はじめに
身近にいる犬や猫、鳥たち、そして動物園で人気のパンダやゾウ。もしもそうした動物たちが、地球上から1匹もいなくなってしまったらどうなるでしょうか?
大昔に生きていた恐竜のように、今まさに地球上から姿を消してしまいそうな生き物たちのことを「絶滅危惧種」と呼びます。
なぜ生き物たちの数が減ってしまっているのでしょうか?どんな動物たちが危険な状態にあるのでしょうか?そして、生き物たちを守るために小学生の私たちにできることは何でしょうか?一緒に学んでいきましょう!
絶滅危惧種って、テレビのニュースや図鑑ですっごくよく聞く言葉だぜ!動物園の人気者たちもいなくなっちゃうかもしれないのか!?恐竜みたいに二度と会えなくなったら絶対に嫌だぞ!
そうよね。絶滅というのは、地球上からその生き物が完全にいなくなってしまうことなのよ。今、世界中でたくさんの生き物たちが危機を迎えている理由を一緒に確かめてみましょう!
絶滅危惧種ってどんな生き物?
「絶滅」とは、ある種類の生き物が地球上から1匹残らず消えてしまい、二度と会えなくなってしまうことです。一度絶滅してしまった生き物は、どんなに科学技術が進んでも二度と元に戻すことはできません。
そして「絶滅危惧種」とは、このまま何もしないでいると、近い将来に絶滅してしまう危険が高い野生の生き物(動物や植物など)のことです。
世界中の専門家が集る国際自然保護連合(IUCN)や、日本の環境省は、野生の生き物がどれくらい危険な状態にあるかを調査して「レッドリスト」という一覧表にまとめています。
どれくらい危険?レッドリストのランク分け
もっとも危険
絶滅寸前(絶滅危惧IA類)
ごく近い将来に野生から完全にいなくなってしまう危険性が極めて高い状態です。イリオモテヤマネコなどがここに分類されます。
非常に危険
絶滅危機(絶滅危惧IB類)
絶滅寸前ほどではないものの、近い将来に野生での絶滅の危険性が高い状態です。タンチョウやライチョウなどが含まれます。
注意が必要
危急(絶滅危惧II類)
絶滅の危険が増大している状態です。環境の変化によってさらに数が減ってしまう恐れがあります。
一度いなくなったら二度と戻らないなんて、すげー怖い話だぜ……。でも、どれくらい危ないのかを段階ごとにしっかり調べておくのは大事だな!
ふふ、その通りよ。きちんと調査することで、どの生き物を優先して守るべきかがわかるのよね。それじゃあ、どうしてこんなに生き物が減ってしまったのか、原因を詳しく見てみましょう!
生き物が減る4つの大きな原因
大昔の恐竜は巨大な隕石の衝突などの大自然の変動によって絶滅したと考えられています。しかし、現在の地球で生き物が急激に減っている最大の理由は、人間による活動です。
主な原因は4つあります。
生き物たちを追いつめる4つの大きな原因
原因 1
住みかがなくなる(森林伐採や開発)
人間が家や道路、畑や工場を作るために、森の木を切り倒したり、川や海を埋め立てたりしました。その結果、動物たちが暮らす場所やエサを食べる場所が失われてしまいました。
原因 2
地球環境の変化(温暖化やゴミ問題)
地球温暖化によって北極の氷が溶けたり、山の上の気温が上がったりして、涼しい場所でしか生きられない生物が追い詰められています。また、海に流れたプラスチックゴミを魚や鳥が誤って飲み込んでしまう事故も多発しています。
原因 3
捕まえすぎ(乱獲や密猟)
美しい毛皮や立派な牙、珍しいペットとして高値で売るために、法律で禁止されているにもかかわらず生き物を無理に捕まえてしまう「乱獲」や「密猟」が後を絶ちません。
原因 4
外来種の影響(持ち込まれた生き物)
人間が別の地域や外国から連れてきた生き物(外来種)が野生化し、もともとそこに住んでいた日本の生き物のエサを奪ったり、直接食べ尽くしてしまったりしています。
森を切り開いたりゴミを海に流したり、人間が原因を作っていることが多いんだな……。生き物たちにとってはすげー大迷惑だぜ!
本当にそうよね。自然界のバランスはとっても繊細だから、人間が少し手を加えるだけでも、生き物たちにとっては命に関わる大きな変化になってしまうのよ。
日本の絶滅危惧種を見てみよう!
日本は海や山、森などの豊かな自然に恵まれており、日本にしかいない貴重な生き物もたくさん暮らしています。しかし、環境の変化などにより、多くの生き物が絶滅の危機に直面しています。
代表的な日本の絶滅危惧種と、守るための取り組みを紹介します。
トキ:一度は野生から消えた美しい鳥
白と薄いピンク色の羽が美しいトキは、かつては日本中の田ぼや森で見られる鳥でした。しかし、乱獲や農薬の使用によってエサとなるドジョウやカエルが減り、2003年に日本生まれの最後の1羽が亡くなって、日本の野生のトキは完全に絶滅してしまいました。
その後、中国から譲り受けたトキを人工的に繁殖させ、新潟県の佐渡島で自然に放す「野生復帰」のプロジェクトが進められました。島の人たちが農薬を減らした安心な田ぼ作りを続けた結果、現在では佐渡島の空を数百羽のトキが元気に飛んでいます。
野生復帰が進む美しいトキ
イリオモテヤマネコ:西表島だけにすむ貴重な猫
沖縄県の西表島だけに暮らしている特別なヤマネコです。世界中でこの島にしかおらず、生息数は約100頭ほどしかいません。
森の開発で住みかが狭くなっているほか、道路を渡るときに車にひかれてしまう「交通事故(ロードキル)」が大きな脅威となっています。現在、道路の下に動物専用のトンネルを作ったり、ドライバーにスピードを落としてもらう看板を立てたりして、島全体で保護活動が行われています。
西表島だけにすむ貴重なイリオモテヤマネコ
タンチョウ:雪の湿原で大切に守られるツル
頭のてっぺんが赤く、白と黒のコントラストが美しい大型のツルです。北海道の釧路湿原などに生息しています。
明治時代に乱獲などによって数が激減し、一時は完全に絶滅したと考えられていました。しかし、大正時代に釧路湿原で十数羽が奇跡的に再発見されました。地元の人たちが冬の厳しい時期にトウモロコシなどのエサを与える給餌活動を続け、湿原の自然を守ってきた結果、今では1500羽以上まで回復しています。
北海道の湿原で大切に守られているタンチョウ
ライチョウ:高い山の上で暮らす特別な鳥
本州中部の標高が高い山(高山帯)に暮らす鳥です。寒さに強く、季節に合わせて羽の色を夏は茶色、冬は雪と同じ真っ白へと生え変わらせることで、外敵から身を隠しながら暮らしています。
しかし、地球温暖化によって山の上の気温が上昇し、高山植物が減ってしまったり、本来は低い場所にいるはずのキツネやカラスが山の上に登ってきてヒナを襲ったりするようになり、数が減少しています。動物園での人工飼育や、生息地での保護フェンスの設置などの対策が進められています。
高い山の上で暮らすライチョウ
トキやタンチョウみたいに、みんなで諦めずにお世話を続けたことで数が増えた動物もいるんだな!イリオモテヤマネコも車に気をつけて、絶対に守ってあげてほしいぜ!
ええ。でも一度減ってしまった生き物を元に戻すには、何十年もの長い時間とたくさんの人の協力が必要なのよ。だからこそ、数が減ってしまう前に守ることが何より大切なのよね。
世界で数が減っている動物たち
世界中を見渡すと、私たちが大好きな動物園の人気者たちも、野生の世界では厳しい現実に直面しています。
ジャイアントパンダ:森をつないで少しずつ回復中
中国の山奥にある竹林に暮らすジャイアントパンダは、主食である竹を1日に何十キロも食べます。しかし、森林の伐採によって竹林がバラバラに分断され、エサが足りなくなったり、遠くの仲間と出会えなくなったりして数が減ってしまいました。
中国政府や世界中の研究者が協力して、分断された森をつなぐ「緑の回廊」を作ったり、保護区を広げたりした結果、野生のパンダの数は1800頭以上にまで増加しました。レッドリストの危機レベルも「絶滅寸前」から一段階引き下げられるという嬉しい成果を上げています。
保護活動で赤ちゃんも増えているジャイアントパンダ
アムールトラ:世界最大のトラが直面する危機
ロシアや中国の寒い森林に生息する、トラの中で最も大きな種類です。雪の中でも獲物を追える力強い体をしています。
しかし、木材を取るための大規模な森林伐採や、美しい毛皮・骨を目的とした違法な密猟によって、一時は野生の数がわずか数十頭にまで減ってしまいました。現在では国際的な密猟監視パトロールや保護区の設置によって数百頭まで回復してきましたが、依然として危険な状態が続いています。
世界最大のトラであるアムールトラ
アフリカゾウ:牙をねらう密猟と環境破壊
アフリカのサバンナや森林に暮らす陸上で最も大きな動物です。アフリカゾウは立派な牙(象牙)を持っていますが、この象牙を高値で売買しようとする人間による密猟が大きな問題となってきました。
世界中で象牙の売り買いを禁止する国際条約が結ばれ、現地のレンジャーによる監視活動が強化されていますが、今でも年間多くのゾウが命を奪われています。また、人間が住むエリアが広がったことで、ゾウと人間が争う事故も増えています。
密猟から守る取り組みが進むアフリカゾウ
トラやゾウが毛皮や牙のために命を奪われているなんて、本当に許せないぜ……!世界中でパトロールして体を張って守っているレンジャーの人たち、すげーかっこいいな!
ええ、本当に頭が下がるわね。密猟された生き物の製品を絶対に買わないという国際的なルールも作られているのよ。世界中の人たちが手を取り合って立ち向かうべき問題なのよね。
私たちにできる身近なアクション
「絶滅危惧種を守るなんて、遠い国の話だし小学生の自分には関係ないかも」と思うかもしれません。でも、私たちの毎日の生活は、巡り巡って地球上の自然や生き物たちと深くつながっています。
今日からできる身近なアクションを始めてみましょう!
今日から小学生ができる4つのアクション
アクション 1
生き物のことを「知る・伝える」
どんな生き物がなぜ困っているのかを図鑑やニュースで調べ、家族や友達に話してみましょう。「知っている人」が増えることが、保護への第一歩になります。
アクション 2
ゴミを減らし、正しく分別する
プラスチックゴミが海や川に流れ出ないよう、マイバッグやマイボトルを使い、ポイ捨ては絶対にやめましょう。ゴミの分別をしっかり行うことも大切です。
アクション 3
電気や水を大切に使う(省エネ)
誰もいない部屋の電気をこまめに消したり、水を出しっぱなしにしないようにしましょう。省エネは地球温暖化を食い止め、生き物たちの環境を守ることにつながります。
アクション 4
飼っているペットを絶対に野外に放さない
飼カメや魚、昆虫などのペットは最後まで責任を持って飼いましょう。近くの川や池に逃がしてしまうと、もともと住んでいた日本の生き物を絶滅に追い込む原因になってしまいます。
ゴミを減らしたり部屋の電気をこまめに消したりすることなら、俺にも今日からバッチリできるぜ!飼っているペットを最後まで大切に育てるのも男の約束だな!
ふふ、頼もしいわね、はると!一人ひとりの小さな工夫や優しい思いやりが合わさることで、地球上の大切な命を守る大きな力になるのよ。
まとめ
📝 今日のまとめノート
・
絶滅危惧種とは、このまま何もしないと地球上から二度と会えなくなる危険がある生き物のこと
・
生き物が減る主な原因は、森林伐採や開発、地球温暖化、密猟や乱獲、外来種の影響など
・
日本のトキや世界のパンダのように、みんなで守る活動を続けることで回復した生き物もいる
・
ゴミ削減や省エネ、ペットを野外に放さないことなど、毎日の暮らしの中でできることがある
🖍️ ✏️
生き物たちがいなくなってから後悔したって遅いもんな!地球のすべての仲間が元気に暮らせるように、俺も今日からできることを全力でやってみるぜ!
素敵な意気込みね、はると!地球の未来を守るのは、私たち一人ひとりの日々の行動なのよ。これからもたくさんの生き物に興味を持って、温かく見守っていきましょうね!
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