はじめに
みなさんは、ご飯を食べるときに「お腹がいっぱいだから」とか「嫌いな食べ物だから」といって、食べ物を残してしまうことはありませんか?
実は、日本や世界では、まだ食べられるはずの食べ物が毎日たくさん捨てられています。このように、まだ食べられるのに捨てられてしまう食べ物のことを「食品ロス(フードロス)」と呼びます。
「食べ物を残すのはもったいない」と頭では分かっていても、なぜそれが大きな問題になっているのか、そして私たちの生活や地球にどんな影響があるのか、詳しく知っている人は少ないかもしれません。
今回は、食品ロスとは何か、なぜ問題なのか、そして私たちにできることについて、一緒に考えていきましょう!

はると
今日の給食、ピーマンを残しちゃったぜ……!まあ、ちょっとくらい残しても平気だよな?

ひまり
だめよ、はると!それ、実は「食品ロス」っていう大きな問題につながっているのよ。

はると
えっ、食品ロス?何だか難しそうな言葉だな。俺が残したピーマンと何か関係あるのか?

ひまり
大ありよ!食べられるのに捨ててしまう食べ物のことを言うの。どれだけたくさんの食べ物が無駄になっているか、説明するわね。
食品ロスってなに?
食品ロスとは、先ほども紹介した通り「まだ安全に食べられるのに、捨てられてしまう食べ物」のことです。
例えば、以下のようなものが食品ロスにあたります。
- 家での食べ残し(ご飯を多く作りすぎて残してしまったもの)
- 賞味期限が切れて、一度も手をつけずに捨てられた食品
- 野菜の皮を厚くむきすぎて、食べられる部分まで捨ててしまうこと(過剰除去といいます)
- お店やレストランでのお客さんの食べ残し
- スーパーやコンビニで、売れ残って期限が切れてしまったお弁当やパン
- 食品工場で、形が少し崩れているという理由で売り物にならず、捨てられてしまうもの
日本の食品ロスの量は、年間で約470万トン(令和4年度推計値)もあります。この数字はとても大きくてイメージしにくいかもしれませんが、なんと「東京ドーム約4個分」の重さに匹敵します。
これを日本の人口で割って、私たち1人あたりに換算してみましょう。すると、日本人1人が毎日「おにぎり1個分(約103グラム)」の食べ物をゴミ箱に捨てているのと同じ計算になります。
「おにぎり1個分くらいなら大したことない」と思うかもしれませんが、日本中のみんなが毎日おにぎりを1個ずつ捨てていると考えると、ものすごい量になりますよね。
日本には昔から「もったいない」という素晴らしい言葉があります。食べ物を作ってくれた農家の人や、料理をしてくれた人への感謝、そして食べ物そのものの命を大切にする心が、この「もったいない」という言葉には込められています。食品ロスは、そのもったいないの心に反する、とても残念なことなのです。

はると
ええっ!?毎日おにぎり1個分も捨ててるのか?俺はそんなに捨ててないぜ!

ひまり
自分では捨てていないつもりでも、買いすぎて冷蔵庫の中で腐らせちゃったり、給食やお家のご飯を残したりしていると、それが積もり積もって大きな量になるのよ。
なぜ食品ロスが問題なの?
では、なぜ食品ロスがこんなに大きな問題として取り上げられているのでしょうか?理由は大きく分けて二つあります。地球の環境問題と、世界の食料問題です。
1.地球の環境を破壊してしまう
一つ目の理由は、地球の環境にとても悪い影響を与えるからです。
捨てられた食べ物はごみとして回収され、ごみ処理場で燃やされます。水分を多く含んだ食べ物を燃やすには、たくさんのエネルギーが必要です。そして、ごみを燃やすときには、地球温暖化の原因となる「温室効果ガス(二酸化炭素など)」が大量に発生します。食品ロスが増えれば増えるほど、地球温暖化が進んでしまい、異常気象などの原因になってしまうのです。
さらに、食べ物を作るためには、たくさんの水や土地、そして育てるためのエネルギーが使われています。例えば、お米一粒を作るのにも、農家の方が毎日お世話をし、たくさんの水を使って育てています。食べ物を捨てるということは、それを育てるために使った大切な水やエネルギー、そして人々の労働力もすべて一緒にゴミ箱に捨ててしまっているのと同じなのです。
2.世界の食料問題と矛盾している
二つ目の理由は、世界には食べ物がなくて困っている人がたくさんいる一方で、豊かな国では大量に捨てられているという不公平な現実があるからです。
世界には、戦争や貧困、気候変動などが原因で、毎日お腹いっぱいに食べることができず、栄養不足で苦しんでいる人が約7億人以上もいます。
世界中の国々や団体は、これらの人々を救うために食料を届ける支援(食料援助)を行っています。その支援のために世界中で送られている食料の量は、年間で約480万トンです。
ここで、先ほどの日本の食品ロスの量を思い出してください。日本の食品ロスは年間約470万トンでした。つまり、日本一国だけで、世界中で行われている食料支援の量とほぼ同じくらいの食べ物を捨ててしまっているのです。これはおかしなことだと思いませんか?

はると
そっか……食べ物を捨てるだけで、地球が温かくなる地球温暖化が進んじゃうんだな。それに、食べられなくて困っている人がいるのに捨てるのは、本当に申し訳ないぜ。

ひまり
そうなの。私たちが何気なく捨てている食べ物が、間接的に地球の環境を壊したり、世界の不平等を助長したりしているのよ。だからこそ、みんなで食品ロスを減らすアクションを起こさないといけないの。
食品ロスを減らすために私たちができること
食品ロスという大きな問題を解決するために、私たち小学生にも今すぐできる簡単な工夫がたくさんあります。日々の生活の中で、以下の3つの工夫を意識してみましょう。
1.買い物のときの工夫
買い物は、食品ロスを減らす最初のチャンスです。
- 買い物前に冷蔵庫をチェックする:お家の人と一緒に買い物に行くときは、事前に冷蔵庫の中に何があるかを確認しましょう。すでに家にあるものをまた買ってしまい、使わずに期限が切れるのを防ぐためです。
- 「てまえどり」をする:スーパーやコンビニで買い物をする際、棚の手前にある商品から取るようにしましょう。棚の奥には賞味期限が長いものが置かれ、手前には期限が近いものが置かれています。すぐに食べるものであれば、手前の期限が近いものを買うことで、お店での売れ残りと廃棄を減らすことができます。
2.保存や使い方の工夫
買った食べ物を無駄なく使うための工夫です。
- 「賞味期限」と「消費期限」の違いを知る:
- 賞味期限:「おいしく食べられる期限」です。この期限を過ぎても、すぐに食べられなくなるわけではありません。見た目やにおいを確認して、大丈夫そうなら食べることができます。
- 消費期限:「安全に食べられる期限」です。ケーキや生の肉、お弁当など傷みやすい食品に書かれており、この期限を過ぎたら食べないほうが安全です。
賞味期限が少し過ぎたからといって、すぐに捨ててしまうのはもったいないですね。
- 冷蔵庫の中を整理する:冷蔵庫の中が散らかっていると、奥の方にある食べ物の存在を忘れてしまいがちです。何がどこにあるか見えやすいように整理整頓しましょう。
3.食べるときの工夫
一番身近で、毎日の食事でできることです。
- 自分の食べられる量だけお皿に盛る:最初からたくさん盛りすぎず、自分が食べきれる量を考えて取り分けましょう。足りなければ、後でおかわりをすれば良いのです。
- 好き嫌いを少しずつ減らす:苦手な食べ物があっても、最初から全く食べないのではなく、一口だけでも挑戦してみるなどして、残す量を減らす努力をしてみましょう。
- 給食を残さず食べる:学校の給食も、毎日たくさんの人が関わって作られています。みんなで残さず食べることで、学校から出る食品ロスを大きく減らすことができます。

はると
なるほど!スーパーで手前から取る「てまえどり」なら、俺にも今すぐできそうだぜ!あと、これからは給食も残さず食べるように頑張るぞ!

ひまり
えらいわ、はると!一人ひとりの小さな工夫が集まれば、すごく大きな力になるのよ。お家の人とも一緒に話し合って、家族みんなで取り組めるともっと素敵ね。
まとめ
食品ロスは、世界や地球全体に関わる大きな問題ですが、その原因を作っているのも、解決する鍵を握っているのも、私たち1人ひとりの毎日の行動です。
スーパーでの「てまえどり」、お皿に残さず食べる、賞味期限の意味を正しく理解する。どれも小さなことのように見えますが、みんなが少しずつ意識を変えるだけで、日本全体の食品ロスを大きく減らすことができます。
命ある食べ物をいただくことに感謝し、「もったいない」の気持ちを大切にしながら、今日のご飯から自分にできることを始めてみませんか?

はると
今日は食品ロスのことがよくわかったぜ!ピーマンも、これからは残さずに食べるようにするぞ。お腹いっぱい健康に食べるのが一番の対策だな!

ひまり
ふふ、食べすぎには注意だけど、残さずきれいに食べることは本当に大切ね。みんなで「もったいない」を減らして、地球に優しい暮らしを目指しましょう!
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