はじめに
「もし、せっかく飛行機のチケットを買ってお金を払っていても、外国の空港から一歩も外に出られず追い返されてしまうとしたら……!?」
家族や友達と飛行機に乗って外国へ行くとき、着替えやおやつ、ゲーム機などをスーツケースに詰め込むのも楽しいですが、絶対に忘れてはならない「2つの特別な持ち物」があります。それが「パスポート」と「ビザ」です。
日本国内であれば、新幹線や飛行機に乗って北海道から沖縄までどこへ行っても、改札口で身分証明書を見せることはありませんよね。しかし、日本の外へ一歩出るとなると話はまったく別です。この2つを持っていないと、飛行機に乗ることすらできず、相手の国の玄関で門前払いされてしまいます。
「パスポートとビザって何が違うの?」「どうやって手に入れるの?」という疑問を、身近なたとえを使いながら一緒に解き明かしていきましょう!
俺、将来サッカーの海外遠征でヨーロッパや南米のスタジアムに行ってみたいんだ!でも、外国に行くには特別なチケットが必要なのか?
ふふ、飛行機のチケットだけじゃ外国には入れないのよ。はるとが日本人であることを証明する「パスポート」と、相手の国に入る許可の「ビザ」が必要なの。一緒に仕組みを勉強してみましょう!
パスポートってどんなもの?
パスポート(日本語では「旅券」と呼びます)は、ひとことで言うと「日本政府があなたの身元を保証する、世界共通の身分証明書」です。
日本国内にいるときは、保険証やマイナンバーカード、学校の学生証を見せれば「自分が誰なのか」を証明できます。しかし、外国の空港や街中で日本語のカードを見せても、現地の警察官や係員は読むことができませんし、本物かどうかも判断できません。
そこで、日本政府が「この人は間違いなく日本の国民であり、怪しい人物ではありません。どうか安全に通して、何かあれば保護してください」と世界中の国々にお願いする公式な手帳がパスポートなのです。
❓ Q. 外国でパスポートをなくしたらどうなるの?
💡 A. 大ピンチです!パスポートがないと日本へ帰る飛行機にも乗れません。外国にある日本大使館や領事館へ駆け込んで、臨時の証明書を発行してもらう必要があります。
パスポートの中身を見てみよう!
パスポートの表紙には、日本の国のシンボルである「菊花紋章(菊のマーク)」が金色でデザインされています。小学生が持つパスポートは有効期間が5年間の「紺色」の表紙です。
中を開くと、以下のような大切な情報が英語と日本語でぎっしり書かれています。
- 顔写真とサイン:あなた本人の顔と直筆のサイン
- 基本情報:氏名(ローマ字)、生年月日、性別、国籍
- 発行日と有効期限:いつ作られて、いつまで使えるか
- ICチップ:個人情報や顔写真データが暗号化されて入っている小さな電子チップ
さらに、2020年以降に新しく発行された日本のパスポートのページには、江戸時代の有名な浮世絵師・葛飾北斎が描いた『冨嶽三十六景』の富士山の絵がデザインされています。ページをめくるたびに違う富士山の絵が現れる、世界に誇る美しいデザインです。
パスポートの中に北斎の富士山の絵が描いてあるのか!すげーかっこいいな!でも、外国でなくしたら日本に帰れなくなるなんて、命の次に大事な手帳だぜ……!
そうなのよ、はると。だから海外に行くときは、パスポートを専用のポーチに入れて服の下に身につけたりして、絶対に肌身離さず大切に管理するのよ。
パスポートとビザの決定的な違いとは?
パスポートとビザは、名前が似ているので「同じようなものかな?」と混ざってしまいがちです。しかし、この2つには「誰が発行して、何の役割を持つのか」という決定的な違いがあります。
- パスポート(旅券):自分の国(日本政府)が発行する、「私は誰か」を証明する身分証明書
- ビザ(査証):行く先の国(外国政府)が発行する、「うちの国に入っていいよ」という入国許可証
身近な場面にたとえて考えてみましょう。友達の家に泊まりに行くときを想像してみてください。
このように、自分のお母さんの許可(パスポート)と、相手のお母さんの許可(ビザ)の2つがそろって、初めて安心してお泊まりができるのです。
⚡ パスポートとビザのちがい
🔥 パスポート(身分証明書)
- 発行する人:日本政府(自分の国)
- 役割:「私は日本人です」と世界に証明する
- たとえ:自分のお母さんの「行ってらっしゃい」の許可証
🛡️ ビザ(入国許可証)
- 発行する人:行く先の国の政府(外国)
- 役割:「うちの国に入ってOKですよ」と許可する
- たとえ:友達のお母さんの「遊びにおいで」の招待状
外国の政府からすると、「自分の国に危険な人や犯罪をしそうな人を勝手に入れたくない」と考えます。そのため、事前に「何をしに来るのか」「何日間滞在するのか」「滞在するお金はあるか」などをチェックして、問題がない人にだけビザを発行するのです。
なるほど!パスポートは「俺は日本人のサッカー少年はるとだ!」っていう名札で、ビザは「遊びにおいで!」っていう相手の国の招待状ってことか!めちゃくちゃスッキリしたぜ!
ふふ、その通りよ、はると。どちらかひとつでも欠けていたら、外国の玄関を開けてもらえない大切な証明書なのよ。
パスポートはどうやって手に入れるの?
「パスポートはどこへ行けばもらえるの?」と思いますよね。パスポートは本屋さんやスーパーでは買えません。都道府県にある「パスポートセンター(旅券窓口)」に申請して作ってもらいます。
小学生でも、生まれたばかりの赤ちゃんでも、外国へ行くなら必ず1人1冊のパスポートが必要です。
📋 パスポートをもらうまでの4つのステップ
STEP 1
書類を集める
申請書や戸籍謄本、専用のまじめな顔写真を準備しよう。
STEP 2
窓口へ行く
保護者と一緒にパスポートセンターへ行き、書類を提出するよ。
STEP 3
審査と発行を待つ
国がしっかりチェックしてパスポートを作る(約1週間〜10日)。
STEP 4
本人が受け取りに行く
手数料を払って、世界で1冊の自分のパスポートを受け取るよ。
パスポートの写真には厳しいルールがある!
パスポートに貼る顔写真には、とても細かいルールが決められています。
- 決められたサイズ(縦45mm×横35mm)であること
- 背景にカーテンの柄や物が写っていないこと(無地の背景)
- 帽子をかぶったり、サングラスをかけたりしていないこと
- 前髪が目にかかっていないこと
- 笑って歯が見えておらず、真面目な表情であること
なぜこれほど厳しいかというと、世界中の空港にある顔認証システム(コンピューター)が、目や鼻、口の距離をミリ単位で正確に読み取って「間違いなく本人かどうか」を判定するためです。
なお、18歳未満の小学生・中学生は、体がどんどん成長して顔つきが変わるため、有効期間が5年間のパスポートと決められています(18歳以上になると10年間使える赤いパスポートも選べるようになります)。
写真でニカッと笑ってピースしちゃダメなんだな!サッカーの試合前の整列みたいに、前を向いてビシッと真剣な顔で撮らないと!
ええ、コンピューターが正確に本人確認をするための国際的なルールだからね。受け取りのときも、赤ちゃんから大人まで必ず本人が窓口に行かないといけないのよ。
外国の空港に着いたらどうするの?
飛行機に乗って外国の空港に到着したら、最初に向かう場所が「入国審査(イミグレーション)」です。
ここでは、審査官と呼ばれる厳しい係員がカウンターに座っていて、1人ずつパスポートをチェックします。
入国審査で聞かれることと答え方のコツ
入国審査では、厳しそうな顔の審査官から簡単な英語でいくつか質問されることがあります。目の前に立つと少しドキドキしますが、落ち着いてハッキリ答えれば大丈夫です!
- 「What’s the purpose of your visit?(何の目的で来ましたか?)」
- 答え方:「Sightseeing.(観光です)」 や 「Vacation.(旅行です)」 と短くハッキリ答えます。
- 「How long will you stay?(どのくらい滞在しますか?)」
- 答え方:「Five days.(5日間です)」 や 「One week.(1週間です)」 と泊まる日数を答えます。
- 「Where are you staying?(どこに泊まりますか?)」
- 答え方:予約しているホテルの名前を答えるか、ホテルの予約用紙を見せます。
質問に答えて指紋や顔写真をスキャンし、問題がなければパスポートに入国スタンプが「ポン!」と力強く押されます。「Have a nice trip!(良い旅を!)」と笑顔で見送られ、無事に外国のゲートを通れたときの達成感は最高の瞬間です。
日本のパスポートは「世界最強」クラス!?
実は、日本のパスポートは世界中からものすごく高く評価されています。
世界のパスポートの強さを比べるランキング(ヘンリー・パスポート・インデックス)で、日本のパスポートは常にトップクラスにランクインしています。なんと、世界約190もの国や地域に「ビザなし(ビザ免除)」で観光に行くことができるのです。
なぜ日本のパスポートはこれほど信頼されているのでしょうか?
それは、日本という国が平和で豊かであるだけでなく、これまでに世界各地を訪れた日本人の先輩たちが、現地のルールやマナーを真面目に守り、犯罪を起こさず、信頼を積み重ねてきたからです。
ただし、ビザなしで行けるのは「短い日数の観光旅行」などの場合です。外国の学校に留学したり、外国で仕事をしてお給料をもらったりする場合は、日本人であっても必ず事前にその国のビザを取得する必要があります。
日本のパスポートって世界中からそんなに信用されてるのか!昔の人たちがマナーを守ってくれたおかげなんだな。俺も外国に行ったら日本の代表としてかっこよくルールを守るぜ!
ふふ、素晴らしい心がけね、はると。世界からの信頼は日本の宝物だわ。旅行に行く前には、その国にビザが必要かどうかをおうちの人と一緒に確認しておくことも大切ね。
まとめ
📝 今日のまとめノート
1
パスポートは世界共通の「身分証明書」(日本政府が発行)!
2
ビザは行く先の国からもらう「入国許可証」!
3
日本のパスポートは世界中から信頼されていて、多くの国へビザなしで行ける!
4
外国ではパスポートが命綱!絶対に肌身離さず大切に持とう!
🖍️ ✏️
パスポートとビザの仕組みを知ると、世界中の国々がお互いにルールを決めて、人々が安全に行き来できるように協力し合っていることがよくわかりますね。
いつか外国へ行く機会があったら、自分のパスポートをじっくり眺めてみてください。そこには、世界へと飛び出すための信頼と責任が詰まっています!
パスポートとビザの違いがバッチリわかったぜ!いつか海外のサッカースタジアムへ本場の試合を観に行くときのために、英語の受け答えも練習しておくぞ!
ふふ、素敵な夢ね!広い世界にはたくさんの発見や素晴らしい体験が待っているわ。でもはると、海外遠征の夢の前に、今日の漢字ドリルと宿題は終わったの?
ギクッ……!それを言われると、パスポートの入国審査より手強いぜ……!ひまり、ちょっと教えてくれ〜!
もう、しょうがないなぁ。しっかり復習してから、世界へ羽ばたく準備をしましょうね!
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