小学生でもわかる!「インフレ」

インフレ

はじめに

「あれ? 前は100円で買えた大好きなアイスやお菓子が、120円や150円に値上がりしてる……?」 「前なら100円玉ひとつを握りしめていけば買えたのに、今はお小遣いから20円も多く出さないと買えないや……」

駄菓子屋さんやスーパー、自動販売機でジュースを買おうとしたときに、こんな経験をしたことはありませんか?

実は今、お菓子やジュースだけでなく、ファーストフードのハンバーガーやノート、テーマパークのチケットまで、身の回りのいろいろなモノの値段が上がっています。 テレビのニュースを見ると、アナウンサーの人が「インフレが続いています」なんて難しそうな顔で言っていますよね。

「インフレって言葉は聞いたことあるけど、要するにモノが高くなったってことでしょ?」 そう思ったあなた、実はそれだけではないのです!

インフレの本当の正体は、「モノの値段が上がること」であると同時に、「実はお金が持っているパワーが弱くなっていること」でもあります。 「えっ!? 100円玉は100円玉のままで、形も数字も変わっていないのに、パワーが弱くなるってどういうこと!?」と不思議に思いますよね。

お金のパワーが弱くなるとはどういう意味なのでしょうか? そして、どうしてモノの値段は上がってしまうのでしょうか?

今回は、モノとお金の不思議なシーソー関係から、インフレが起きる2つの大きな理由、そして私たちの生活にとって良いことなのか悪いことなのかまで、小学生のみんなにわかりやすく楽しく解説していきます!

はると
はると
俺、こないだ駄菓子屋でいつものアイスを買おうとしたら、100円じゃ足りなくて焦ったんだよな!サッカーの新しいボールも前より高くなってたし、モノの値段が上がるのって本当に困るよ!
ひまり
ひまり
ふふ、お財布を開けて足りないとびっくりしちゃうわよね。でも、ただ「値段が上がった」だけじゃなくて、「お金のパワーが弱くなった」っていうのがすごく気になるわ。一緒にインフレのひみつを探ってみましょう!

「インフレ」ってなに? モノとお金のシーソー関係

「インフレ」という言葉は、正しくは「インフレーション(Inflation)」という英語を短くしたものです。 この言葉には、「ふくらむ」「ふくらませる」という意味があります。 風船に空気を入れると、プクーッと丸く大きくふくらみますよね。 それと同じように、「世の中にあるモノの値段が、風船のように全体的にふくらんで高くなっていくこと」をインフレと呼ぶのです。

でも、ここですごく大事なポイントがあります。 それは、「モノの値段が上がる」ということは、裏を返せば「お金の価値(お買い物をするパワー)が下がる」ということだという点です。

「モノ」とお金は、まるで公園のシーソーに乗っているような関係になっています。

たとえば、大好きなリンゴを思い浮かべてみましょう。 昔は、リンゴ1個が「100円」で買えたとします。このとき、あなたの持っている100円玉には「リンゴ1個と交換できるパワー」がありました。 ところが、インフレが起きてリンゴ1個が「200円」に値上がりしてしまったとします。

するとどうなるでしょうか? 今まで持っていた100円玉1枚では、もうリンゴをまるまる1個買うことはできません。半分しか買えなくなってしまいますよね。 リンゴ1個を手に入れるためには、100円玉を「2枚」出さなければならなくなりました。

100円玉そのものは、金属のままでピカピカしていて何も変わっていません。 でも、100円玉が買えるモノの量が半分に減ってしまったということは、「100円玉の持っていたお買い物パワーが半分に弱くなってしまった」ということなのです。

モノの値段が高くなると(シーソーの片方が上がると)、お金の価値は下がってしまう(もう片方が下がる)。 これが、インフレの本当の姿なのです!

モノとお金の力くらべ
モノの値段
食べ物やおもちゃの値段がどんどん高くなる!
今までと同じモノを買うのに、より多くのお小遣いが必要になる!
お金の価値
お金が持っている「お買い物パワー」が弱くなる!
同じ100円玉を出しても、買えるモノの量が減ってしまう!
はると
はると
うわあ、モノとお金がシーソーに乗ってるって考えるとすごく分かりやすいな!100円玉の姿は変わってないのに、買えるモノが減るから「お金のパワーが落ちた」ってことか!
ひまり
ひまり
そうね。お金そのものの数が減ったわけじゃないのに、実質的に損した気分になっちゃうのは、お金の価値が下がっているからなのよね。
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なんでインフレが起きるの? 2つの大きな理由

「モノとお金の関係はわかったけれど、そもそもどうしてモノの値段が上がっちゃうの?」 「お店の人が、もっとお金持ちになりたくて勝手に値段を釣り上げているんじゃないの?」 そんなふうに疑問に思う人もいるかもしれません。

でも、お店の人がいじわるをして勝手に高くしているわけではありません。 世の中のモノの値段が決まるのにはちゃんとした経済の仕組みがあり、インフレが起きるのには大きく分けて「2つの理由」があります。

理由①:「欲しい!」という人が多すぎるとき(需要の増加)

1つ目の理由は、そのモノを「欲しい!」と思う人がたくさん集まったときです。

たとえば、サッカーの超有名選手が履いている「世界で100足だけの限定スパイク」や、大人気の新作ゲームソフトを想像してみてください。 お店には10個しか商品がないのに、買いたい人が100人集まったらどうなるでしょうか?

「1万円でも買います!」「いや、俺は2万円出すから売ってくれ!」というふうに、どうしても手に入れたい人たちが競争を始めますよね。 そうすると、モノの値段は自然と高くなっていきます。

これと同じことが、国全体で起きることがあります。 みんなの生活が豊かになって、「新しい服を買いたい!」「旅行に行きたい!」「おいしいものを食べたい!」とたくさんの人が活発にお金を使うようになると、お店のモノが飛ぶように売れて品不足になり、値段が上がっていくのです。 これを専門用語で「ディマンド・プル・インフレ(需要が引っ張るインフレ)」と呼びます。

理由②:モノを作る費用が高くなったとき(費用の増加)

2つ目の理由は、モノを作ったり運んだりするためにかかる費用(コスト)が高くなったときです。

たとえば、パン屋さんの焼きたてメロンパンを考えてみましょう。 メロンパンを作るためには、小麦粉、バター、たまご、お砂糖などの「材料」が必要です。 さらに、オーブンでパンを焼くための「電気やガス」も使いますし、出来上がったパンや材料を運ぶトラックの「ガソリン代」もかかります。

もし、世界中で小麦が不作になって小麦粉の値段が2倍になったり、国際的な問題でガソリンの値段が跳ね上がったりしたらどうなるでしょうか? パン屋さんは、今までと同じ値段でメロンパンを売っていたら、材料代や電気代を払うだけで大赤字になり、お店をつぶすしかなくなってしまいますよね。

だから、お店を続けるためには、どうしてもメロンパンの値段を120円から150円に値上げせざるを得ないのです。 これを専門用語で「コスト・プッシュ・インフレ(費用が押し上げるインフレ)」と呼びます。 最近日本で起きている値上がりの多くは、この原材料やエネルギーの値段が高くなったことが大きな原因になっています。

Q. お店が勝手に値段を高くして大儲けしているんじゃないの?
A. お店の人も大ピンチなんだ!パンを作るための小麦粉や、お店の電気代、トラックのガソリン代が高くなっているから、値上げしないと赤字でお店が倒産しちゃうんだよ。
はると
はると
限定のサッカースパイクを取り合うみたいに人気がありすぎるときと、材料やガソリンが高くて仕方なく値上げするときの2パターンがあるんだな!お店の人も大変なんだ!
ひまり
ひまり
ええ。特に今は世界中で色々な材料やエネルギーの値段が上がっているから、普段私たちが食べているご飯やお菓子にも影響が出ているのよね。
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インフレは良いこと? 悪いこと? 生活への影響

「モノの値段が上がるなんて、お小遣いが減ったのと同じだし、絶対に悪いことなんじゃないの?」 そう思いますよね。毎日のお買い物のことだけを考えると、値上がりは嫌なことに感じられます。

ところが不思議なことに、ニュースを見ていると「国はゆるやかなインフレを目指しています」なんて言っていたりします。 実は、インフレには「良いインフレ」と「困ったインフレ」の2つの顔があるのです!

良いインフレ(世の中が元気になる好循環!)

良いインフレとは、理由①の「みんながモノを欲しがる」ことによって起きるインフレです。 このとき、世の中ではこんな素晴らしいバトンタッチが起きています。

  1. モノがよく売れる!:みんなが買い物をたくさんするから、お店や会社のモノがどんどん売れます。
  2. お父さんやお母さんのお給料が増える!:会社がたくさん儲かるから、そこで働く人たちの給料がアップします。
  3. さらに買い物が増える!:お給料が増えたから、家族で外食や旅行に行ったり、新しいモノを買ったりして、もっと活発にお金を使います。

このように、モノの値段が少しずつ上がっていくのと一緒に、働く人たちのお給料もぐんぐん上がっていけば、みんなが豊かになって街全体に活気が生まれます。 毎年2%くらいずつゆっくり値段が上がっていく状態は、経済が健康に育っているサインなのです。

困ったインフレ(お財布が大ピンチになる悪循環!)

一方で、困ったインフレとは、理由②のように「お給料は増えていないのに、材料費などが高くなってモノの値段だけが上がってしまう」状態です。

毎月もらえるお給料は変わらないのに、電気代や水道代、毎日のパンやお肉の値段だけがどんどん高くなったらどうなるでしょうか? 「今月は生活費が高すぎて、新しい服を買うのを我慢しよう」「お小遣いを少し減らさなきゃいけないね」ということになってしまいますよね。 みんなが買い物を我慢するようになると、お店のモノも売れなくなり、世の中の景気が悪くなってしまいます。

2つのインフレをくらべてみよう
いいインフレ(好循環)
モノが売れて会社の利益が増える!
働くお父さん・お母さんのお給料もアップ!
買い物がさらに増えて世の中が元気になる!
こまったインフレ(悪いインフレ)
お給料は増えないのに値段だけがどんどん上がる!
毎日のご飯や電気代の負担がずっしり重くなる!
欲しいモノを我慢してみんなのお財布が大ピンチ!

日本銀行がお金の量をコントロールしている!

インフレが激しすぎて困ったことにならないように、日本の「中央銀行」である日本銀行(日銀)という特別な銀行が、毎日経済を見守っています。

日本銀行は、世の中に出回るお金の量を調整したり、銀行からお金を借りるときの利息(金利)を上げ下げしたりして、経済のスピードを調節しています。 まるで車の運転手さんのように、景気が冷え込んでいるときはアクセルを踏み、インフレが激しくなりすぎたときはブレーキを踏んで、私たちが安心して暮らせるようにバランスを取ってくれているのです。

はると
はると
へえー!給料も一緒にアップするなら良いインフレだけど、値段だけ上がるのは困るよな!日本銀行が車のブレーキとアクセルみたいに調節してくれているなんて頼もしいぜ!
ひまり
ひまり
ふふ、まさに絶妙なコントロールが必要なのね。モノの値段とお給料のバランスがうまく保たれることが、私たちの平和な暮らしにとって一番大切なことなのね。
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まとめ

今回は、ニュースでよく耳にする「インフレ」の正体や原因について解説しました!

📝 今日のまとめノート
1 インフレはモノの値段が上がり、お金の価値(お買い物パワー)が下がること!
2 「みんなが欲しがる(需要)」か「作る費用が高くなる(コスト)」ことで起きる!
3 お給料も上がる「良いインフレ」と、値段だけ上がる「困ったインフレ」がある!
🖍️ ✏️

今まで何気なく見ていたスーパーやお菓子屋さんの値札も、「どうしてこの値段なのかな?」「今はお金のパワーがどうなっているのかな?」と考えてみると、世の中の大きな仕組みが見えてきて面白いですよね。

お買い物をするときやテレビのニュースを見るときは、ぜひ家族でも「インフレ」について話してみてくださいね!

はると
はると
今度サッカーショップに行ったときは、ボールの値段を見ながら「これは材料が高くなったのかな?」って考えてみるぞ!お金の仕組みが分かると買い物も面白くなるな!
ひまり
ひまり
ふふ、素晴らしい着眼点ね!身の回りのモノの値段の変化に興味を持つことが、経済を知る素敵な第1歩よ。これからも一緒に世の中のふしぎを学んでいきましょうね!
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