はじめに
学校の校庭や公園で元気に走っていて、転んですりむいてしまったことはありませんか? 膝やひじから真っ赤な血がにじんできて、「痛い!」と慌ててしまった経験は、きっと誰にでもあるはずです。
でも、少し時間がたつと、不思議なことに気づきます。 あんなに出ていた血がいつの間にかピタッと止まり、翌日にはカチカチの「かさぶた」になって傷口をふさいでくれますよね。
「そもそも、どうして血は赤いの?」 「どうして放っておくと自然に止まるんだろう?」 「血液は体の中でどんな仕事をしているの?」
普段は体の奥に隠れていて見えない血液ですが、実は私たちの命を支えるスーパーチームとして、24時間365日、1秒も休まずに働いてくれています。 今回は、そんな血液のふしぎな秘密を解き明かしていきましょう!
いてて……!サッカーのミニゲームで転んですりむいちゃったよ。うわ、真っ赤な血が出てる!ひまり、絆創膏持ってる?
もう、はるとったら夢中になりすぎよ。はい、絆創膏。でも見て、もう血が止まり始めているわ。今、はるとの傷口で、小さなレスキュー隊が全力ダッシュで穴ふさぎをしてくれたのよ!
血液のなかはどうなっている?4つのチームメイト
血液を見ると、ただの赤い液体のように思えますよね。 しかし、顕微鏡で何百倍にも拡大して観察してみると、液体の中にたくさんの小さな粒がプカプカと浮かんでいることがわかります。
血液は、大きく分けると「4つのチームメイト」が集まってできています。 それぞれの役割は、まるでサッカーチームのポジションのように見事に分かれているのです!
それでは、4人のチームメイトを順番に紹介しましょう。
STEP 1
血しょう:栄養とゴミを運ぶ液体グラウンド
血液の半分以上(約55%)を占める、少し黄色っぽくて透明な液体です。ごはんを食べて吸収した栄養や、全身に指令を出すホルモンを運ぶだけでなく、体の中で使い終わったいらないゴミ(老廃物)を回収して処理場へ運ぶ大切なトラックの役割をしています。
STEP 2
赤血球:酸素を届ける宅配フォワード
血液の粒の中で一番数が多いのが、赤血球です。真んなかが少しくぼんだ、平たい丸いクッションのような形をしています。赤血球の中には「ヘモグロビン」という鉄分を含んだ成分があり、これが肺で吸い込んだ酸素をキャッチして、全身の筋肉や脳まで届けます。血が真っ赤に見えるのは、この赤血球が大量に含まれているからです!
A. 赤血球の
中にある「ヘモグロビン」という
成分に
鉄が
含まれているからです。
鉄が
空気中の
酸素とくっつくと
赤くなるように、ヘモグロビンも
酸素をたっぷりキャッチすると
鮮やかな
赤色に
輝きます!
STEP 3
白血球:敵をやっつけるディフェンダー
赤血球よりも体が大きく、形を自由に変えながらパトロールしている頼もしい戦士たちです。傷口などから体の中にバイ菌やウイルスが侵入してくると、現場に急行して丸ごと飲み込み、分解して退治してくれます。白血球のおかげで、私たちは病気から守られているのです。
STEP 4
血小板:傷口をふさぐゴールキーパー
赤血球や白血球よりもずっと小さな粒ですが、出血を止めるスーパーレスキュー隊です。転んですりむいたりして血管が破れると、血小板が傷口に一斉に集り、網のようなネバネバした糸を出して傷口をふさぎます。これが固まったものが「かさぶた」です。血小板がいなければ、小さなすり傷でも血が止まらなくなってしまいます。
数がとても
多く、
血液の
赤色の
正体!
肺で
受け
取った
酸素を
全身の
細胞へ
届ける!
形を
自在に
変えて
体内をパトロールする!
バイ
菌やウイルスを
見つけると
食べて
退治する!
すげー!血小板がゴールキーパーみたいに傷口をふさいでくれたから、俺の膝の血も止まったのか!
ふふ、その通りよ。赤血球が酸素をたっぷり運んでくれるから、はるともグラウンドを全力で走り回れるのよね。
全長9万キロメートル!心臓と血管のスーパーネットワーク
4つのチームメイトが元気に働くためには、全身をめぐる「道路」と、血液を力強く押し出す「エンジン」が必要です。
人間の体の中にある血管を一本につなぎ合わせると、その長さはなんと約9万〜10万キロメートルにもなります! これは、地球を約2周半もぐるりと取り巻くことができるとてつもない長さです。 私たちの体の中には、地球2周半ぶんのスーパー道路ネットワークが張り巡らされているのです。
そして、この長大な道路へ昼も夜も血液を送り出している最強のポンプが「心臓」です。 心臓は自分の握りこぶしほどの大きさですが、1日に約10万回もドックン、ドックンと力強く縮んだりふくらんだりして、約8トンもの血液を押し出しています。
道路である血管には、役割のちがう3つの種類があります。
STEP 1
動脈:心臓から出発するメインストリート
心臓の強い力で押し出された、酸素たっぷりの血液が通る血管です。強い圧力に耐えられるように、ゴムホースのように分厚くて弾力のある壁を持っています。
STEP 2
毛細血管:指先やすみずみに届く細い道
動脈から枝分かれして、体のすみずみまで網の目のように広がる極細の血管です。太さは髪の毛の10分の1ほどしかありません。ここで細胞ひとつひとつに酸素や栄養を手渡し、いらなくなった二酸化炭素を受け取ります。
STEP 3
静脈:心臓へ帰ってくるUターン道路
酸素を配り終えてゴミを回収した血液が、再び心臓へと戻っていく通り道です。心臓から遠いため血の勢いが弱く、逆戻りしないように「逆流防止の弁(ドアのような仕組み)」がついています。
心臓から
勢いよく
出る「
動脈」
心臓の
強い
圧力に
耐えるため、
壁が
分厚く
弾力がある!
酸素がたくさん
含まれていて、
鮮やかな
明るい
赤色!
心臓へゆっくり
戻る「
静脈」
血液が
逆戻りしないように、ところどころに「
弁」がある!
二酸化炭素を
回収したあとで、
少し
黒っぽい
赤色!
地球2周半ってやばい長さだな!俺がぐっすり寝ている間も、心臓はずっと休まずパスを出し続けてるってことか!
そうなの。心臓は生まれてからずっと、1秒も休まずに動き続けているのよ。私たちの命を守るスーパーポンプなのね。
なぜ人によって血液型がちがうの?
学校の健康診断や友達同士の会話で、「何型?」と血液型の話題が出ることがありますよね。 A型、B型、O型、AB型という4つの血液型がありますが、そもそもなぜ人によって血液型が違うのでしょうか?
その秘密は、赤血球の表面についている「目印(糖鎖)」にあります!
赤血球の表面には、アンテナのような小さな目印がついています。 この目印の形が人によって違うのです。
- A型:赤血球に「Aの目印」がついている
- B型:赤血球に「Bの目印」がついている
- AB型:赤血球に「Aの目印」と「Bの目印」の両方がついている
- O型:赤血球に「目印がついていない」
実は、発見された当時は「A型、B型、そして目印がない0(ゼロ)型」と発表されました。でも、数字の「0」がアルファベットの「O」と見間違えられて、そのまま世界中に広まったと言われています!
Q. ちがう
血液型を
混ぜるとどうなるの?
A. 大変なことになります!
白血球などの
警備チームは、
自分の
体にない「
知らない
目印」が
入ってくると
敵だと
判断して
攻撃し、
血液が
固まって
血管を
詰まらせてしまいます。だから
病院で
輸血をするときは、
血液型を
厳しくチェックするんだよ。
昔の人は血液型の違いを知らなかったため、怪我をした人に別の血液型の血を輸血して命を落としてしまう悲しい事故がありました。 血液型の違いが科学的に発見されたことで、安全に輸血ができるようになり、今では世界中で数え切れないほどたくさんの命が救われています。
へえー!O型の「O」って、アルファベットじゃなくて数字の「0(ゼロ)」だったのか!「目印ゼロ型」ってことだな!血液型占いばかり気にしてたけど、命を救うための超重要なサインだったんだな!
ふふ、性格占いとは関係ないけれど、病院で手術をするときには絶対に間違えられない大切な情報なのよ。科学の力って素晴らしいわね。
まとめ
いつもは意識することのない血液ですが、私たちの体の中では4人のチームメイトが協力し、地球2周半もの血管を休まず駆け巡っています。
📝 今日のまとめノート
1
血液は「血しょう・赤血球・白血球・血小板」の4つのチームメイトでできている!
2
血管の長さは地球2周半!心臓ポンプが休まず全身へ血液を届けている!
3
血液型の違いは赤血球の「目印」!命を救う輸血に欠かせない仕組み!
🖍️ ✏️
膝のすり傷からこんなすごい話が聞けるなんて思わなかったな!俺の体を守ってくれてる血液チームのために、今日もしっかりご飯を食べて寝るぞ!
いい心がけね、はると!でも、その前に傷口を泥で汚さないように、今日のサッカーはおとなしく見学にしなさいね?
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