小学生でもわかる!「どうして海(うみ)はしょっぱい?」

どうして海はしょっぱい?

はじめに

夏休みに海へ泳ぎに行って、波をかぶって口に水が入ったとき、「うわっ!しょっぱい!」「なんだか苦い!」とびっくりした経験はありませんか?

お家で飲む水道水や、水筒に入れたお茶、ペットボトルのミネラルウォーターはゴクゴク飲めるのに、海の水はどうしてあんなに塩辛いのでしょうか。

さらに不思議なのは、空から降ってくる雨水も、山から流れてくる川の水も、全くしょっぱくないことです。川の水はぜんぶ海に流れ込んでいるのに、どうして海の水だけがしょっぱくなっているのでしょうか?

実はそこには、地球が何十億年もの時間をかけて作り出した「壮大な水のめぐり」とお塩のひみつが隠されています!

今回は、海がしょっぱい理由について、身近なたとえを使いながら分かりやすく解説します!

はると
はると
俺、海で泳いでるときに間違えて水を飲んじゃってさ、めちゃくちゃしょっぱくて焦ったことがあるぜ!川で遊んだときは全然しょっぱくなかったのに、なんで海だけあんなに塩辛いんだ、ひまり?
ひまり
ひまり
ふふ、海の水って本当にびっくりするくらいしょっぱいわよね、はると。川の水が流れ込んでいるのに海だけしょっぱいのは、地球の歴史と理科の仕組みを知るとスッキリ納得できるのよ。一緒に見ていきましょう!

しょっぱさの正体はどこから来たの?

海の水がしょっぱいのは、料理で使う「食塩(塩化ナトリウム)」をはじめとする、たくさんの「ミネラル(鉱物成分)」が水の中に溶け込んでいるからです。

海水1リットル(牛乳パック1本分)をすくうと、その中にはおよそ35グラムもの塩分が含まれています。これは、大さじで山盛り2杯以上のお塩が入っている計算になります!

また、海水をなめると単にしょっぱいだけでなく、少し「苦い」ような独特の味がしますよね。これは、豆腐を作るときに使う「にがり」の主成分であるマグネシウムなど、いろいろな種類のミネラルが混ざっているからなのです。

では、このとてつもない量のミネラルは、もともとどこにあったのでしょうか?

実は、もともと海の中にあったわけではなく、私たちが普段歩いている地面の「岩」や「土」の中に含まれていた成分なのです!

地球の陸地を作っている岩石には、ナトリウム、塩素、カルシウム、マグネシウムといった様々な鉱物がギュッと閉じ込められています。

ちなみに、もし世界中の海の水に含まれるお塩をぜんぶ取り出して地球の陸地の上に敷き詰めたら、なんと高さ150メートル以上(高層ビルがすっぽり埋まるくらい!)の分厚い塩の壁ができると言われています。それほど膨大なお塩が、大昔から地球の岩や土の中に眠っていたのです!

💡 岩の中はお塩のスパイスボックス!
  • 地球の陸地にある岩や土は、さまざまな種類のミネラルがギュッと詰まった「スパイスボックス(調味料入れ)」のようなものです。長い年月をかけて、このボックスからお塩の材料が少しずつ外へ溶け出していきました!
はると
はると
ええっ!俺たちが普段踏んでいる岩や土の中に、お塩の材料が入っていたのか!?カチカチの石からお塩が出てくるなんて、全然想像がつかないぜ!
ひまり
ひまり
そうなのよ、はると。岩石ってただの硬い石に見えるけれど、科学的に見るとたくさんのミネラルがぎっしり詰まっているの。それがどうやって海まで運ばれたのかが、次のポイントよ!
土と塩

雨水が岩を溶かして川が海へ運ぶ!

岩の中に閉じ込められていたミネラルは、どうやって海まで運ばれるのでしょうか?その大きな役割を果たしているのが「雨」と「川」です。

空から降ってくる雨水は、ただの真っ白な水に見えますが、実は空から落ちてくるときに空気中の「二酸化炭素」を少しだけ溶かし込んでいます。そのため、雨水はごくわずかに「酸性(炭酸水のように物を溶かす性質)」になっているのです。

この酸性の雨水が地面に降り注ぎ、山や森の岩や土にしみこむと、お風呂にお湯を張って入浴剤を入れたときのように、岩に含まれるミネラルをじわじわと目に見えないレベルで溶かし出していきます。

溶け出したミネラルを含んだ水は、地面から湧き水となってあふれ出し、小川となって山を下り、やがて大きな川となって海へと流れ込みます。

「でも、川の水は飲んでもしょっぱくないよね?」と疑問に思うかもしれません。

実は、川の水にもミネラルは溶け込んでいるのです!ただ、川の水に含まれるミネラルの量はごくわずかなので、人間の舌では塩気を感じることができず、「真水」として感じているだけなのです。

🔥 川の水(真水)
  • ミネラルがごくわずかに溶けているけれど、人間の舌では味がわからないほど薄い!
  • 常に上流から新しい水が流れて海へと移動している!
🛡️ 海の水(海水)
  • 川から運ばれてきたミネラルが何十億年もたまり続けて、とても濃くなっている!
  • 1リットルあたり約35グラムの塩分が溶けていて、飲むとはっきりしょっぱい!
はると
はると
なるほどな!川の水にも少しだけミネラルが入っていたんだな!薄すぎて気づかないだけで、川は毎日休まずに海へミネラルを運ぶトラックみたいに働いていたのか!
ひまり
ひまり
ふふ、その通りね、はると。川が運ぶ1回あたりの量はごくわずかでも、何千本、何万本もの川が24時間ずっと運び続けると、ものすごい量になるわよね。
入浴剤の泡

何億年もかけてスープを煮詰めた!?

川がミネラルを海へ運び続けているのに、どうして海の水だけがこんなに塩辛くなったのでしょうか?

その最大の理由は、「太陽の熱による水の蒸発」とお鍋のスープと同じ仕組みにあります。

海に流れ込んだ水は、太陽のあたたかい光に温められると、水蒸気(気体)になって空へと立ち上っていきます。そして空の上で冷やされて雲になり、再び雨となって山や街に降り注ぎます。これを地球の「水の循環」と呼びます。

ここで一番大切なポイントがあります。太陽の熱で蒸発できるのは「水分」だけで、水の中に溶けていた「お塩やミネラル」は蒸発できずにすべて海に残るということです!

これは、お家でお鍋のスープやお味噌汁をコトコト煮詰める様子を思い浮かべるとよく分かります。火にかけたまま忘れちゃうと、水分だけが湯気になって逃げていき、残ったスープの味がどんどん濃く、しょっぱくなっていきますよね。

地球に海が誕生したのは、今から約40億年以上も前のことです。そのとてつもなく長い年月の間、川が塩分を海に運び続け、太陽が水分だけを蒸発させて雲に戻すというサイクルが繰り返されました。

その結果、海の中でお塩の成分だけがどんどん濃縮されていき、今のようなしょっぱい海が完成したのです!

STEP 1 雨が岩のミネラルをじわじわ溶かす!
  • 空から降るわずかな酸性の雨が、地上の岩や土にしみこんでミネラルを溶かし出します。
STEP 2 川がミネラルを海へと運び続ける!
  • ミネラルを含んだ水が集まって川になり、休むことなく海へミネラルを運び込みます。
STEP 3 水だけが蒸発してお塩が海に残る!
  • 太陽の光で水分だけが蒸発して雲になり、蒸発できないお塩だけが海に濃縮されてたまっていきます!
はると
はると
うおおー!40億年もかけてコトコト煮詰めた超特濃スープが海の水だったのか!地球規模の特大スープ鍋だと思うと、めちゃくちゃ分かりやすいぜ!
ひまり
ひまり
そうなのよ、はると。水だけが蒸発して空へ帰っていくから、海にはお塩だけがどんどん残されたのね。地球が何十億年もかけて作った結晶だと思うと、すごいスケールよね!
海に流れ込む川

人がプカプカ浮く!?世界一しょっぱい湖「死海」

実は世界には、普通の海よりもさらに強力に煮詰められた、驚きの湖が存在します。それが中東にある「死海」と呼ばれる湖です。

死海は名前に「海」とついていますが、陸地に囲まれた大きな湖です。死海にはヨルダン川などの川から水が流れ込んできますが、なんと外へ流れ出ていく出口の川が一つもありません。

しかも、死海がある地域は砂漠気候で日差しが非常に強く、気温も高いため、流れ込んできた水分がものすごい猛スピードでどんどん蒸発してしまいます。

その結果、普通の海の塩分濃度がおよそ3.5%なのに対して、死海の塩分濃度は約30%にも達しています!普通の海の約9倍から10倍もしょっぱい、超濃厚な塩水になっているのです。

塩分がこれほど濃い水は、水自体の重さ(密度)がとても大きくなるため、物を上に押し上げる力である「浮力」が強烈に働きます。

そのため、死海に入ると、泳ぎが苦手な人でも体が勝手にプカプカと水面に浮き上がり、水の上にあお向けで寝転がって新聞や本を読むことさえできてしまうのです!

塩分が濃すぎて魚などの生き物は住むことができませんが、地球の自然の力によって生まれたとてもユニークな場所です。

はると
はると
人間が何もしなくてもプカプカ浮いちゃうなんて面白そうだぜ!でも、塩分が30%もあったら、もし目に水が入ったら痛くて大騒ぎになりそうだな!
ひまり
ひまり
ふふ、その通りよ、はると。死海の水が目に入るとものすごくしみるから、顔をつけて泳ぐのは禁止されているのよ。出口のない湖と強い日差しが合わさると、海以上にしょっぱい場所ができるなんて興味深いわよね。
死海に浮かぶ人々

海の水から「お塩」を取り出す知恵

ここまで読んだみなさんなら、私たちが料理に使っている「お塩」を、昔の人たちがどうやって海から手に入れたのか、もうピンときたのではないでしょうか?

塩は、人間の体の中で水分バランスを保ったり、神経や筋肉を正しく動かしたりするために絶対に欠かせない大切な栄養素です。

昔の人たちは、海の水に塩がたくさん溶けていることや、水分が蒸発すると塩が残る仕組みに気づき、自然の力を上手に使って塩を作り出しました。その代表的な知恵が「塩田」です。

塩田とは、海辺の砂浜を平らに整えて作った特別な広場のことです。ここに海水をまき、太陽の強い光と海風の力を利用して水分をカラカラに蒸発させます。

すると、砂の粒のまわりに白い塩の結晶がびっしりとくっつきます。この塩がついた砂を集めて濃い塩水を作り、最後にお鍋でグツグツと煮詰めることで、真っ白で綺麗なお塩を取り出していたのです。

今私たちがご飯やお肉、ポテトチップスのうすしお味を美味しく食べられるのも、大昔からの海のめぐみと、昔の人たちの素晴らしい知恵がつながっているからなのですね!

はると
はると
太陽と風の力を使って海水を蒸発させるなんて、昔の人たちのアイデアは本当にすげーな!大好きなポテトチップスを食べるときも、海のめぐみに感謝して食べるぜ!
ひまり
ひまり
ええ、素晴らしい心がけね、はると。海がしょっぱい理由を知ると、地球の歴史だけでなく、私たちが生きるために必要な知恵まで見えてくるのが面白いわよね!
塩田

まとめ

📝 今日のまとめノート
1 海のしょっぱさの正体は、地面の岩や土から溶け出した塩分やミネラル!
2 雨水が岩をじわじわ溶かし、川が毎日休まず海へとミネラルを運んでいる!
3 太陽の熱で水分だけが蒸発し、お塩だけが何十億年も海に濃縮され続けた!
4 塩分濃度約30%の「死海」は、強い浮力で人がプカプカ浮く特別な湖!
5 昔の人は太陽と風で海水を蒸発させる「塩田」を作り、命に欠かせない塩を手に入れた!
🖍️ ✏️
はると
はると
川の水はしょっぱくないのに海がしょっぱい謎がスッキリ解けたぜ!40億年もかけて地球が煮詰めたスープだと思うと、海を見る目が変わっちゃうな!
ひまり
ひまり
ふふ、そう言ってもらえると嬉しいわ、はると。身近な自然の疑問も、科学の目で見てみると面白い仕組みがたくさん隠れているのよ。これからも身の回りの不思議をたくさん調べていきましょうね!
タイトルとURLをコピーしました