小学生でもわかる!「ボーカロイド」

ボーカロイド

はじめに

YouTubeやTikTok、音楽ゲームの『プロジェクトセカイ(プロセカ)』などで、「ボカロ曲」を耳にしたことがある人はとても多いのではないでしょうか。

テンポが速くてカッコいいメロディや、早口でリズムに乗る歌声は、聴いているだけでワクワクしてテンションが上がりますよね。

でも、このボカロ曲を歌っているシンガーについて、不思議に思ったことはありませんか?

「この透き通るような歌声は、いったい誰が歌っているんだろう?」 「息継ぎもせずにこんなに速い歌詞を歌える人間なんているのかな?」

実は、ボーカロイド(ボカロ)の歌声は、生身の人間がマイクの前で歌ったものではありません。パソコンのソフトウェアが合成して作り出した歌声なのです!

パソコンにメロディと歌詞を入力するだけで、まるで本物の歌手のように歌ってくれる最先端のテクノロジー、それが「ボーカロイド」です。

今回は、ボーカロイドがどうやって歌声を届けているのか、その驚きの仕組みから世界中で大人気になった理由まで、わかりやすく解き明かしていきます!

はると
はると
ひまり、俺さ、サッカーの練習へ行くときによくボカロ曲を聴いてるんだ!テンポがよくてテンションが上がるよな!
ひまり
ひまり
ふふ、私も読書をするときによく聴いているわ。でも、あの素敵な歌声をパソコンが歌っているなんて、初めて知ったときは本当にびっくりしたわよね。

どうしてパソコンが歌えるの?ボーカロイドの仕組み

「パソコンが歌う」と聞くと、なんだか不思議な感じがしますよね。

ボーカロイド(VOCALOID)という名前は、英語の「ボーカル(Vocal=歌唱)」と「アンドロイド(Android=人型ロボット)」を組み合わせて作られました。日本の有名な楽器メーカーであるヤマハ(YAMAHA)が開発した技術です。

パソコンが人間の声そっくりに歌うことができる裏側には、とても緻密な技術が隠されています。

声を細かく切り分けた「声のジグソーパズル」

私たちが普段しゃべっている言葉は、細かく分解すると「母音(あ・い・う・え・お)」と「子音(k・s・tなど)」という小さな「音のパーツ」でできています。

ボーカロイドを作るときは、まず本物の人間の声優さんや歌手にお願いして、スタジオでたくさんの声を録音します。単に言葉をしゃべるだけでなく、音の高さを変えたり、音と音のつながりを変えたりしながら、何百通り、何千通りもの声のデータをマイクで収録するのです。

そして、その録音した声をコンピュータで細かく切り分けて、「声のかけら」としてパソコンの中に大切に保存します。

たとえるなら、「声のジグソーパズルのピース」を箱の中にぎっしり集めておくようなものです。

パソコンに音符と文字を打ち込むだけで歌い出す

実際にボーカロイドを使って曲を作るときは、パソコンの専用ソフトを開きます。

画面にはピアノの鍵盤が縦に並び、横に向かって時間が流れるマス目(ピアノロール)が広がっています。

  1. メロディを並べる:マウスを使って、マス目の上に「ド・レ・ミ」と音符のブロックを置いていきます。ブロックを長く置けば伸ばす音になり、短く置けば跳ねるような短い音になります。
  2. 歌詞を入力する:置いた音符のブロックひとつひとつに、「あ・り・が・と・う」とひらがなやアルファベットで歌詞を打ち込みます。
  3. コンピュータが歌声を組み立てる:再生ボタンを押すと、コンピュータが箱の中から必要な「声のピース」を一瞬で見つけ出し、音の高さや長さにぴったり合わせてつなぎ合わせます。

さらにすごいのは、音と音の境目をコンピュータが自動でなめらかに調整してくれることです。「あ」から「い」へ移るとき、カクカクした不自然な音にならないよう、前後の音を自然に溶け込ませて歌ってくれます。

STEP 1 人間の声を録音して「声のかけら」を作る
声優さんの声をスタジオで細かく録音し、コンピュータでバラバラに分解して「声のジグソーパズル」のピースを用意します。
STEP 2 パソコンにメロディと歌詞を打ち込む
曲を作る人が、パソコンの画面上でピアノの鍵盤に合わせて音符を並べ、歌わせたい歌詞を文字で入力します。
STEP 3 コンピュータが一瞬で声をつなぎ合わせる
コンピュータが指定された音の高さに合わせて声のピースを並べ、つなぎ目を滑らかに整えてきれいな歌声として響かせます!
はると
はると
すげー!声のかけらをジグソーパズルみたいにつなぎ合わせているのか!まるで味方にぴったりパスを繋いでゴールを決めるサッカーの連係プレーみたいだな!
ひまり
ひまり
ふふ、パスワークにたとえるのがはるとらしいわね。でも、人間の声の波形を細かく分析して滑らかにつなげるなんて、本当にすごい技術よね。
パソコンで歌声を作り出す仕組み

初音ミクと仲間たち!個性豊かなバーチャルシンガー

ボーカロイドの歴史を大きく塗り替えた大スターといえば、やっぱり「初音ミク」です。

初音ミクは、2007年にクリプトン・フューチャー・メディアという会社から発売されたボーカロイドソフトウェアです。

世界を魅了したエメラルドグリーンの歌姫

初音ミクの声は、声優の藤田咲さんの爽やかでかわいらしい声をもとに作られました。

それまでの音声合成ソフトは「パソコンの道具」というイメージが強かったのですが、初音ミクのパッケージには、エメラルドグリーンの長いツインテールにサイバーな衣装を身にまとった少女のイラストが描かれていました。

「16歳の女の子のバーチャルシンガー」という魅力的なビジュアルがついたことで、人々は単なるソフトウェアとしてではなく、「新しい時代の歌姫」として親しみと愛情を持つようになったのです。

現在では、日本国内だけでなく世界中で3Dホログラムを使った大迫力の単独コンサートが開催され、世界中のファンを熱狂させています。

声の個性いろいろ!たくさんの仲間たち

初音ミクの登場をきっかけに、個性豊かなバーチャルシンガーたちが次々と誕生しました。

  • 鏡音リン・鏡音レン:黄色いリボンが特徴の少女「リン」と少年「レン」のペア。力強く元気いっぱいのハイトーンボイスが得意です。
  • 巡音ルカ:ピンク色の長い髪が印象的。少し大人っぽく落ち着いた歌声で、英語の曲も美しく歌いこなします。
  • KAITO(かいと):青いマフラーがトレードマークの男性シンガー。爽やかで温かみのある歌声が魅力です。
  • MEIKO(めいこ):赤い衣装の女性シンガー。芯のあるパワフルで情熱的な歌声を響かせます。

それぞれ得意な音の高さや声の質が異なるため、曲を作る人は「このロックな曲はリンに歌ってもらおう」「この切ないバラードはルカに歌わせよう」と、曲のイメージに合わせて自由にシンガーを選ぶことができます。

Q. 人間が歌うのとボーカロイドが歌うのは何がちがうの?
A. 人間は息継ぎが必要だし出せる声の高さに限界があるけれど、ボーカロイドはどんなに高い音や超早口の歌詞でも息切れせずに完璧な音程で歌い続けられるんだよ!
はると
はると
初音ミクの歌って、人間だと息が続かないような超早口の曲も多いよな!ゲームでプレイしてても指が追いつかないくらい激しくてカッコいいよな!
ひまり
ひまり
そうよね。人間には出せない高い音やスピード感のあるリズムも、ミクたちなら軽やかに歌いこなせるのがボーカロイドならではの魅力なのよ。
初音ミク

なぜ世界中で大人気?誰でも作曲家になれる時代

ボーカロイドがこれほど世界中で愛されている理由は、技術のすごさだけではありません。「音楽の作り方と届け方」を大きく変えたことにあります。

自分の部屋から世界へ!「ボカロP」の誕生

昔は、自分でオリジナルの曲を作っても、それをたくさんの人に聴いてもらうのはとても難しいことでした。プロの歌手にお願いしたり、レコーディングスタジオを予約したり、レコード会社に認めてもらわなければ、自分の曲を世の中に出すことができなかったからです。

しかし、ボーカロイドの登場によって状況が一変しました。

自分の部屋にあるパソコン1台で、自分で作曲したメロディを初音ミクに歌ってもらい、完成した曲をYouTubeやニコニコ動画などの動画サイトに投稿できるようになったのです。

ボーカロイドを使って曲を生み出す音楽制作者たちは、親しみを込めて「ボカロP(プロデューサー)」と呼ばれるようになりました。プロの音楽家でなくても、小学生や中学生、大学生や会社員まで、誰もが自分の部屋から世界中のリスナーに向けて歌を届けることができる時代がやってきたのです。

イラストや動画と一緒に広がる「共創」の文化

ボカロ文化のもうひとつの素晴らしい特徴は、「みんなで作る(共創)」という輪が広がったことです。

  1. ボカロPが素敵な曲をインターネットに投稿する
  2. その曲を聴いて感動したイラストレーターが、曲のイメージにぴったりの絵を描く
  3. 動画を作るクリエイターが、絵と曲を組み合わせてミュージックビデオを作る
  4. 歌が好きな人が、自分の声で「歌ってみた」を投稿したり、ダンサーが「踊ってみた」を投稿する

このように、ひとつの曲から次々と新しい作品が生まれ、インターネット上でバトンが渡されるようにして作品が大きくなっていきます。ひとつの曲をみんなで一緒に盛り上げる温かい文化が、世界中のファンを夢中にさせました。

有名アーティストもボカロから羽ばたいた!

いまテレビや音楽フェスで大活躍している超有名アーティストの中にも、ボカロPとして活動をスタートした人たちがたくさんいます。

  • 米津玄師さん:かつて「ハチ」という名義で『マトリョシカ』や『砂の惑星』など伝説的なボカロ曲を数多く生み出しました。
  • Ayase(あやせ)さん(YOASOBI):大ヒット曲を連発するYOASOBIのコンポーザーであるAyaseさんも、もともと大人気のボカロPとして活動していました。

ボーカロイドは、名もないクリエイターたちが才能を開花させ、世界へ羽ばたくための大きなきっかけになったのです。

はると
はると
米津玄師さんもYOASOBIのAyaseさんも、元々は自分の部屋でボカロ曲を作っていたのか!俺も勉強や宿題が終わったら、パソコンで曲作りにチャレンジしてみようかな!
ひまり
ひまり
あら、とっても素敵な挑戦ね!でも『宿題が終わったら』って言った約束、絶対に忘れないでね?
自分の部屋から世界へ音楽を届ける子ども

まとめ

パソコンが歌う驚きのテクノロジー「ボーカロイド」について見てきました。

📝 今日のまとめノート
1 ボーカロイドはパソコンに音符と歌詞を入力して歌わせる音声合成ソフト!
2 声優さんの「声のかけら」をきれいに並べてつなぎ合わせることで歌声を再現している!
3 初音ミクをはじめとする魅力的なキャラクターが登場し、世界中で大人気になった!
4 楽器が弾けない人でも自分の部屋から自由に曲を作って世界中に発表できるようになった!
🖍️ ✏️

ボーカロイドは、ただの便利なコンピュータソフトではありません。

「こんな歌を作ってみたい!」「自分の思いを音楽で届けたい!」という、世界中の人々の純粋な情熱と創造力をカタチにしてくれるパートナーです。

次にボカロ曲を聴くときは、パソコンの中で一生懸命歌声を紡いでいるバーチャルシンガーたちと、その曲に心を込めたクリエイターの工夫に耳をすませてみてくださいね!

はると
はると
ボーカロイドって、ただのソフトじゃなくて、みんなの「音楽を作りたい!」って夢を叶えてくれるすごい相棒なんだな!
ひまり
ひまり
ええ。初音ミクたちのおかげで、音楽の楽しみ方が無限に広がったわね。これからもどんな素敵な名曲が生まれるか楽しみね!
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