小学生でもわかる!「景気(けいき)」

景気

はじめに

テレビのニュースを見ていると、「最近は景気が回復してきました」とか「不景気の影響で生活が大変です」という言葉を耳にしたことはありませんか?

また、おうちの人が「今年は景気がいいからボーナスが増えたよ!」と笑顔になったり、「景気が悪いから無駄遣いはやめようね」と節約の話をしたりしているのを聞いたことがある人もいるかもしれません。

「景気」という言葉には、お天気の「気」や、元気の「気」という字が使われています。でも、空の天気を表す言葉ではないのに、いったい何のことなのでしょうか?

実は、「景気」の正体を知ると、大人の世界だけでなく、みんなが普段もらっているお小遣いや、街のお店、大好きなおもちゃの値段まで、世の中の仕組みがぜんぶ一本の線でつながって見えてきます!

今回は、ニュースが10倍面白くなる「景気」のヒミツを、身近な例を交えながら小学生向けにわかりやすく解き明かしていきましょう!

はると
はると
ニュースでお父さんが「最近は景気がな〜」ってため息ついてるのを見たことあるぞ!天気予報の「天気」なら知ってるけど、「景気」って空の様子と何か関係あるのか?
ひまり
ひまり
ふふ、空のお天気ではないのよ。でも、世の中が「ぽかぽか晴れ」なのか「どんより雨」なのかを表しているという意味では、お天気とすごく似ているかもしれないわね!

「景気」ってどんなもの?街とみんなの「元気の体温計」!

「景気」を一言で説明すると、「世の中のお金のめぐり具合」であり、「街や人々の元気度をはかる体温計」です!

みなさんは風邪をひいたとき、体温計で熱をはかりますよね。元気いっぱいで元気に遊んでいるときは体温がポカポカ温かく、体中に血がスムーズにめぐっています。でも、風邪をひいて体調を崩すと、手足が冷たくなって元気がなくなってしまいます。

実は、街や国にも「体温」のようなものがあります。

私たちの体の中を血液がグルグルめぐって栄養や酸素を届けていると同じように、街の中では「お金」がグルグルめぐっています。

みんながお店で買い物をし、お店の人が商品を仕入れ、会社が働く人に給料を払い、その給料でまた別の買い物をする……。このお金のバトンパスが勢いよくスピーディーに行われ、街中が活気にあふれている状態を「景気がいい」と言います。

反対に、みんなが買い物を我慢してお金をしまってしまい、お金のめぐりが悪くなって街全体が元気をなくしている状態を「景気が悪い」と言うのです。

景気は街や人々の「体温」と「元気度」のバロメーター!
人の体が健康なときは、血液がサラサラと全身をめぐってポカポカと温かいですよね。世の中もまったく同じです!お金が街中をスムーズにめぐり、みんなが笑顔で活動しているときが「景気がいい(好景気)」状態です。逆にお金が動かなくなって冷え切ってしまうと「景気が悪い(不景気)」になります。

ところで、どうして「景気」には「気」という漢字が使われているのでしょうか?

それは、みんなの「気分」や「気持ち」が景気にものすごく大きな影響をあたえるからです!

「来月もお給料がたくさんもらえそうだな!」「このお店は美味しいからまた来よう!」とみんなが前向きでワクワクした気分になると、積極的にお金を使うようになります。

でも、「来月は給料が減るかもしれない……」「将来がなんだか不安だな」とみんなが心配な気分になると、お財布のヒモをギュッと固く結んでお金を使わなくなってしまいます。

このように、みんなの心の中にある「気(気分)」が集まって、世の中全体の景気を作り出しているのです。

はると
はると
街の体温か!俺たちもサッカーの試合でパスがビシバシつながるとチーム全体が熱くなってくるけど、街中でお金のパスが元気に回ってる状態が「景気がいい」ってことなんだな!
ひまり
ひまり
ええ、まさにその通りよ!看護師さんの目線で見ても、血液が全身をめぐって体温が温かいのは健康の基本なの。世の中にとっても、お金のスムーズなめぐりが元気の源なのよ。

「好景気」と「不景気」!なにがどう変わるの?

景気には、大きく分けてふたつの状態があります。それが「好景気(好況)」と「不景気(不況)」です。

このふたつで、私たちの暮らしや街の様子はどう変わるのでしょうか?それぞれの特徴を比べてみましょう!

街中がポカポカ温かい「好景気(好況)」
モノやサービスが飛ぶように売れて、お店やテーマパークが大にぎわい!
会社の売上がアップして、働くお父さんやお母さんの給料やボーナスが増える!
新しい便利なお店や最新のゲーム、楽しい商品が次々に開発される!
みんなが我慢して冷え込む「不景気(不況)」
将来が心配になって、みんながお財布のヒモを固く結んで節約する…
商品が売れ残ってしまい、会社の売上や働く人の給料が減ってしまう…
お店が閉店してしまったり、新しい商品の開発や計画がストップする…

好景気のとき:笑顔がつながる「最高のスパイラル」!

好景気のときは、まるでドミノ倒しのように良いことが次々と連鎖していきます。

  1. みんながたくさん買い物をする:新しい服を買ったり、家族で美味しいレストランに行ったり、旅行に出かけたりします。
  2. お店や会社が大儲かりする:商品がたくさん売れるので、お店や工場の売上がぐんぐん伸びます。
  3. お父さん・お母さんの給料やボーナスが増える:会社が儲かった分、働いている社員へのご褒美(ボーナスや給料アップ)として還元されます。
  4. さらに買い物がしやすくなる:おうちのお金に余裕ができるので、「欲しかった新しい自転車を買おう!」「習い事を始めてみよう!」と、さらに買い物を楽しむようになります。

このように、お金を使うことが次の豊かさを生み出す「好循環」が生まれます。

不景気のとき:我慢が続いてしまう「寒々しいスパイラル」…

一方、不景気のときは逆のブレーキがかかってしまいます。

  1. みんなが買い物を我慢する:「もしもの時のために貯金しておこう」と、外食を減らしたり新しいおもちゃを買うのを諦めたりします。
  2. 商品が売れ残る:お店にお客さんが来なくなり、工場で作ったモノが売れ残ってしまいます。
  3. 給料が減ってしまう:会社が損をしてしまうため、社員のお給料が下がったり、ボーナスが出なくなったりします。最悪の場合、会社が倒産してしまうこともあります。
  4. ますます買い物ができなくなる:お給料が減ったので、さらに節約しなければならなくなります。

これが不景気の「悪循環」です。誰かひとりが悪いわけではないのに、みんなの「買い控え」が重なることで、街全体が冷え込んでしまうのです。

はると
はると
給料が上がれば新しいサッカースパイクも買ってもらえるし、お店も儲かって大喜びじゃん!好景気って、全員でゴールを決めてハイタッチしてるみたいで最高だな!
ひまり
ひまり
ふふ、そうね!でも不景気になると、みんなが不安になって節約するから、街のお店や病院も元気がなくなっちゃうの。どちらか一方だけじゃなく、仕組みを知ることが大切ね。

景気はぐるぐる回る?「山あり谷あり」のサイクル

では、世の中はずっと好景気だったり、ずっと不景気だったりするのでしょうか?

答えは「いいえ」です!

実は、景気はずっと同じ状態が続くことはありません。まるで「春・夏・秋・冬」の季節が順番にめぐってくるように、山を登ったり谷を下りたりをくり返しながら変化しています。これを専門用語で「景気循環」と呼びます。

景気がどのように移り変わっていくのか、4つのステップで見てみましょう!

STEP 1 【春:回復期】新しい工夫や買い替えで、少しずつ温まり始める!
不景気の冬をじっと耐えている間に、古くなった家電や車を買い替える人が少しずつ現れます。また、企業が「安くて便利な新商品」を工夫して売り出すことで、街に再びお買い物をする人が戻ってきます。
STEP 2 【夏:好況期】太陽ギラギラ!モノがどんどん売れて絶好調!
街中に活気があふれ、給料もアップ!「新しい家を建てよう」「旅行に行こう」とお金が勢いよく回り、景気は山のてっぺん(ピーク)を迎えます。
STEP 3 【秋:後退期】モノが高くなりすぎて、少しずつブレーキがかかる…
みんなが買いすぎたことで商品の値段(物価)が上がり、「ちょっと高すぎるから買うのをやめようかな」と買い物を控える人が出てきます。売れ残りが増え始め、景気は下り坂に入ります。
STEP 4 【冬:不況期】雪が降るように冷え込み、じっと春を待つ我慢の時期…
モノが売れなくなり、企業は無駄を削ってじっと耐えます。しかし、ただ落ち込んでいるだけではありません!この冬の間に「もっと喜ばれる新しいアイデアはないか?」と知恵を絞り、次の春への準備を進めるのです。

人間も、24時間ずっと全力疾走し続けることはできませんよね。しっかり夜に眠ってエネルギーをチャージするからこそ、次の日にまた元気に走ることができます。

経済も同じです。好景気の山があれば、少し熱を冷ます谷の時期があり、その谷の間に新しい発明や工夫が生まれることで、世の中は前よりも一段と豊かに進化していくのです!

はると
はると
ずっと勝ち続ける無敵のサッカーチームがないのと同じで、景気にも山と谷があるんだな!冬の寒くて苦しい時期があるからこそ、次の春に新しい作戦で強くなれるってことか!
ひまり
ひまり
その通りよ、はると!どんなに強いチームも休息や作戦会議が必要なように、経済も谷の時期にしっかり力を蓄えて、次の新しい時代へジャンプしていくのよ。
景気は山あり谷あり

お金はめぐる生き物!小学生の私たちにできること

「景気の話って、大人の会社やお給料の話ばかりで、小学生の自分には関係ないや」と思っていませんか?

実は、小学生のみなさんも、毎日を動かしている立派な経済のプレイヤーなのです!

例えば、みなさんがお小遣いの100円を持って、近所の駄菓子屋さんで好きなお菓子を買ったとします。このとき、100円玉はどうなるでしょうか?

  1. あなたが駄菓子屋さんのおばあちゃんに100円を渡して、お菓子を受け取る。
  2. おばあちゃんは、その100円を使って八百屋さんで新鮮な夕ご飯の野菜を買う。
  3. 八百屋さんは、その100円を使って文房具屋さんで新しいノートを買う。
  4. 文房具屋さんは、その100円を銀行に預けたり、自分の子どものお小遣いにしたりする……。

どうでしょうか?あなたが使ったたった1枚の100円玉が、まるでバトンパスのように街の人々の手を次々と渡り、たくさんの人を笑顔にしているのです!

もし誰もお金を使わずに全員が机の引き出しにしまい込んでしまったら、このバトンパスはピタッと止まってしまいます。

お金は使ってなくなるのではなく、街の中をめぐりながらみんなの暮らしを支え合っている「生き物」のような存在なのです。

Q. ずっと好景気が続けばみんな幸せなんじゃないの?
A. 実は好景気が行き過ぎると、モノの取り合いになって値段がどんどん上がりすぎる「インフレ」が起きたり、実力以上の泡が弾ける「バブル崩壊」が起きたりするんだ。だから日本銀行などがブレーキとアクセルを上手に踏んで、ちょうどいい温度に調整しているよ!

では、小学生の私たちができる「良いお買い物のコツ」とは何でしょうか?大切なポイントは3つあります。

  1. 「本当に欲しいもの」「大切にできるもの」を選ぶ:安いからといってすぐゴミにしてしまうような無駄遣いをせず、自分が心からワクワクするものや、勉強・スポーツに役立つものにお金を使いましょう。
  2. 地元のお店や商店街を応援する:近所の文房具屋さんや本屋さん、パン屋さんでお買い物をすることは、「いつもありがとう!これからも頑張ってね」と街を応援することにつながります。
  3. 「ありがとう」の気持ちを持ってお金を渡す:お金を払うときは、素晴らしい商品を作ってくれた人や売ってくれた人に感謝の気持ちを込めましょう。気持ちのいいお金の使い方が、街をポカポカ温める力になります。
はると
はると
俺が駄菓子屋さんで買った100円のグミも、街を元気にする大事なパスの1本になってたのか!無駄遣いはダメだけど、自分が本当に大切にしたいことにお金を使うのはかっこいいぜ!
ひまり
ひまり
ええ、素晴らしい気づきね!私たちが地域の商店街や本屋さんでお買い物をすることは、大好きな街を応援する「元気の処方箋」になるのよ。
買い物をする人々

まとめ

今回は、ニュースでよく聞く「景気」のヒミツについて解説しました!

📝 今日のまとめノート
1 景気は「街と人々の元気のバロメーター」:お金がスムーズにめぐり、みんなが前向きな気分で活動している状態が「好景気」!
2 景気は山と谷をくり返す「四季」のようなもの:好景気・後退・不景気・回復というサイクルがあるからこそ、新しい工夫が生まれて社会が成長する!
3 100円のお買い物も大切な経済のパス回し:小学生のお小遣いも街を元気にする立派なバトン!感謝の気持ちを持って賢く使おう!
🖍️ ✏️
はると
はると
景気って大人の難しいニュースだと思ってたけど、俺たちの毎日やお小遣いともガッツリつながってたんだな!お小遣いをもらったら、街を応援する気持ちで大切にパスを回してみるぜ!
ひまり
ひまり
ふふ、頼もしいわね、はると!でも、お小遣いを使う計画を立てる前に、今日出された社会科の宿題を終わらせておかないとお母さんに怒られちゃうわよ。さあ、一緒に頑張りましょう!
タイトルとURLをコピーしました