小学生でもわかる!「ジャンヌ・ダルク」

ジャンヌ・ダルク

はじめに

みんなは、サッカーなどの試合で「前半だけで0対3の大ピンチ」「残り時間あとわずかで絶対絶命!」という状況になったことはありませんか? チームのみんながうなだれて、「もうダメだ、絶対に勝てない……」とあきらめそうになった瞬間って、息が苦しくなるほどつらいですよね。

でも、そんな絶望的なピンチのとき、たった一人の仲間が「まだ終わってない!最後まで絶対にあきらめないぞ!」と声を張り上げ、誰よりも先に全力で走り出したらどうでしょう? 「そうだ、まだ時間はある!」「俺たちもやれる!」と、沈んでいたチーム全員の心にメラメラと炎が燃え上がりますよね。

今から約600年前のヨーロッパ・フランスに、まさにそんな「奇跡の大逆転」をたった一人で巻き起こした少女がいました。 その名前こそ、世界中で最も有名な英雄の一人、ジャンヌ・ダルクです!

ジャンヌは、生まれつき特別な力を持った魔法使いでも、戦いの特訓を受けたエリートの騎士でもありませんでした。文字の読み書きもできない、田舎の村で羊の世話をしていた15歳の普通の農家の女の子だったのです。

そんな普通の少女が、なぜ国を動かし、屈強な大人の兵士たちを率いて大逆転勝利をつかむことができたのでしょうか? そして、なぜ剣で敵を倒すのではなく「白い旗」を掲げて戦ったのでしょうか?

今回は、ピンチに負けない勇気と信じる力で世界中を驚かせた、ジャンヌ・ダルクの感動のドラマを一緒に見ていきましょう!

はると
はると
0対3から逆転するなんて、どんなサッカーの試合よりも熱いドラマだな!でも、俺と同じくらいの年の普通の女の子が、どうやって大人の軍隊をまとめたのかすげー気になるぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、不思議よね。特別な武器や魔法を持っていたわけじゃないのに、国中の大人がジャンヌの言葉に心を動かされたの。そこには、強い勇気と誰にも真似できない秘密があったのよ。

ジャンヌ・ダルクってどんな人?奇跡を起こした15歳

ジャンヌ・ダルクが生きていたのは、1400年代初めのフランスです。 当時のフランスは、お隣の国イギリスと100年以上にもわたって戦いを続ける「百年戦争」の真っ最中でした。

しかも、フランスは連戦連敗でボロボロ。国の半分近くをイギリスに奪われ、あと一歩で国そのものが消えてなくなってしまうという、まさに「ゲームオーバー寸前」の大ピンチに追い込まれていたのです。 フランス軍の騎士や兵士たちはすっかり自信を失い、国のリーダーである王太子(シャルル7世)も、お城に閉じこもってオロオロするばかりでした。

そんな絶望の暗闇の中に現れたのが、フランス東部の「ドンレミ村」という小さな田舎町で暮らしていた少女、ジャンヌでした。

ジャンヌは学校に通ったこともなく、自分の名前の文字すら書けませんでした。毎日、お母さんのお手伝いをして糸をつむいだり、草原で羊や牛の世話をしたりして過ごす、どこにでもいる心優しい女の子だったのです。

普通の少女から国を救う英雄へ!
普段のジャンヌ(普通の農家の少女)
学校に通ったことがなく、文字の読み書きもできない
羊の世話やお家のお手伝いをする心優しい普通の女の子
戦いとは無縁の静かな田舎の村で暮らしていた
立ち上がったジャンヌ(フランスを救う英雄)
強い勇気と信念を胸に、銀色の鎧を着て戦場の先頭に立つ!
落ち込んでいた大人の騎士たちを励まし、心を一つにまとめた!
誰もが「無理だ」とあきらめていたフランスを大逆転で救い出した!

戦いの経験どころか、馬に乗ったことすらなかった15歳の少女が、どうして鎧を着て戦場へ向かうことになったのでしょうか? その裏には、彼女の運命を大きく変えた「不思議な出来事」がありました。

はると
はると
字も読めなくて馬にも乗ったことがない普通の女の子だったのか!そんな子が、どうして大ピンチの国を救うリーダーになれたんだ?
ひまり
ひまり
そうなの。ジャンヌは特別なエリートでもなんでもなかったのよ。でも、自分のことよりも「苦しんでいる人たちを助けたい」という優しい心を持っていたからこそ、奇跡を起こすことができたのね。

なぜ立ち上がったの?「神様のお告げ」と強い勇気

ジャンヌが13歳の夏のある日、お父さんの家の庭にいたときのことです。 突然、まばゆい光とともに、天から不思議な声が聞こえてきました。

「ジャンヌよ、正しく生きなさい。そしてフランスを救うために立ち上がりなさい」

それは、キリスト教の天使(大天使ミカエル)たちからの「神様のお告げ」でした。 最初は「私のような貧しい田舎の娘に、そんなことができるわけがありません!」と怖がって震えていたジャンヌでしたが、その声はその後も何度も何度も彼女の心に響き渡りました。

当時のフランスでは、イギリス軍に畑を荒らされ、家を焼かれ、たくさんの罪のない人々が涙を流していました。ジャンヌの住む村にも敵が攻め込んできたことがあり、村人たちの悲鳴をジャンヌは間近で聞いていたのです。

「神様が私を呼んでいるなら、私はもう逃げない。苦しんでいるフランスの人たちを私が助けに行くんだ!」

ジャンヌは15歳になると、固い決意を胸に立ち上がりました。

笑われてもあきらめない!敵陣を越えて王様のもとへ

しかし、田舎の村の少女が「フランスを救うために王様に会わせてください!」と言い出したのですから、周りの大人は大笑い。「頭がおかしくなったのか」「子どもは家に帰って糸をつむいでいなさい」と誰も相手にしてくれませんでした。

普通なら、バカにされたら恥ずかしくて泣いてあきらめてしまいますよね。 でも、ジャンヌの心は絶対に折れませんでした。

何度も何度も街の司令官のもとに通い詰め、熱心に自分の思いを訴え続けました。ジャンヌのあまりにも真剣で純粋な瞳に心を打たれた司令官は、ついに馬と護衛の兵士を用意してくれたのです。

ジャンヌは髪を短く切り、危険から身を守るために男の子の服を着て、敵の兵士がウロウロしている危険な夜道を何日も馬で走り抜けました。そしてついに、王太子シャルル7世がいる遠いシノンの城へとたどり着いたのです!

変装した王様を一発で見抜く!

シノンの城に着いたジャンヌを、王太子シャルル7世はすぐには信用しませんでした。 「本当に神様のお告げを受けた娘なのか、テストしてやろう」と考えたシャルル7世は、家来の服を着て大勢の貴族の中にこっそり隠れ、別の立派な服を着た家来を王様のイスに座らせました。

大広間に入ったジャンヌは、一度も本物の王太子の顔を見たことがありません。 周りの大人たちがニヤニヤしながら見つめる中、ジャンヌはニセモノの王様には目もくれず、人混みの中に隠れていたシャルル7世の前にまっすぐ歩み寄り、ペコリとひざまずいて言ったのです。

「優しい王太子様、神様が私をお遣わしになりました。あなた様こそが、フランスの真の王です」

これには、広間にいた全員が息を呑みました。 シャルル7世はジャンヌと二人きりで話し合い、彼女のまっすぐで濁りのない言葉を聞いて、「この少女を信じて軍隊を預けてみよう」と決意したのです。

はると
はると
うわーっ!変装して隠れてた王様を一発で見抜いちゃうなんて、ジャンヌの観察力はハンパじゃないな!周りにバカにされてもあきらめなかった根性もすげーよな!
ひまり
ひまり
ええ、誰に何を言われても自分の信じた道を貫く勇気があったからこそ、奇跡の扉が開いたのね。王様もジャンヌの真剣な瞳を見て、フランスの未来を託す覚悟を決めたのよ。

オルレアンの奇跡!戦わずに軍を勝利へ導いた秘密

王太子から白銀の鎧を授かったジャンヌは、フランス軍を率いて最大の激戦地「オルレアン」へと向かいました。

オルレアンは、フランスの運命を左右する超重要な砦でした。ここをイギリス軍に奪われてしまえば、フランスは完全に負けて国が滅びてしまいます。街は半年以上もイギリス軍に囲まれ、食べ物も尽きかけ、兵士も市民も「もう終わりだ……」と涙を流していました。

そこに、白銀の鎧に身を包んだ17歳のジャンヌが颯爽と現れたのです!

武器を持たず「真っ白な旗」で先頭を走った!

戦場へ向かうジャンヌを見て、兵士たちは驚きました。 ジャンヌは腰に剣を差していましたが、戦いの中でその剣を使って敵を攻撃することは一度もしなかったのです。

「私は人を傷つけるよりも、旗を持つほうが何倍も好きです」

ジャンヌの手には、イエス・キリストの絵が描かれた美しい「真っ白な旗」が握られていました。ジャンヌは武器で敵を倒すのではなく、この白い旗を高く高く掲げて、誰よりも先に敵の陣地へと突撃していったのです。

後ろから「行け!」と命令するのではなく、一番危ない先頭を少女が真っ直ぐ走っていく姿を見て、絶望していた大人の兵士たちは雷に打たれたような衝撃を受けました。 「女の子が命がけで先頭を走っているのに、大人の俺たちが逃げ出せるわけがない!」「ジャンヌに続け!」と、兵士たちの心に猛烈な勇気が湧き上がりました。

矢が突き刺さっても再び立ち上がる!

激しい戦いの中、ジャンヌの肩深くに敵の放った弓矢が突き刺さるという大事故が起きました。 あまりの激痛に、17歳の少女であるジャンヌは思わず涙を流しました。敵のイギリス軍は「ジャンヌが倒れたぞ!我々の勝ちだ!」と歓声を上げます。

しかし、傷の手当てを受けたジャンヌは、痛みに耐えながら再び立ち上がりました。

「まだ戦いは終わっていません!私の旗が砦に届くとき、勝利は私たちのものです!」

傷だらけのジャンヌが再び白い旗を掲げて前線に戻ってきたのを見た瞬間、フランス軍は地鳴りのような歓声を上げ、イギリス軍は「あの娘は不死身なのか!?」と恐怖に震え上がりました。

STEP 1 絶望の街オルレアンへ!白銀の鎧と白い旗で登場
半年以上も敵に囲まれ、飢えと恐怖で絶望していた街オルレアンへ駆けつける。武器ではなく「真っ白な希望の旗」を掲げて兵士たちの先頭に立った!
STEP 2 矢が刺さってもあきらめない!不屈のガッツで再び前線へ
戦いの最中に肩へ敵の矢が深く刺さる大怪我を負う。しかし手当てを受けるとすぐに立ち上がり、痛みをこらえて再び旗を掲げて仲間を勇気づけた!
STEP 3 奇跡の大逆転!わずか数日でイギリス軍を打ち破る
ジャンヌの不屈の勇気に心を打たれた兵士たちが猛反撃を開始!半年以上破れなかった敵の包囲をたった数日で打ち破り、フランスのピンチを救った!

半年以上も苦しんでいたオルレアンの包囲を、ジャンヌが到着してからなんとわずか数日間で打ち破ってしまったのです! この「オルレアンの奇跡」によって、フランス軍は連戦連勝の勢いを取り戻し、国を滅亡の危機から救い出すことに成功しました。

はると
はると
矢が刺さってもあきらめずに立ち上がって旗を掲げるなんて、どんなサッカーのキャプテンよりも熱いガッツだよな!剣で敵を倒すんじゃなくて、みんなを勇気づけて勝ったのが本当にかっこいいぜ!
ひまり
ひまり
ええ、人を傷つける力ではなく、「みんなを守りたい、励ましたい」という純粋な心が、あきらめかけていた何万人もの兵士たちの心を一つに束ねたのね。まさに愛と勇気が起こした奇跡だわ。

悲しい最期と、今も世界中で愛され続ける理由

オルレアンを救ったジャンヌは、約束通り王太子シャルル7世を歴史ある「ランスの大聖堂」へと連れていき、立派な戴冠式(王様の冠をかぶる儀式)を開いて、彼を正式なフランス国王に即位させました。

村を出たときは誰も信じなかった「フランスを救う」という約束を、ジャンヌはわずか数か月で見事に果たしたのです。 フランス中の人々がジャンヌを「オルレアンの乙女」と呼び、熱狂的な歓声で称えました。

仲間たちの裏切りと、理不尽な「魔女裁判」

しかし、ここからジャンヌの運命は悲しい方向へと進んでしまいます。

正式な王様になったシャルル7世や周りの貴族たちは、国民から圧倒的な人気を集めるジャンヌに嫉妬し、煙たがるようになりました。 「もうジャンヌの役目は終わった」「これ以上活躍されたら、王様より人気者になってしまって困る」と考えたのです。

1430年、次の戦い(コンピエーニュの戦い)で、ジャンヌは敵の罠にはまって捕虜(つかまりもの)になってしまいました。 身代金を払えば助け出せる状況だったにもかかわらず、ジャンヌのおかげで王様になれたはずのシャルル7世は、彼女を見捨てて一銭もお金を払いませんでした。

ジャンヌは敵のイギリス軍に引き渡され、「魔女裁判」にかけられてしまいます。 イギリス軍は、自分たちを打ち負かしたジャンヌを「神様に選ばれた聖女」と認めたくありませんでした。「あいつは悪魔の力を使った魔女だ」と決めつけ、なんとか死刑にしようと意地悪な質問を連発してジャンヌを罠にはめようとしたのです。

しかし、裁判の記録を読むと驚かされます。文字も読めない19歳の少女だったジャンヌは、学者や裁判官たちの悪意に満ちた質問に対しても、誰よりも賢く、堂々と胸を張って答え続けました。

それでも、最初からジャンヌを処刑する気だった裁判官たちによって、有罪の判決が下されてしまいます。 1431年5月30日、ジャンヌ・ダルクはルーアンの広場で火あぶりの刑に処され、わずか19歳という若さでその短い生涯を閉じました。息を引き取る最期まで、ジャンヌは空を見上げ、神様への祈りを捧げ続けていたといいます。

25年後の名誉回復と、永遠に輝くシンボル

ジャンヌが亡くなったとき、広場で見守っていたイギリスの兵士の一人は、涙を流しながらこう叫んだと伝えられています。 「ああ、私たちはなんということをしてしまったんだ。私たちは聖女を焼き殺してしまった……!」

ジャンヌの死から25年後、改めて正しい裁判が開かれ、ジャンヌ・ダルクの無実と潔白が正式に証明されました。 そしてジャンヌが残した勇気を受け継いだフランス軍は、ついに百年戦争に完全勝利し、祖国の平和を取り戻したのです。

現在、ジャンヌ・ダルクはフランスを守る「守護聖人」として大切に祀られ、フランスだけでなく世界中の本や映画、アニメなどで愛され続けています。

ジャンヌが愛されるのは、彼女が戦争で勝ったからだけではありません。 自分の名誉やお金のためではなく、「苦しんでいる人々を救いたい」という純粋な思いのために命を燃やし、どんなに強大な困難の前でも決してあきらめなかったその美しい生き方が、600年経った今も世界中の人々の心を打つからです。

はると
はると
ジャンヌのおかげで王様になれたのに、見捨てるなんてひどすぎるよな……。でも、最後まで堂々と自分の信念を貫いたジャンヌは、誰よりも強くてかっこいいヒーローだよな!
ひまり
ひまり
ええ、19歳というあまりにも短い人生だったけれど、彼女の残した「信じる心と勇気」の光は、決して消えることはないのね。最後に無実が証明されて本当によかったわ。
ジャンヌ・ダルクの騎馬像
▲ ジャンヌ・ダルクの騎馬像(出典: Wikimedia Commons)

まとめ:信じる心が奇跡を起こす!ジャンヌの教え

今回は、15歳で立ち上がり、ピンチのフランスを救った英雄「ジャンヌ・ダルク」の生涯を見てきました。 普通の農家の娘だった彼女が起こした奇跡から、私たちはたくさんの大切なことを学ぶことができます。

📝 今日のまとめノート
1 普通の少女が起こした大逆転!
文字の読み書きもできない農家の娘だったジャンヌが、強い信念と勇気で国を救うリーダーになった!
2 武器ではなく「希望の旗」で勝った!
人を傷つけるのではなく、白い旗を高く掲げて先頭を走る姿が、あきらめかけていた大人たちの心を動かした!
3 どんな困難にもくじけない強い心!
周りに笑われても、怪我をしても、理不尽な裁判にかけられても、信じた道を最後まで堂々と歩み続けた!
🖍️ ✏️

「自分には無理かもしれない」「もうあきらめようかな」と思ってしまうことって、学校の勉強やスポーツでもたくさんありますよね。 でも、そんなときはぜひジャンヌ・ダルクのことを思い出してみてください。

大切なのは、生まれつきの才能や特別な力ではなく、「誰かのために役に立ちたい」「絶対にあきらめない」という強い心です。その心が、あなたの中にある大きな力を呼び覚ましてくれるはずですよ!

はると
はると
よし、俺も今日のサッカーの試合、たとえ相手が強くても絶対に最後まであきらめずに走り抜くぞ!ジャンヌの白い旗みたいに、みんなを元気づけるプレーをするぜ!
ひまり
ひまり
ふふ、その意気よ、はると!困難なときこそ前を向く勇気を忘れずに、お互いに頑張りましょうね。
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