小学生でもわかる!「電子マネー(でんしまねー)」

電子マネー

はじめに

コンビニや駅の売店でおやつを買うとき、お母さんや友だちがスマートフォンやカードを「ピッ!」とかざしているのを見たことはありませんか?

お財布から千円札や小銭を1枚も出していないのに、レジの画面には「お支払い完了」と表示され、レシートとおやつを受け取ってお店を出ていきます。それを見たとき、「えっ、小銭もお札も出していないのに、なんでお菓子が買えるの!?」「もしかして手品!?」と驚いた人もいるかもしれません。

もちろん手品ではありません!あれは、現金を使わずにピッと支払える「電子マネー」という最先端のお金の仕組みを使っているのです。

でも、よく考えてみると不思議なことばかりですよね。

  • 「カードの中に電池なんて入っていないのに、どうして電気が通って機械とおしゃべりできるの?」
  • 「目に見えないお金って、一体どこにしまってあるの?」
  • 「もしカードを落としたらどうなっちゃうの?」

今回は、そんな身近で大活躍している「電子マネー」のひみつや驚きのハイテク技術、そして使うときに絶対に気をつけてほしい大切なルールまで、わかりやすく解き明かしていきましょう!

はると
はると
俺、お母さんがスマホをピッとタッチして買い物しているのを見て、手品か魔法でも使ったのかと思って本気でびっくりしたんだよな!
ひまり
ひまり
ふふ、魔法じゃないわよ。あれは「電子マネー」っていう科学の力を使った便利なお金の仕組みなの。一緒にその仕組みを解き明かしていきましょう!

電子マネーってなに?見えないお金の正体

「お金」と聞くと、銀色に光る100円玉や金色の5円玉、肖像画が印刷された千円札などの「現金」を思い浮かべる人が多いはずです。手で触ることができて、お財布の中にジャラジャラと入っているのが現金ですよね。

では、「電子マネー」とは一体なんなのでしょうか?

一言でいうと、電子マネーとは「コンピュータの中にある数字(データ)でお金をやり取りする仕組み」のことです。

たとえば、100円のジュースを買う場面を想像してみてください。 現金の場合は、自分のお財布から100円玉を取り出して、お店のレジのトレイに置きます。 一方、電子マネーの場合は、カードやスマートフォンを専用の機械にかざします。すると、コンピュータが「この子のカードから100円分を減らして、お店の売り上げに100円を足す」という計算を瞬時に行います。

つまり、手で触れるコインを手渡す代わりに、コンピュータの中の「数字」を動かしてお買い物を成立させているのです。

電子マネーには、お金を支払うタイミングによって大きく分けて3つの種類があります。

  1. 前払い(プリペイド型):あらかじめカードにお金を入れておく(チャージする)タイプ。電車の「Suica」や「PASMO」、お買い物で使う「nanaco」や「WAON」など。小学生が一番よく使うタイプです。
  2. 即時払い(デビット型):買い物をした瞬間に、銀行の口座からすぐにお金が引き落とされるタイプ。
  3. 後払い(ポストペイ型):1か月分の買い物をまとめて後から支払うクレジットカードと連携したタイプ。

小学生のみんなが持つ交通系ICカードなどは、ほとんどが1つ目の「前払い(プリペイド型)」です。自分で入れた分しか使えないので、使いすぎを防ぎやすい安心な仕組みになっています。

頭脳の中に小銭をしまう「見えないデジタルお財布」!
電子マネーは、カバンの中に入れる革のお財布ではなく、コンピュータのネットワークの中にある「見えないデジタルお財布」です。カードをかざすだけで、その見えないお財布から指定した金額の数字が、お店の見えないお財布へスッとお引っ越ししているのです!
はると
はると
なるほど!お札や小銭を持ち歩かなくても、コンピュータの中の数字がお財布の代わりをしてくれているのか!
ひまり
ひまり
そうなの。でも、数字だからこそ目には見えないわよね。だからこそ、今いくら持っているのかを意識することが大切になるのよ。
改札やレジでタッチ決済する男の子

なぜ「ピッ」で払えるの?カードに隠されたハイテク

ここで、誰もが一度は感じる大きな疑問を考えてみましょう。

「薄っぺらいプラスチックのカードの中に、電池もコンセントもないのに、どうして改札やレジの機械と通信できるの?」

ゲーム機やスマートフォンなら、充電式のバッテリーが入っているから動きますよね。でも、SuicaやPASMOのようなカードには、電池を入れるフタもなければ、充電ケーブルを挿す穴もありません。それなのに、機械に近づけただけで「ピッ!」と音が鳴って、ゲートが開いたり支払いが完了したりします。

実はここには、世界を驚かせた日本の超ハイテク技術が隠されています! その秘密は、「電磁誘導」と「超小型ICチップ」のコンビネーションです。

カードのフチ(外周)を強い光に透かしてよく見てみると、細い金属の線が何周もぐるぐる巻きに張り巡らされています。これが「アンテナ(コイル)」です。 駅の改札機やお店のレジからは、常に目に見えない「電波(磁力)」が出ています。カードを機械に近づけると、アンテナがその電波をキャッチします。すると、理科の実験でコイルの近くで磁石を動かすと電気が流れるのと同じように、カード自身が一瞬で電気を作り出すのです!

電気が流れた瞬間、カードの中央に埋め込まれたゴマ粒よりも小さなコンピュータ「ICチップ」がピカッと目を覚まします。そして、機械との間で「カード番号は何番?」「残高はいくら?」「切符代の150円を引いて、残り850円に書き換えたよ!」というデータのやり取りを行います。

なんと、この一連のやり取りにかかる時間は「たったの約0.1秒」! 人がまばたきをする時間(約0.3秒)の3倍も速い超ハイスピードです。この驚異的なスピードがあるからこそ、朝の混雑した駅でも、何千人もの人が立ち止まらずにスイスイと改札を通り抜けられるのです。

STEP 1 アンテナが目に見えない電波をキャッチ!
駅の改札機やレジの読み取り機からは、目に見えない電波が常に出ています。カードを近づけると、カードの外周にあるぐるぐる巻きのアンテナがその電波をしっかり受け止めます!
STEP 2 カードが自分で電気を作って目覚める!(電磁誘導)
電波を受け取ったアンテナに、理科の「電磁誘導」という現象でパッと電気が流れます。電池が入っていなくても、カード自身が自分で電気を生み出し、超小型ICチップを起動させるのです!
STEP 3 わずか0.1秒でデータを書き換えて完了!
目覚めたICチップが機械とおしゃべりして、お金の数字を引いて新しい残高に書き換えます。まばたきよりも速い「約0.1秒」で計算が終わるから、止まらずにピッと通れるのです!
はると
はると
すげー!カードの中に電池がないのに、機械の電波から自分で電気を作ってたのか!さっき部屋の明かりに透かしてみたら、本当にカードのフチにぐるぐる巻きの線が見えて大興奮しちゃったよ!しかも0.1秒で計算するなんて、俺の全力シュートよりずっと速いじゃん!
ひまり
ひまり
ふふ、この技術は日本で開発された「FeliCa(フェリカ)」という規格なのよ。世界中から「日本の改札は速くてすごい!」って絶賛されているの。
非接触ICカードのアンテナとICチップの仕組み

電子マネーvs現金!どっちがすごいの?

「ピッとタッチするだけで一瞬で買い物ができるなら、もう小銭やお札なんて全部いらないじゃん!」 そう思う人もいるかもしれません。

お財布の中に小銭がたくさん入っていると重たいし、レジで1円玉を何枚も数えるのはちょっと面倒ですよね。 では、昔からある「現金(お札や硬貨)」は、電子マネーに負けてしまうのでしょうか?

答えは「いいえ」です。実は、現金には電子マネーが絶対にかなわない、とても頼もしい強みがあるのです。 ふたつの特徴を比べてみましょう!

「電子マネー」と「現金」のとくちょうくらべ!
スピーディーな「電子マネー」
小銭を出さずに一瞬で支払えてスマート!
お財布が小銭でパンパンにならずに軽くて便利!
名前入りのカードなら、落としても利用を止められる!
※ただし、停電やバッテリー切れのときは使えない!
どこでも強い「現金(お札・硬貨)」
停電や地震などの大災害でも100%確実に使える!
お札が手元から減るので「お金を使った実感」が湧く!
日本中どんな小さなお店や自動販売機でも使える!
※ただし、小銭で手がふさがったり落とすと戻らない!

電子マネーの一番の弱点は、「電気と通信」がないと動かないことです。 もし大きな地震や台風が起きて街が「停電」してしまったらどうなるでしょうか? 改札機もレジのコンピュータもストップしてしまうため、どんなにカードにお金が入っていても、ジュース1本すら買うことができません。

そんな非常時に大活躍するのが「現金」です。お札や硬貨は紙と金属なので、電気が止まっていても、人と人との手渡しで確実にお買い物ができます。また、ガチャガチャやお祭りの屋台、神社のお賽銭、山奥の小さなお店や昔ながらの駄菓子屋さんなど、機械を置いていない場所でも現金なら100%使えます。

電子マネーと現金、どちらか一方が絶対に優れているわけではありません。 普段の生活では電子マネーでスピーディーにお買い物をして、もしものときのために少しだけ現金をお財布に入れておく。この「二刀流」こそが、一番かしこい現代の生き方なのです。

はると
はると
なるほどな!停電になったら電子マネーはピクリとも動かないのか。サッカーの試合でも攻めのフォワードと守りのキーパーの両方が必要なのとお同じだな!
ひまり
ひまり
その通りね!普段の便利な電子マネーと、もしものときの頼もしい現金。それぞれの良いところを知って、上手に使い分けることが大切よ。
日本の駅にずらりと並ぶ最新の自動改札機
▲ 日本の駅にずらりと並ぶ最新の自動改札機(出典: Wikimedia Commons)

気をつけよう!電子マネーを使う3つの約束

電子マネーはとても便利で、持っているだけで少し大人になったようなワクワクした気分になりますよね。 でも、使い方を間違えると、思わぬトラブルに巻き込まれたり、お家の人に怒られてしまったりすることもあります。

小学生のみんなが電子マネーを楽しくかしこく使うために、絶対に守ってほしい「3つの約束」を紹介します!

  1. 残高(中身のお金)をこまめに確認しよう!
    電子マネーは、かざせば何でも手に入る「魔法のカード」ではありません。お父さんやお母さんが働いて稼いだ大切なお金や、自分のおこづかいから「前もって入れた分(チャージした分)」しか使えません。駅の改札で「ピンポーン!」と赤いランプがついて扉が閉まり、後ろの人を待たせてしまった経験はありませんか?あれは中のお金が足りなくなった「残高不足」の合図です。電車に乗る前や買い物をする前には、機械の画面で「あといくら残っているかな?」と確認する習慣をつけましょう。
  2. 「使いすぎ」のワナに気をつけよう!
    現金でお買い物をするときは、千円札が消えて小銭が減っていくのを自分の目で見ることができます。「あ、お金を使っちゃったな。大切に使おう」と実感しやすいですよね。しかし、電子マネーはピッとタッチするだけなので、お金を支払った実感が薄くなりがちです。「まだカードがあるから大丈夫!」とジュースやお菓子をポンポン買っていると、あっという間に残高がゼロになってしまいます。使った後は、おこづかい帳に「今日いくら使ったか」を必ずメモしておきましょう。
  3. 落とさないように大切に管理しよう!
    電子マネーのカードは薄くて軽いため、ズボンのポケットやすき間からポロッと落ちやすいのが弱点です。もし拾った人に勝手に使われてしまったら大変ですよね。「ただのプラスチックの板」ではなく、「本物のお札が入ったお財布そのもの」だと思って扱ってください。首からかけるパスケースに入れたり、カバンの奥のファスナー付きポケットにしまったりして、肌身離さず大切に持ち歩きましょう。
電子マネーを使うときの「3つの約束」チェック!
[ ] 電車に乗る前やお店に行く前に、カードの「残高」をチェックした?
[ ] ピッと使った後、おこづかい帳にいくら使ったかきちんとメモした?
[ ] ポケットに突っ込まず、パスケースやカバンの奥にしっかりしまった?
はると
はると
うっ……ピッとやるのが楽しすぎて、お小遣いをあっという間に使い切っちゃったら大変だな。俺、今日から電子マネー用のメモ帳を作るぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、素晴らしい心がけね!目に見えないお金だからこそ、自分でしっかりコントロールする力を身につけるのが本物のカッコよさよ。
お小遣いや買い物を計画する子どもたち

まとめ

📝 今日のまとめノート
1 電子マネーの正体:コインやお札の代わりに、コンピュータの中の「数字(データ)」でお金をやり取りする仕組み!
2 ピッと払える秘密:カードの中に隠されたアンテナが電波を受け取って自分で電気を作り(電磁誘導)、ICチップが「たった0.1秒」で計算している!
3 現金との使い分け:普段はスピーディーな電子マネー、停電や災害のときは確実に使える現金。どちらも大切な「二刀流」で使いこなそう!
4 守るべき3つの約束:「残高のチェック」「使いすぎの防止」「落とさない管理」を心がけて、かしこく使おう!
🖍️ ✏️
はると
はると
電子マネーが電池もないのに自分で電気を作って0.1秒で通信してたなんて、本当にびっくりしたよ!次にお母さんとコンビニに行くときは、レジの機械をじっくり観察してみるぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、科学の技術を知ると、いつものお買い物が何倍も楽しくなるわよね。お家の人とルールをしっかり話し合って、電子マネーをかしこく味方にしていきましょうね!
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