の銀行みたいなところ)は素早く対応しました。アメリカの連邦準備制度理事会(FRB)は、すぐにお金を市場に供給して、パニックを鎮めました。
また、株式市場にも新しいルールが導入されました。例えば、株価が急激に下がったら一時的に取引を止める「サーキットブレーカー」というシステムが作られました。これは、電気のブレーカーが電気の使いすぎで落ちるのと似ています。
おかげで、市場は徐々に落ち着きを取り戻し、1年後には株価も回復しました。この経験から、私たちは経済の仕組みをもっと理解し、次の危機に備えるための対策を学んだのです。
今日のまとめ:ブラックマンデーを通じて学んだこと
ブラックマンデーは、30年以上前の出来事ですが、今でも経済を学ぶ上でとても重要な出来事です。最後に、今日学んだことをまとめてみましょう。
- 株は会社の一部を持っている証明書のようなもの
- ブラックマンデーは1987年10月19日に起きた、株価が大暴落した日
- 原因はコンピュータによる自動売買、経済の不安、人々のパニックなど複数あった
- 落ち着いて考えること、正しい情報を集めること、お金を分散して持つことが大切
- 問題が起きた後、対策が取られて市場は徐々に回復した
今回のお話を聞いて、「経済って面白いな」と思った人もいるかもしれませんね。大人になったら、自分でもお金の使い方や貯め方、増やし方を上手に考えられるようになるといいですね。
また、ブラックマンデーについてもっと詳しく知りたい人は、図書館で経済の本を探してみたり、お父さんやお母さんに質問してみたりしてください。知れば知るほど、世の中のしくみが分かってきて楽しいですよ!

はると
そっかー、株価が下がっても慌てないのが大事なんだな!よし、俺が将来サッカー選手になって稼いだお金は、カレー屋さんと、ゲーム会社と、あと…やっぱりカレー屋さんの株にしっかり分散投資するぞ!

ひまり
結局カレー屋さんばっかりじゃない!それじゃ分散になってないわよ。ブラックマンデーみたいに、はるとのお財布の中身が真っ黒…じゃなくて、カレー一色にならないように気をつけなきゃね!
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