小学生でもわかる!「オーロラ」

オーロラ

はじめに

真っ暗な夜空に、まるで巨大なレースのカーテンのように、緑色や赤色のやわらかな光がひらひらとゆらめく光景を見たことがありますか?

写真やテレビなどで見て、「うわあ、信じられないくらいキレイ!」「生きているうちに一度は本物を見てみたい!」と心を奪われた人も多いのではないでしょうか。

まるで夜空全体が巨大な映画館のスクリーンになったような不思議な眺めですが、実はこれ、地球と遠い宇宙にある「太陽」が繰り広げる大迫力の科学ドラマなのです。

「遠い宇宙から、どうやって光がやってくるの?」 「なぜ緑や赤などいろんな色があるの?」 「寒い北極や南極でしか見られないの?」

そんなオーロラの秘密を、科学の不思議と一緒にわかりやすく解き明かしていきましょう!

はると
はると
テレビでオーロラを見たけど、夜空が緑色にピカピカ光っててマジですごかったな!宇宙人が光のビームでも出しているのかと思ったぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、宇宙人の仕業じゃないわよ、はると。あれは遠い太陽と私たちの地球が引き起こす、とっても壮大で美しい自然のイルミネーションなのよ。

そもそもオーロラって何?夜空にゆれる光のカーテン

オーロラとは、主に北極や南極の近くといった寒い地域の夜空に現れる、幻想的で色あざやかな発光現象のことです。理科の言葉では「極光」とも呼ばれます。

その現れ方はひとつだけではありません。 やわらかなカーテンのように波打つもの、夜空に大きな橋をかけたようなアーチ形のもの、空から光のシャワーが一気に降り注いでくるような「コロナ(冠)」と呼ばれる形まで、実にさまざまです。

さらに面白いのは、絵の具で描いた絵のようにじっと止まっているのではなく、数分から数時間のあいだ、まるで生き物のようにフワフワと形や明るさを変えながら動き続けることです。

大昔の人々は、突然夜空に現れるこの光を見て、「神様が空に開けた窓だ」「夜空を駆けるドラゴンのしっぽだ」などと考え、驚きとおそれの気持ちでお祈りをしていました。

しかし現代の科学では、オーロラは空の気まぐれではなく、宇宙と地球の仕組みがきっちり重なり合って生まれる現象であることが解明されています。

はると
はると
カーテンみたいにヒラヒラ動くってことは、空の上で強い風が吹いて光が揺れているってことなのか?
ひまり
ひまり
実は風で揺れているわけではないのよ。宇宙から降ってくる目に見えないエネルギーが、次々に空の空気を光らせているから、まるで波打つように動いて見えるのよ。
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オーロラはどうやって光る?太陽と地球のキャッチボール

オーロラが光る理由を一言でいうと、「太陽から飛んできた電気の粒」が「地球の空気」とドカンと激突しているからです。

身近なものでたとえると、お店の看板に使われている「ネオンサイン」や、学校の天井にある「蛍光灯」とまったく同じ原理です。ガラス管の中にある気体に電気を流すとパッと光るように、宇宙規模の広大な夜空で電気が流れて光っているのです。

この宇宙規模の壮大なキャッチボールは、次の3つのステップで起きています。

STEP 1 太陽から「太陽風」が宇宙へ吹き出す!
太陽はただ光っているだけでなく、ものすごい熱とエネルギーの塊です。太陽の表面からは、電気を帯びた目に見えない小さな粒(プラズマ)が、秒速数百キロメートルという新幹線が止まって見えるほどの超猛スピードで四方八方に吹き飛ばされています。これを「太陽風」と呼びます。
STEP 2 地球の「巨大な磁石バリア」が粒を受け止める!
もし太陽風がそのまま私たちの住む町に直撃したら、強い放射線で生き物は生きていけません。でも安心してください!地球の中心には大きな鉄の核があり、地球全体が「巨大な磁石」になっています。この磁石が目に見えないバリア(磁場)を張り巡らせて地球をガードしているのです。地球にぶつかった電気の粒は、磁石の通り道(磁力線)に吸い寄せられるように、北極と南極へとツツーッと集まっていきます。
STEP 3 上空の空気とドカンと激突してピカッと発光!
北極や南極の上空(高さ100km〜500km付近)には、うすい空気が漂っています。そこへ磁力線に沿ってスピードに乗った電気の粒がなだれ込み、空気を作っている粒(酸素や窒素)と激しく激突します!ぶつかられた空気の粒は強いエネルギーをもらって興奮し、元の落ち着いた状態に戻るときに余ったエネルギーを光としてパッと放ちます。これがオーロラの輝きなのです!
はると
はると
太陽が投げた超豪速球を、地球の磁石バリアがキャッチして、北極や南極の空気にパスしたってことか!宇宙規模のチームプレーみたいですげーな!
ひまり
ひまり
ふふ、分かりやすい例えね!地球の磁石が私たちを有害な宇宙の粒から守ってくれている証拠が、あの美しいオーロラなのよね。
国際宇宙ステーション(ISS)から撮影されたエメラルドグリーンのオーロラ
▲ 国際宇宙ステーション(ISS)から撮影されたエメラルドグリーンのオーロラ(出典: Wikimedia Commons)

なぜ緑や赤に見えるの?色の秘密は大気にあった!

オーロラといえば鮮やかなエメラルドグリーンが有名ですが、ときには淡いピンク色や、燃えるような赤色、さらには紫色に輝くこともあります。

「どうしてひとつの現象なのに、いろんな色に見えるの?」と不思議に思いますよね。 実はその秘密は、電気の粒がぶつかる「高さ」と「空気の種類の違い」にあります。

地上から宇宙に向かって高くなるほど、空気はどんどん薄くなっていきます。そして高さによって、多く存在する気体の種類が違っているのです。

超高層(高さ200km以上)の「赤いオーロラ」
ぶつかる相手
とても薄い酸素の粒
光る仕組み
電気の粒とぶつかった酸素が、約1分間ものんびり時間をかけて赤い光を放つ!
特徴
まわりに邪魔する空気が少ない超高層でのみ現れる、珍しい赤色の光!
上空(高さ100〜200km)の「緑・ピンクのオーロラ」
ぶつかる相手
酸素の粒や窒素の粒
光る仕組み
酸素が一瞬(約0.7秒)で鮮やかな緑色に発光!さらに低い場所(100km付近)では窒素がピンクや紫色に光る!
特徴
私たちが写真でよく見る、最も明るくカーテンのようにゆらめく定番のオーロラ!

高いところにある酸素は、ぶつかられてから光を放つまでに時間がかかるため、空気が薄い200km以上の場所でないと赤く光ることができません(まわりに空気の粒がたくさんあると、光る前に別の粒とぶつかってエネルギーを横取りされてしまうからです)。

そのため、大きなオーロラを横から眺めると、一番上の高い空は「赤」、真んな中のメイン部分は「緑」、そして一番下のすその部分は「ピンクや紫」という、美しい光のグラデーションが生まれるのです。

はると
はると
ぶつかる空気の種類や高さで色が変わるのか!打ち上げ花火の火薬の種類でいろんな色が出るのと似ていて面白いな!
ひまり
ひまり
ええ!空気の中の酸素や窒素が、まるで自分のテーマカラーを光らせているみたいで、夜空のキャンバスに絵の具を塗っているみたいよね。
上空の赤色と下部の緑色に分かれた美しいオーロラのグラデーション
▲ 上空の赤色と下部の緑色に分かれた美しいオーロラのグラデーション(出典: Wikimedia Commons)

日本でも見られるの?オーロラベルトと昔の記録

「オーロラを見るためには、カナダやアラスカ、北欧などの極寒の国へ飛行機で行かないと絶対に無理なのかな?」と思っていませんか?

たしかに、普段オーロラが頻繁に現れるのは、北極や南極を取り囲む北緯・南緯60度から70度付近のドーナツ状のエリアだけです。このエリアは「オーロラベルト(極光帯)」と呼ばれ、地球の磁力線がちょうど集まりやすい場所になっています。

しかし、実は日本でもオーロラが見られる特別なチャンスがあるのです!

太陽の表面で「太陽フレア」と呼ばれる超巨大な大爆発が起きると、いつもの何倍、何十倍ものすさまじい量の電気の粒が地球へ押し寄せてきます(これを「磁気嵐」と呼びます)。

すると、いつもは北極のまわりにとどまっているオーロラベルトが、まるでゴム風船がふくらむように南へグーッと大きく広がります。その結果、日本のような緯度の低い場所でも、北海道や東北地方の北の空がぼんやりと赤く染まる「低緯度オーロラ」が観測されるのです。

実際に2024年5月にも、太陽の大爆発によって北海道の名寄市などで夜空が赤く染まるオーロラが観測され、大きなニュースになりました。

さらに驚くべきことに、日本の歴史書にもオーロラの記録が残っています。 鎌倉時代の有名な歌人である藤原定家が残した日記『明月記』には、京都の夜空が真っ赤に染まった様子が「赤気」という言葉でくわしく記録されています。

日本から見えるオーロラが緑ではなく赤色なのは、地球が丸いためです。低い空で光る緑色のオーロラは地平線の下に隠れて見えませんが、200km以上の超高層で光る「赤いオーロラのてっぺん部分」だけが、遠く離れた日本からもひょっこり顔を出すからなのです。

はると
はると
日本でもオーロラが見られるなんて知らなかったぜ!昔の人が京都の空で真っ赤な光を見たら、火事かと思って腰を抜かしただろうな!
ひまり
ひまり
ふふ、本当にそうね!昔の人は理由がわからなくて怖がったかもしれないけれど、現代の私たちは宇宙と地球のつながりを感じてワクワクできるわね。
昔の人々が記録した夜空に輝くオーロラ
▲ 昔の人々が記録した夜空に輝くオーロラ(フレデリック・チャーチ画・出典: Wikimedia Commons)

まとめ

📝 今日のまとめノート
1 オーロラの正体は宇宙と地球の衝突:太陽から吹き出す電気の粒(太陽風)が、地球の磁石バリアに導かれて北極や南極の空気と激突して光る現象!
2 色の秘密は高さと気体の種類:超高層(200km以上)の酸素は「赤色」、上空(100〜200km)の酸素は「緑色」、さらに低い窒素は「ピンクや紫色」に光る!
3 日本でも赤いオーロラが見える:太陽で大爆発(太陽フレア)が起きるとオーロラが広がり、北海道などでも超高層の「赤いオーロラ」が観測できる!
🖍️ ✏️
はると
はると
太陽と地球がキャッチボールをして空を光らせているなんて、知れば知るほどかっこいいぜ!俺、いつか北極に行って本物の光のカーテンを見上げるぞ!
ひまり
ひまり
ええ、ぜひ本物を見に行ってみたいわね!でもはると、宇宙のロマンに思いをはせる前に、まずは明日の理科の宿題をしっかり終わらせてちょうだいね?
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