はじめに
暑い日に運動場で思いっきり汗を流したあと、冷たい水をゴクゴクと飲む瞬間って最高ですよね!
お風呂に入るとき、朝に顔を洗うとき、雨が降るとき……私たちのまわりには、いつも当たり前のように「水」があります。地球は「水の惑星」とも呼ばれていて、地球の表面の約7割は海などの水で覆われています。さらに、私たち人間の体も、約60%が水でできています。
でも、ちょっと立ち止まって考えてみてください。
「どうして氷を入れると、水の上にプカプカ浮くんだろう?」 「どうしてコップにギリギリまで水を入れても、こぼれずに盛り上がるんだろう?」
実は、科学者の間では「水は、宇宙の中でもトップクラスにヘンテコで特別な液体」として知られています。当たり前すぎて普段は気に留めないかもしれませんが、他のどんな物質にもない超特別な性質をいくつも持っているのです。
もしも水が普通の物質と同じだったら、ジュースに入れた氷は底にズドンと沈んでしまいますし、海や川の魚は冬にみんな凍りついて生きていけなかったかもしれません。
今回は、そんな身近でミステリアスな「水の不思議」を、3つの秘密に注目しながら楽しく解き明かしていきましょう!
サッカーの練習終わりに飲む水って、本当に生き返るよな!でも、水が宇宙で一番ヘンテコな液体なんて信じられないぞ。
ふふ、毎日当たり前に使っているからこそ気づかないのよね。実は私たちの命を支えるすごい秘密がたくさん隠されているのよ。一緒に調べてみましょう!
氷・水・湯気!くるくる変わる「水の三態」
水の一番身近な不思議は、温度によってまったく違う姿に変身することです。
冷凍庫に入れるとカチコチに凍った「氷」になり、蛇口をひねるとサラサラ流れる「水」になり、ヤカンでお湯を沸かすとシュワーッと「湯気」になりますよね。
このように、ひとつの物質が温度によって「固体」「液体」「気体」という3つの姿に変わることを、理科では「物質の三態」と呼びます。
地球上の自然な気温(マイナス数十度からプラス数十度)の範囲で、この3つの姿をすべて見ることができる物質は、実は地球上で水くらいしかありません!
目に見えない粒「水分子」の動きを見てみよう
どうして温度が変わるだけで、硬くなったり見えなくなったりするのでしょうか?
その秘密は、水を作っている目に見えない小さな粒「水分子」の動き方にあります。水分子の様子を、みんなが大好きな「学校の休み時間」にたとえてみましょう!
このように、温度が上がって熱のエネルギーをもらうほど、水分子たちは元気いっぱいに暴れ回って仲間と離れていくのです。
ヤカンの口から出る「白いモクモク」の正体は?
ここで、理科のテストでもよく出るびっくり豆知識を紹介します。
お湯を沸かしたヤカンの口からモクモクと出ている白い煙を見て、「あれが水蒸気だな!」と思っていませんか?
実は、本物の水蒸気は目には見えません!
ヤカンの口のすぐそばをよーく観察してみてください。口から少し離れたところから白くなっていて、口のすぐそばには「透明で何もないすき間」があるはずです。その透明な部分こそが、本物の「水蒸気(気体)」です。
白くモクモク見えているのは、空気の冷たさに冷やされて、一瞬で小さな水の粒(液体)に戻った「湯気」なのです。空に浮かんでいる雲や霧も、水蒸気ではなく小さな水の粒が集まったものなんですよ。
えっ、ヤカンから出る白い湯気って水蒸気じゃなかったのか!透明で見えない部分が気体だったなんて、まるで忍者みたいだな!
そうなのよ。冷やされると一瞬で液体の粒に戻るから白く見えるの。温度ひとつで姿を変えて地球をぐるぐる巡っているなんて、とてもおもしろいわよね。
なんで氷は水に浮く?水だけの「大逆転のひみつ」
冷たい麦茶やジュースに氷を入れると、氷はコップの底に沈まず、水面にプカプカと浮きますよね。
「そんなのいつものことじゃん!」と思うかもしれません。しかし、科学の世界では「これこそが、水が起こす一番ありえない大事件」なのです!
ふつうの物質は「固まると重くなって沈む」!
水以外のほとんどの物質は、温めると膨らみ、冷やして固める(液体から固体にする)とギュッと小さく縮みます。
小さく縮むということは、同じ大きさの中に粒がギッシリ詰まるので、液体よりも固体の方が「重く(密度が高く)」なります。
たとえば、ロウソクのロウや油を溶かして冷やすと、真ん中がキュッと凹んで小さくなります。固まったロウを液体のロウの中に入れると、底にストンと沈んでしまいます。鉄やプラスチックも同じで、固りは液体の中に沈むのが宇宙の当たり前のルールなのです。
ところが、水だけはこのルールを完全に破ってしまいます!
冷えて
固まるとギュッと
縮んで
小さくなる!
粒がスキマなく
詰まるため、
液体の
中に
沈む!
凍って
氷になると、
体積が
約10%
大きくなる!
結晶の
中に「すき
間」ができるので、
軽くなって
水に
浮く!
水は凍ると、体積がなんと約1割(約10%)も大きくなります。水筒やペットボトルに水をパンパンに入れて冷凍庫で凍らせると、容器がパンパンに膨らんで変形してしまうことがありますよね。あれは水が凍って大きくなった証拠です。
同じ重さのまま大きくなるということは、そのぶん「密度が低くなって軽くなる」ということです。だから、氷は液体の水の上にプカプカ浮くのです。
なぜ氷になると大きくなるの?
どうして氷になると大きくなるのでしょうか?
秘密は、水分子が手をつなぐときの「特別な並び方」にあります。
水分子は、凍るときにお互いに引き合って、きれいな「六角形(ジャングルジムのような立体)」を組み立てます。ところが、この六角形を作るときに、真ん中に「ぽっかりと空いた大きめのすき間」がどうしてもできてしまうのです!
液体のときは満員電車のように粒同士が自由にすれ違ってぎゅうぎゅうに詰まっていたのに、凍ると全員が両手をピンと伸ばしてジャングルジムを組むため、真ん中にすき間ができて全体の体積が広がります。その結果、同じ重さのままフワッと軽くなるのです。
氷が浮かなかったら地球の生命は大ピンチだった!?
もしも氷が他の物質と同じように「固まると沈む」性質だったら、地球はどうなっていたでしょうか?
冬になって気温が下がると、池や川、海の表面にできた氷が次々と底へと沈んでいきます。すると、底から順番にどんどん凍りついていき、最終的には海全体が底からカチコチに凍りついてしまいます。
そうなれば、海や川に住む魚やプランクトンなどの生き物は、住む場所を失って全滅していたはずです。
しかし実際は、冷たい氷が水面にプカプカ浮いて「断熱シート(フタ)」の役割をしてくれます。外の冷たい空気が水の中に届くのを防いでくれるのです。
さらに、水は「4度」のときが一番重いという不思議な性質を持っています。そのため、冬の湖や海の底にはちょうど4度の水が溜まり、氷の下で魚たちは厳しい冬を元気に乗り切ることができるのです!
氷が水に浮くおかげで、魚たちが冬でも凍らずに生きられるのか!水が凍ると軽くなるって、地球の命を救うすごい仕組みなんだな!
ええ。水が約4度で一番重くなるのも絶妙なバランスよね。もし水が普通の液体と同じだったら、私たち人間も生まれていなかったかもしれないわ。
水玉がまん丸になる理由!不思議な「手つなぎパワー」
雨上がりに葉っぱの上を見ると、水滴がペタッと潰れずに、コロンときれいな「まん丸の形」を作っているのを見かけますよね。
また、コップに水をなみなみと注いでいくと、コップのフチよりも少し高いところまで水が盛り上がって、ギリギリこぼれずに持ちこたえることがあります。
さらには、池や小川の水面を「アメンボ」がスイスイと沈まずに歩いている姿を見たことがある人も多いでしょう。
これらはすべて、水が持っている「表面張力」という特別な力のおかげです!
ギュッと引き合う水分子のチームワーク
表面張力とは、水が「できるだけ表面積を小さくして、キュッと丸まろうとする力」のことです。
水を作っている水分子は、まるでお互いに磁石で引き合うように、とても強い力で仲間同士の手を引っ張り合っています。
水の中にいる分子は、前後左右、上下のすべての方向から仲間と均等に手を引っ張り合っています。しかし、空気と触れ合っている「一番表面」にいる分子はどうでしょうか?
空気がある外側には仲間がいないため、内側や横にいる仲間からグイグイと中に引き寄せられます。
その結果、水の表面全体がギュッと内側に引っ張られて、一番表面積が小さくて無駄のない形である「球体(まん丸)」になろうとするのです。水の分子が手を引き合う力は、油やアルコールなど他の液体と比べても圧倒的に強力です。
Q. アメンボが水に浮くのは体重が軽いからだけなの?
A. 体重が軽いだけでなく、水分子が表面でギュッと手を結んで「目に見えないピンと張ったゴム膜」を作っているからなんだ!さらにアメンボの足には細かい毛が生えていて、水をはじく油がついているから沈まないんだよ。
お家でできる!表面張力のワクワク実験
この表面張力のパワーは、お家にある身近な道具でも簡単に確かめることができます!
1円玉を水に浮かべてみよう:
1円玉はアルミニウムという金属でできているので、本当は水より重くて沈むはずです。でも、コップの水の上にそーっと水平に乗せると……なんとプカプカ浮きます!水がピンと張ったゴム膜のように1円玉を支えてくれるからです。
洗剤を1滴たらすとどうなる?:
1円玉が浮いている水に、食器用洗剤をつけた爪楊枝の先をチョンと触れさせてみましょう。すると、一瞬で1円玉が底にストンと沈んでしまいます!
洗剤には「水分子の手つなぎをパチンと切ってしまう力(界面活性剤の働き)」があるため、表面張力が一瞬でなくなってしまうのです。
コップの水が盛り上がるのも、アメンボが沈まないのも、水分子同士が全力でスクラムを組んでいるからなんだな!1円玉を浮かべる実験、家で絶対にやってみるぞ!
ふふ、ぜひ試してみて!洗剤で手つなぎを邪魔する実験も面白いわよね。病院でも、水の力をうまく使って汚れを落とす手洗いや消毒がとても大切にされているのよ。
▲ 葉っぱの上で丸くなった水滴(出典: Wikimedia Commons)
まとめ
今回は、毎日飲む水に隠された驚きの秘密を紹介しました!
📝 今日のまとめノート
1
水は温度によって「氷(固体)」「水(液体)」「水蒸気(気体)」の3つの姿にくるくる変わる!
2
氷が水に浮くのは、凍るとスキマができて軽くなるから!川や海の生き物を守る大逆転のひみつ!
3
水玉が丸くなったりアメンボが浮くのは、水分子が強く引き合う「表面張力」のおかげ!
🖍️ ✏️
毎日飲んでいる水に、こんなにたくさんのスーパーパワーがあったなんてぜんぜん知らなかったよ!次に冷たい水を飲むときは、氷やすき間をじっくり観察してみるぞ!
ふふ、身近な不思議に目を向けると科学がどんどん楽しくなるわね。観察もいいけれど、今日出された理科の宿題も忘れずに終わらせましょうね!
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