小学生でもわかる!「年末調整(ねんまつちょうせい)」

年末調整

はじめに

カレンダーが11月や12月になると、お父さんやお母さんがリビングの机でたくさんの紙を広げたり、スマートフォンの画面をじっと見つめながら「はぁ……今年も年末調整の季節かぁ」「あれ、保険のハガキどこにしまったっけ……?」なんてため息をついている姿を見たことはありませんか?

「なんだか難しそうな書類を何枚も書いているな」 「大人の冬休みの宿題なのかな?」

そう不思議に思った人も多いはずです。

でも実はこれ、ただ面倒な書類を書かされているだけではありません。なんと、「1年間に払いすぎていた税金が、おつりのように戻ってくるかもしれない大チャンスの計算イベント」なのです!

もし税金が戻ってきたら、家族で美味しいご飯を食べに行けたり、欲しかったものが買えたりするかもしれません。そう考えると、急にワクワクしてきませんか?

この記事では、「年末調整ってそもそも何なのか?」「なぜ年末にやるのか?」「自分でお店をやっている人とは何が違うのか?」というお金のひみつを、小学生のみなさんにもスッキリわかるように解説します!

はると
はると
年末になると、うちのお父さんが「年末調整の書類書かなきゃ…」って頭を抱えてるんだよな。大人の宿題みたいで大変そうだけど、一体なんなんだ?
ひまり
ひまり
ふふ、うちのお母さんもスマホで数字を確認しながら書類とにらめっこしていたわ。難しそうに見えるけれど、実はお金が戻ってくるかもしれない大事なイベントなのよ。

年末調整ってそもそも何?

年末調整をひとことで言うと、「会社員が1年間に納める税金のデコボコをキレイにならす、年末の精算イベント」です。

日本で働いている大人はみんな、お給料の中から国や町のために「所得税」という税金を納めるルールになっています。この税金は、みんなが通う学校を作ったり、道路を直したり、警察や消防署を動かしたりする大切なお金です。

でも、会社員のお給料明細を見たことがある人は知っているかもしれませんが、実は税金は1年の終わりにまとめて払っているわけではありません。毎月のお給料から、すでに少しずつ引かれているのです。これを「天引き」や「源泉徴収」と呼びます。

ここで大事なポイントがあります。毎月引かれている税金は、実は「だいたいこれくらいの金額だろう」という大ざっぱな予想で仮払いしているお金なのです!

買い物でいうと「とりあえず大きなお札で払った状態」!
自販機やコンビニで120円のジュースを買うとき、細かい小銭が財布になくて「とりあえず1000円札を入れておく」ことってありますよね。
会社員のお給料から引かれる税金もまったく同じです!毎月きっちり1円単位まで正確に計算するのは会社も国も大変なので、「毎月とりあえず多めの予想金額を預けておいて、1年の最後にキッチリ計算しておつりをもらう」という仕組みになっているのです。

このように、毎月のお給料から仮で払っていた税金の合計と、1年間の最後にきっちり計算した「本当の税金」を比べて、差額をピッタリ合わせる作業が「年末調整」なのです。

はると
はると
なるほど!俺もサッカー帰りに友達とジュース買うとき、細かい小銭がなくて千円札出してあとでおつりをもらうことがあるぜ!それと同じで「仮払い」ってことか!
ひまり
ひまり
そうね!毎月何十万人もの社員の税金を1円単位で計算するのは大変だから、まずは大体の予想で預けておいて、年末に正しく合わせるのよ。
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なんで「年末」に計算し直すの?

では、どうしてわざわざ「1年の終わり(年末)」に計算し直すのでしょうか? 最初から1円の狂いもなくピッタリ計算しておけば、面倒な計算なんてしなくて良さそうですよね。

実は、「その人が1年間に納めるべき本当の税金」は、1年間が終わってみないと誰にも分からないからなのです!

人間の生活は、1年間の中でいろいろな変化が起こります。そして日本の税金には、「大変な事情がある人や、自分でお金を備えている人は、税金を安くして助けてあげよう!」という優しいルールがあります。この税金を安くする仕組みを「控除」と呼びます。

身近な例でいうと、スーパーや本屋さんの「子育て応援クーポン」や「雨の日割引スタンプ」のようなものです!国が「頑張っている人を応援するよ!」と税金をまけてくれるのです。

例えば、1年の間に次のような出来事があると、払うべき税金が安くなります。

  1. 家族が増えたとき(扶養控除・配偶者控除)
    結婚したり、赤ちゃんが生まれたり、おじいちゃんやおばあちゃんをお世話することになったりすると、ご飯代や服代などのお金がたくさんかかりますよね。国は「家族を養うのは大変だから、そのぶん税金を安くしてあげよう!」と助けてくれます。
  2. 病気やケガに備えて保険に入ったとき(生命保険料控除)
    万が一の病気やケガに備えて、自分で保険会社にお金を払っている人は、「国に頼るだけでなく自分でしっかり備えていて偉いね」ということで、税金が少し割引になります。
  3. 地震や自然災害の保険に入ったとき(地震保険料控除)
    地震などの災害で家が壊れたときのために保険に入っている人も、同じように税金が安くなります。
  4. 新しいお家を買ったとき(住宅ローン控除)
    家族で住むための家をローン(借金)で買った人は、とても大きな買い物をして日本を元気にしてくれた応援として、税金が大きく割引されることがあります。
STEP 1 1年間の変化を書類に書いて会社に出す!
お父さんやお母さんは、11月頃になると「今年保険に入った証明書」や「家族の状況」を書類やスマホに打ち込んで、勤めている会社に提出します。
STEP 2 会社が社員みんなの「本当の税金」を計算する!
会社は集まった書類を見て、「この人は家族が増えたから税金を安くしよう」「保険に入っているから控除しよう」と、1年間の本当の税金をキッチリ計算し直します。
STEP 3 12月のお給料で差額をきっちり精算する!
1年間に毎月仮払いしてきた税金の合計と、新しく計算した本当の税金を比べます。これで年末調整の完了です!

このように、1年間で誰にどんな変化があったかは、12月にならないと正確にわかりません。だからこそ、毎年11月から12月にかけて年末調整を行うのです。

はると
はると
へえー!赤ちゃんが生まれたり新しい家を買ったりすると、税金が安くなるんだな!1年間で起きた出来事を全部まとめて報告するから「年末」なんだ!
ひまり
ひまり
その通りよ。一年間にどんな出来事があったかは、年末にならないと分からないものね。国が一人ひとりの暮らしに合わせて税金をまけてくれる優しい仕組みなのよ。
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計算し直すとどうなるの?

さて、会社が年末調整で「1年間の本当の税金」を計算し直すと、一体どうなるのでしょうか?

結果は、大きく分けてふたつのパターンがあります。

ひとつ目は、毎月仮払いしていた税金が、本当の税金よりも多かったパターンです。この場合は、払いすぎていたお金が「還付金」として戻ってきます! まさに自販機でおつりが出てくるのと同じ状態です。

ふたつ目は、毎月仮払いしていた税金が、本当の税金よりも少なかったパターンです。この場合は、足りなかった分を「追徴」として追加で払わなければなりません。

税金が戻ってくる「還付」
毎月払っていた税金のほうが、本当の税金より多かった場合!
差額が「おつり(還付金)」として12月のお給料やボーナスと一緒に戻ってくる!
ほとんどの会社員はお金が戻ってくるので、ちょっと嬉しい臨時のお小遣いになるよ!
足りなくて追加で払う「追徴」
残業がたくさん増えてお給料が予想より大幅に増えた場合など!
税金が足りなかったので、12月のお給料から追加で差し引かれてしまう!
お給料が少し減ってしまうのでショックだけど、正しく納めるためのルールなんだ!

実は、会社が毎月天引きしている税金は、「少しだけ多め」に計算されていることがほとんどです。なぜなら、年末に「税金が足りないから追加でお金を払ってください!」と言われるよりも、「税金を払いすぎていたのでおつりを返しますね!」と言われたほうが、誰でも嬉しいですよね。

そのため、ほとんどの会社員は年末調整をするとお金が戻ってきます!

12月のお給料明細を見て、お父さんやお母さんが「やったー! 還付金が数万円戻ってきた!」と喜んでいる姿を見かけたら、それはこの年末調整のおかげなのです。

はると
はると
おつりが戻ってくるなら大チャンスじゃん!うちのお父さんが年末に「よし、ちょっと戻ってきたぞ!」って笑顔になってたのは、この還付金のことだったんだな!
ひまり
ひまり
ふふ、きっとそうね。ちゃんと書類を出した人だけにお金が戻ってくるから、お父さんやお母さんも一生懸命計算して書類を提出しているのよ。
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会社員と自分で働く人のちがいは?

ここまで読むと、「大人はみんな年末調整をしているんだな」と思うかもしれません。でも、実はそうではないのです!

世の中には、年末調整をする人と、年末調整をしない(できない)人がいます。

年末調整をしてもらえるのは、会社に雇われてお給料をもらっている「会社員(サラリーマン)」や「公務員」などの人たちです。会社員は、会社の経理や総務というお金を管理する部署の人が、社員全員の税金を代わりに全部計算してくれます。

一方で、自分でお店(パン屋さんやラーメン屋さんなど)を開いている人、会社を作って社長をしている人、フリーランスのイラストレーターやプログラマー、そして大人気のYouTuberなどは、会社がありません。

では、そういう人たちはどうやって税金を納めているのでしょうか?

その人たちは、「確定申告」という手続きを自分で行います!

Q. なんで会社員は自分で税務署に行かなくていいの?
A. 会社が社員みんなの書類を集めて、代わりに税金の計算と納税を税務署にしてくれるからだよ!自分でやるとなると何十枚もの書類を書いて税務署に提出しなければならないから、会社員はすごく助かっているんだ。

確定申告は、毎年2月16日から3月15日までの間に、自分で1年間の売り上げやかかった費用をすべて計算して、国の税務署に書類を出さなければなりません。

何百枚ものレシートを一枚ずつ計算したり、難しい帳簿をつけたりしなければならないので、自営業の人たちにとって春の確定申告は本当に大変な大仕事です。

そう考えると、会社が代わりに計算をやってくれる会社員の「年末調整」は、とってもありがたい仕組みだと言えますね!

はると
はると
会社が代わりに全部やってくれるなんて、サラリーマンってすげー便利だな!個人でお店をやってる人やYouTuberは、春に自分で全部計算しなきゃいけないのか!
ひまり
ひまり
ええ、そうなの。看護師さんや会社員は会社がやってくれるけれど、自分でビジネスをする人は春に確定申告を頑張るのよ。社会にはいろんな働き方と仕組みがあるのね。
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まとめ

最後に、今日学んだ「年末調整」の大切なポイントを黒板ノートでおさらいしましょう!

📝 今日のまとめノート
1 年末調整は、毎月ざっくり仮払いしていた税金を、1年の終わりにキッチリ計算し直すイベント!
毎月のお給料から引かれている税金は「予想金額」。12月に本当の金額を計算してピッタリ合わせます。
2 家族が増えたり保険に入ったりすると税金が割引になり、払いすぎたお金はおつり(還付金)として戻ってくる!
1年間の生活の変化に合わせて税金が安くなる(控除)ため、多くの会社員はお金が戻ってきてちょっと嬉しい臨時収入になります。
3 会社員は会社が代わりにやってくれるけれど、自営業やYouTuberは自分で春に「確定申告」をする!
会社員は年末調整で会社にお任せできますが、自分で仕事をしている人は2月〜3月に自分で税務署に申告します。
🖍️ ✏️

大人が年末に難しい顔をして書類を書いているのは、家族のために大切なお金を1円も無駄にせず、キッチリとおつりを受け取るためだったのですね。

もし今年の年末に、お父さんやお母さんが机で書類を書いていたら、「年末調整お疲れさま! 還付金戻ってくるといいね!」と声をかけてあげてみてください。大人は「えっ!? なんでそんな難しい言葉知ってるの!?」と目を丸くして驚き、きっと笑顔で褒めてくれるはずですよ!

はると
はると
大人が年末に真剣に書類を書いてる理由がよーくわかったぜ!俺も年末調整の時期になったら、お父さんに「おつり戻ってきたらカレー食べに行こう!」って言ってみるぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、ちゃっかりしてるわね!でも、税金の仕組みを知ることは大人の社会を知る第一歩よ。はるともまずはお小遣い帳をしっかりつけることから始めましょうね!
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