小学生でもわかる!「世界一小さな国(せかいいちちいさなくに)」

世界一小さな国

はじめに

「世界で一番小さな国って、どれくらいの大きさだと思う?」

こう聞かれたら、みなさんは何を思い浮かべますか? 「日本のどこかの県くらいかな?」「それとも大きな島くらい?」と想像するかもしれません。

実は、世界で一番小さな国は、みんなが大好きな東京ディズニーランド(約0.51平方キロメートル)よりも小さいのです! そんな小さな場所に、れっきとした「独立したひとつの国」が存在しています。

その国の名前は「バチカン市国」。

ヨーロッパのイタリアという国の中にあり、大人の足なら30分から40分ほど歩くだけで国をぐるりと一周できてしまうほどのコンパクトさです。 「そんなに小さいのに、どうして独立した国なの?」「王様や大統領はいるの?」「どんな人たちが暮らしているの?」と、たくさんの疑問がわいてきますよね。

実はバチカン市国は、世界中に約13億人以上もいるキリスト教(カトリック)の信者さんたちにとって、もっとも大切な「世界の中心」なのです!

この記事では、バチカン市国の驚きの広さや人口から、巨大な大聖堂のひみつ、国全体が丸ごと世界遺産になった理由、そしてカラフルな制服を着た衛兵たちのくらしまで、小学生のみなさんに向けて楽しくわかりやすく解説します!

はると
はると
ディズニーランドより小さい国があるなんて信じられないよな!俺たちの学校のグラウンドよりちょっと広いくらいなのかな?どんな国なのかめちゃくちゃ気になるぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、学校の敷地よりは広いけれど、ひとつの国としては世界で一番小さくて本当にびっくりよね。でも、世界中の歴史や文化に大きな影響を与えてきた特別な場所なのよ。いっしょに学んでみましょう!

ディズニーランドより小さい?バチカン市国の基本データ

バチカン市国がどれくらい小さくて特別なのか、まずは数字や地図のデータから見ていきましょう!

ローマの街の中にある「国の中にある国」!

世界地図を広げてイタリアという国を探すと、ブーツのような形をした半島が見つかります。 そのイタリアの首都である大都会「ローマ」の真んなかに、すっぽりと包まれるように存在しているのがバチカン市国です。

つまり、「大都会ローマの街の中に、もうひとつの別の国が入っている」という、世界でもとても珍しい形をしています。 国のまわりの多くは高い石の壁で囲まれていますが、イタリアとバチカンの間に厳しい国境ゲートがあるわけではなく、ローマの街を散歩している感覚で近づくことができます。

数字で見るミニマムさ!広さと人口のひみつ

バチカン市国のスケールを、わかりやすい数字で比べてみましょう。

  1. 広さは約0.44平方キロメートル:東京ディズニーランド(約0.51平方キロメートル)よりも一回り小さく、東京ドームにたとえると約9個分から10個分の広さです。日本の皇居(約1.15平方キロメートル)と比べると、なんと半分以下の広さしかありません!
  2. 人口は約800人:全校生徒が800人くらいの大きな小学校なら、学校ひとつ分と同じくらいの人数です。世界で一番人口が多いインド(約14億人)や、日本(約1億2000万人)と比べると、桁違いの少なさですね。

さらに驚くべきことに、バチカン市国に住んでいる約800人は、普通の家族が暮らしているわけではありません。 そのほとんどが、キリスト教の仕事をする神父さんや司教さん、教皇をお世話する人たち、そして国を守る衛兵さんたちです。

バチカン市国では、「その国で生まれたから自動的に国民になる」ということはありません。 バチカンでの特別なお仕事に就いている期間だけバチカンのパスポートが与えられ、お仕事が終わると元の国の国籍に戻るという、世界でもバチカンだけの特別なルールがあるのです!

普通の国とバチカン市国のちがい
世界中の一般的な国
広い大地に山や川、海や大自然が広がっている!
何百万人から何億人もの市民や家族が暮らしている!
生まれた場所や家族の国籍によって国民になる!
世界一小さな「バチカン市国」
ディズニーランドより小さく、歩いて一周できる!
人口は約800人!キリスト教のお仕事をする人々が集まる!
特別なお仕事をしている期間だけ国民として認められる!
はると
はると
人口800人って、俺の小学校の全校生徒とほぼ同じくらいじゃん!国って何千万人も住んでいるイメージだったから、学校ひとつ分の人数で国ができているなんて驚きだよな!
ひまり
ひまり
そうよね。しかも子どもが生まれて国民が増えるわけじゃなくて、お仕事のために集まった人たちで国が作られているなんて、世界中を探してもここにしかない仕組みだわ。
サン・ピエトロ大聖堂

世界中から人が集まる!サン・ピエトロ大聖堂のひみつ

「そんなに小さな国なのに、どうして世界中から注目されているの?」と思いますよね。 その理由は、バチカン市国がキリスト教カトリックの「最高リーダー」がいる場所だからです。

カトリックのリーダー「ローマ教皇」がいる聖地

カトリックの頂点に立つ最高指導者のことを「ローマ教皇」と呼びます。 世界中の大統領や首相といった国のリーダーたちも、ローマ教皇に会うときは深く敬意を払います。 それほど、世界中の人々の心に大きな影響力を持っている存在なのです。

その教皇が住んでいて、祈りを捧げる中心の建物が「サン・ピエトロ大聖堂」です。 イエス・キリストの一番弟子だった「聖ペテロ(ペトロ)」のお墓の上に建てられたと伝えられており、教会の建物としては世界最大級の大きさを誇ります。 長さは約211メートル、ドームのてっぺんまでの高さは約136メートルもあり、なんと一度に6万人もの人が中に入って祈りを捧げることができるほどの巨大さです!

ミケランジェロが描いた天井画と「煙」の合図

大聖堂のすぐ隣には、「システィーナ礼拝堂」という有名な建物があります。 ここには、ルネサンス時代の天才芸術家ミケランジェロが描いた、世界で最も有名な絵画が残されています。

ミケランジェロは高い足場を組み、首を後ろに反らせて見上げる姿勢のまま、4年以上の歳月をかけてひとりで天井いっぱいに「天地創造」という大作を描き上げました。 絵の具が目や顔にポタポタ落ちてきても描き続けたという伝説があるほどです。

さらに、システィーナ礼拝堂は新しいローマ教皇を選ぶ秘密の会議「コンクラーベ」が開かれる場所としても有名です。

Q. 部屋に鍵をかけて投票するって本当?
A. 本当だよ!「コンクラーベ」という言葉には「鍵をかけて」という意味があるんだ。外からの邪魔を受けずに神聖な気持ちで話し合うため、新しい教皇が決まるまで選挙人たちは部屋から外に出られないんだよ。

世界中から集まった枢機卿(教皇に次ぐ高い位の聖職者)たちが投票を行い、その結果は礼拝堂の屋根にある「小さな煙突から出る煙の色」で世界中に知らされます。

  • 黒い煙:まだ決まっていない合図。
  • 白い煙:新しい教皇が決まった合図!

白い煙がモクモクと立ち上ると、大聖堂の前の広場を埋め尽くした何万人もの人々から「うわあ!」と割れんばかりの大歓声が起こるのです。

はると
はると
煙突から出る煙の色で世界中に結果を知らせるなんて、昔の合図みたいでかっこいいよな!ミケランジェロも首が痛くなるのに何年も天井画を描き続けたなんて、ものすごい集中力だよな!
ひまり
ひまり
ふふ、本当にすごい情熱よね。何百年も前の芸術や伝統的な選挙のやり方が、今の時代にもそのまま受け継がれているところに歴史の深さを感じるわ。
システィーナ礼拝堂

国全体が世界遺産!お宝だらけのバチカン美術館とは?

バチカン市国には、世界中の旅行者が一生に一度は訪れたいと願う、驚きのスポットがあります。 それが「バチカン美術館」です。

世界で唯一!国そのものがユネスコ世界文化遺産

日本にも「富士山」や「法隆寺」「姫路城」など、世界に誇るユネスコ世界遺産がたくさんありますよね。 でも、それらはすべて日本という国の中にある「一部の山」や「特定の建物」です。

ところがバチカン市国は、なんと「国全体(国土の100%)」が丸ごとユネスコ世界文化遺産に登録されています! 国そのものが世界遺産になっている国は、世界中を探してもバチカン市国ただひとつだけです。 地面に敷かれた石畳も、そびえ立つ大聖堂も、美しい庭園も、すべてが人類の宝物として守られているのです。

歩くと7キロ!?歴代教皇が集めた芸術のお宝

その世界遺産の中心にあるバチカン美術館は、歴代のローマ教皇たちが500年以上かけて集めてきた、世界最高峰の絵画や彫刻がぎっしり詰まった宝箱のような場所です。

展示室がいくつも連なり、見学コースをすべて歩くとなんと全長約7キロメートルにもなります! 早足で通り過ぎるだけでも2時間以上かかり、ひとつひとつの美術品をじっくり眺めていたら、丸一日あっても時間が足りないほどです。

古代エジプトのミイラから、古代ギリシャの美しい大理石の彫刻、ラファエロが描いた壁画「アテナイの学堂」、そしてシスティーナ礼拝堂の絵画まで、教科書に載っているような大傑作が次から次へと目の前に現れます。 美術館の出口にある、ぐるぐるとらせんを描く美しい階段も世界中の人々に大人気です。

はると
はると
国全体が世界遺産だなんてスケールがでかすぎるよな!7キロも歩く美術館って、サッカーの試合で端から端まで走るのと同じくらい足腰が鍛えられそうだぞ!
ひまり
ひまり
あはは、美術鑑賞をしながらすごい運動になっちゃうわね。でも、何百年も前の人々が命をかけて守ってきた貴重なお宝を、今でも間近で見られるなんて本当に贅沢なことよね。
バチカン美術館

パスポートは必要?スイス衛兵と国のふしぎなくらし

「別の国に行くときはパスポートがいるけれど、バチカン市国に入るときはどうするの?」と気になりますよね。 バチカン市国の日常のルールや、国を守る衛兵さんたちのひみつを見てみましょう!

イタリアから歩いて入れる?入国のルールと持ち物

実は、イタリアのローマからバチカン市国の「サン・ピエトロ広場」に入るときは、パスポートを見せる必要はありません。 国境を越えるための審査ゲートもなく、だれでも歩いて自由に入ることができます。

ただし、大聖堂や美術館の中に入るときには、空港のような厳しい手荷物検査(金属探知機)があります。 また、世界中の信者さんが祈りを捧げる神聖な場所なので、服装のルールがとても厳しく決められています。 肩が出るノースリーブの服や、膝が見える短い半ズボン・スカートを履いていると、中に入れてもらえません。

さらに、観光客が自由に入れるのは広場や教会、美術館などの決まったエリアだけで、教皇の住まいや国民が暮らしている居住エリアは固く門が閉ざされており、関係者以外は入れないようになっています。

命がけで教皇を守った!伝統の「スイス衛兵」

バチカン市国の門の前に立つと、赤・青・黄色のとてもあざやかなストライプ柄の制服を着て、長い槍を持った兵士たちの姿が目に入ります。 彼らは「スイス衛兵(スイス近衛兵)」と呼ばれる、バチカン市国と教皇を守る特別な軍隊です。

「イタリアにある国なのに、どうしてスイスの兵士が守っているの?」と不思議に思いますよね。 これには、500年近く前の感動的な歴史が関係しています。

1527年、敵の軍隊がローマに攻め込んできた「ローマ略奪」という事件のとき、他の兵士たちが逃げ出すなか、スイス衛兵たちだけは命を捨てて最後まで戦い、当時の教皇を安全な場所へ逃がすことに成功しました。 189人いたスイス衛兵のうち、生き残ったのはわずか42人だったと言われています。

この勇敢な忠誠心に深く感謝した教皇は、「これからの未来も、教皇を守る役目はスイス衛兵だけに任せる」と決めました。 その伝統が、500年経った今でもずっと大切に守られているのです。

今でもスイス衛兵になるためには、厳しい条件があります。 「スイス国籍を持つ独身男性」「カトリックの信者」「身長174センチ以上」「スイスの軍隊で厳しい訓練を修了した人」という条件をクリアしたエリートだけが、この名誉ある制服を着ることができるのです。

小さくても一人前!バチカン独自の切手や硬貨

バチカン市国はとても小さな国ですが、独立した国として必要な独自の仕組みをしっかり持っています。

  • バチカンの切手と郵便局:バチカンの郵便局から出される手紙は、イタリアの郵便局よりも配達が早くて確実だと言われており、ローマ市民もわざわざバチカンまで手紙を出しに来るほどです。美しいデザインの切手は、世界中のコレクターに愛されています。
  • 独自のユーロ硬貨:ヨーロッパ共通のお金「ユーロ」を使っていますが、バチカン市国が発行する硬貨には教皇の肖像画が刻まれており、珍しい記念硬貨としてプレミアがつくこともあります。
  • ラジオ局や鉄道:世界中にキリスト教の教えや平和のメッセージを届ける「バチカン放送(ラジオ局)」や、世界一短いと言われる全長約300メートルの「バチカン鉄道」もあります。

小さくても、自分たちの文化と誇りを持って国を動かしているのですね!

はると
はると
スイス衛兵の制服、カラフルでかっこいいだけじゃなくて、仲間と教皇を命がけで守り抜いた熱い歴史があったんだな!俺もサッカーでピンチのときは、絶対に味方を見捨てずに最後まで走り切るぜ!
ひまり
ひまり
ふふ、はるとらしくて頼もしいわね!自分たちの誇りや約束を500年も守り続ける姿勢は、本当に尊敬できるわ。バチカンの郵便局から自分宛てに絵葉書を送ってみるのも、素敵な思い出になりそうね。
バチカンのスイス衛兵

まとめ

世界一小さな国「バチカン市国」について紹介してきましたが、いかがでしたか?

📝 今日のまとめノート
1 世界最小の国:広さは東京ディズニーランドより狭い約0.44平方キロメートルで、人口は約800人!
2 カトリックの中心:キリスト教の最高リーダー「ローマ教皇」がいて、巨大なサン・ピエトロ大聖堂がある!
3 国全体が世界遺産:国土の100%がユネスコ世界文化遺産で、全長7キロメートルにもおよぶ巨大な美術館がある!
4 歴史あるスイス衛兵:500年前に命がけで教皇を守ったスイスの若者たちが、今も誇りを持って国を守り続けている!
5 独自の仕組み:独自の郵便局、切手、ユーロ硬貨、ラジオ局などを持ち、小さくても立派に独立している!
🖍️ ✏️

ディズニーランドよりも小さな土地の中に、何百年、何千年という世界の歴史や芸術、人々の信仰がぎゅっと凝縮されているバチカン市国。 「世界にはこんなに不思議で特別な国があるんだ!」と知ると、世界地図や歴史を眺めるのがもっともっと楽しくなりますね!

はると
はると
小さくても自分たちの硬貨や切手があって、世界中から尊敬されているなんて本当にすごいよな!教科書で見るようなお宝がいっぱいの美術館も、いつかこの目で見てみたいぜ!
ひまり
ひまり
そうね!小さな敷地の中に人々の祈りや歴史が大切に受け継がれている姿は、とても美しくて感動的だわ。世界中の地理や文化に目を向ける素晴らしいきっかけにしてほしいわね!
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