はじめに
バスに乗っているとき、赤信号で「急ブレーキ」がかかって、体が「オットット!」と前のめりに倒れそうになったことはありませんか?
あるいは、校庭でサッカーボールを力いっぱい蹴るとビュンと遠くまで飛んでいくのに、地面をコロコロ転がっていくボールは、やがて自然に止まりますよね。
「どうして動いているものは倒れそうになるの?」 「どうして蹴ったボールはずっと飛び続けないで止まるの?」
もしもこの世に運動のルールがなかったら、どうなってしまうでしょうか? 一度蹴ったボールが永遠に止まらず宇宙の彼方まで飛んでいってしまったり、逆にどれだけ力いっぱい蹴ってもボールがビクとも動かなかったりして、サッカーの試合どころじゃなくなってしまいます!
実は、私たちが暮らしているこの世界には、物が動いたり止まったりするときに従っている【宇宙共通の3つの鉄則(ルール)】が存在します。
このルールを発見したのが、今から約350年前のイギリスにいた大天才科学者、アイザック・ニュートンです!リンゴが木から地面に落ちるのを見て「重力」に気づいたというエピソードでも有名ですね。
ニュートンが見つけた「運動の3大ルール」を知ると、サッカーの強烈なシュートの秘密も、巨大な宇宙ロケットが空へ飛び立つ仕掛けも、驚くほどスッキリ見えてきます。
さあ、科学の目を使って、身の回りの「動くヒミツ」を解き明かしていきましょう!
俺、バスが急停車したときに前の手すりにつかまってギリギリセーフだったことがあるぞ!あれも科学のルールだったのか!?
ふふ、そうなのよ。はるとの体だけじゃなくて、サッカーボールも宇宙船も、ぜんぶ同じルールで動いているの。知ると身の回りの見え方がガラリと変わるわよ!
止まれない!動き出せない!?「第1法則:慣性の法則」
ニュートンが見つけた最初のルールは、「慣性の法則」です。
漢字が並ぶと難しそうに聞こえますが、一言でいうと「物はみんな、今の状態をずっと続けたい『なまけもの』である」というルールです!
物はすべて、外から力を加えられない限り、次のような性質を持っています。
- 止まっている物は、ずっとその場に止まり続けたい!
- 動いている物は、同じスピードでまっすぐ進み続けたい!
この「今までと同じ状態を続けようとする性質」のことを「慣性」と呼びます。
身近な実験や遊びで「慣性」を見てみよう!
このルールは、身の回りのいろいろなところで大活躍しています。
- だるま落とし: 積み木の一番下を木づちでカツーン!と素早く叩くと、叩かれたブロックだけが横に飛び出し、上のダルマは「その場に止まっていたい」ので、そのままストンと真下に落ちてきます。
- コップとコインの実験: コップの上にハガキを敷き、その上に10円玉を乗せます。ハガキを指でピン!と素早く弾くと、ハガキだけがビューンと飛んでいき、10円玉は「止まっていたい」からコップの中にポチャンと落ちます。(※ハガキを素早くピン!と強く弾くのが成功のコツ!ゆっくり動かすとコインも一緒に動いちゃうぞ)
- バスの急ブレーキ: 走っているバスに乗っているとき、あなたの体もバスと同じ時速40キロで前に向かって動いています。バスが急にブレーキをかけて止まっても、あなたの体は「時速40キロで前に進み続けたい!」とするため、体が前へ投げ出されそうになるのです。
なぜ地球の上ではボールが止まるの?
ここで、ひとつの疑問が浮かびますよね。
「動いている物がずっと進み続けたいなら、どうして運動場を転がるサッカーボールは途中で止まっちゃうの?」
その答えは、地球の上にはボールの邪魔をする「見えないブレーキ」が常に働いているからです! 空気の邪魔(空気抵抗)や、地面とボールがこすれ合う力(摩擦力)という別の力が、ボールを無理やり止めているのです。
もし、空気も地面の摩擦もない「宇宙空間」でボールをポーンと投げたらどうなるでしょうか?
地球の上(空気と摩擦あり)
転がしたボールは、
空気や
地面のこすれ
合う
力でだんだんスピードが
落ちて
止まる!
スピードを
保ち
続けるには、エンジンや
足で
常に
力を
加え
続ける
必要がある!
宇宙空間(空気も摩擦もゼロ)
一度投げたボールは、
邪魔するものが
何もないため、
永遠に
同じ
速さで
飛び
続ける!
宇宙船は
一度スピードに
乗れば、エンジンを
止めてもスーッとどこまでも
進む!
宇宙だとボールが永遠に止まらないのか!宇宙でサッカーのロングパスを出したら、何万キロも先まで飛んでいって試合にならないな!
あはは、ボール拾いが大変どころじゃないわね。地球に空気や摩擦があるおかげで、ボールがちゃんと止まってゲームが成立しているのよ。
強く押すほどスピードUP!「第2法則:力と加速度」
第1法則では「力を加えないと物はそのまま」というお話でした。 では、「力を加えたら」物はどうなるのでしょうか?
それを教えてくれるのが、第2のルール「力と加速度の法則(運動方程式)」です!
これも難しい言葉に見えますが、内容は驚くほど当たり前のことです。大切なポイントは次の2つです。
- 加える力が強いほど、物はグングン急激にスピードアップする!(加速度が大きい)
- 同じ力なら、重いものほどスピードを上げるのが大変!(加速度が小さい)
サッカーボールと巨大な岩で比べてみよう!
あなたがグラウンドでサッカーボールを蹴る場面を思い浮かべてみてください。
足の先で「チョン」と弱く蹴ったら、ボールはノロノロとしか転がりませんよね。でも、助走をつけて力いっぱい「ドカン!」と蹴れば、ボールは目にも止まらぬ猛スピードでビュン!とゴールに突き刺さります。力を大きくすればするほど、急加速するからです。
では、もしグラウンドに重さ1トンの「巨大な鉄の岩」が置いてあったらどうでしょう?
サッカーボールと同じ力で思い切り蹴っ飛ばしたら、どうなるでしょうか? 岩はビクとも動かず、あなたの足が痛くてたまらないはずです!
物は重ければ重いほど、「動かすのに必要な力」がとてつもなく大きくなります。 例えば、月曜日の朝に教科書やノートがパンパンに入った重いランドセルを背負って走り出すとき、「体が重くてスピードに乗るのに一苦労する!」と感じたことはありませんか?あれも全く同じ理由です!
中学校や高校の理科では、この関係を「力=重さ(質量)×加速度」という式(F=ma)で学びます。 小学生のうちは、「軽いものを強い力で押せば猛スピード! 重いものを弱い力で押してもビクともしない!」と覚えておけば完ペキです!
俺が重い相手ディフェンダーを押しのけてドリブル突破するのが大変なのも、この法則のせいだったのか!
ふふ、その通りよ!相手の体重が重いほど、動かすのに大きな力が必要になるの。プロの選手が筋トレをして強い体を作るのも、理にかなっているわね。
壁を押すと押し返される!?「第3法則:作用・反作用」
ニュートンの3大ルールの最後を飾るのは、直感とはちょっと違っていて一番ワクワクするルールです。 その名も「作用・反作用の法則」!
これをひとことで言うと、「物をグッと押すと、自分も全く同じ強さで押し返される!」というルールです。
「えっ!? 壁はロボットでも人間でもないのに、押し返してくるわけがないじゃん!」と思いますよね。 でも実は、力というものは宇宙の中で「必ず2つセット」でしか生まれないのです。一方通行の力は、この世界には絶対に存在しません。
スケートボードに乗って壁を押してみよう!
スケートボードやローラースケートを履いて、壁の前に立ってみてください。
両手で目の前の頑丈な壁を「ドン!」と前に押すと、一体何が起きるでしょうか?
壁はピクリとも動きませんが、なんとあなた自身の体がスーッと後ろへ滑り出します!
あなたが壁を前向きに押した力(作用)と同時に、壁からあなたへ「全く同じ大きさの力」が後ろ向きに跳ね返ってきた(反作用)からです。
プールで泳ぐときも同じです。プールの壁を足で力いっぱい蹴ると、その壁からの跳ね返りの力をもらって、体が勢いよく前へロケットスタートできますよね。
巨大な宇宙ロケットが空へ飛べる秘密!
この作用・反作用のパワーを極限まで使っているのが、みんなが大好きな「宇宙ロケット」です。
Q. 空気のない宇宙で、ロケットはどうやって進んでいるの?
A. ロケットはお尻から猛烈な勢いでガスを下へ噴射しています。そのガスが後ろへ飛び出す力(作用)の跳ね返り(反作用)によって、上向きにドーンと押し上げられて宇宙を進んでいるんだよ!
ロケットは、地面や空気を押して飛んでいるわけではありません。自分のお腹の中に積んである燃料を燃やし、ものすごい勢いでガスを下向きに噴射することで、その「跳ね返りの力」を使って宇宙へと飛び上がっているのです。
私たちが地面をトコトコ歩けるのも、靴の裏で地面を後ろへ蹴ることで、地面が私たちの体を前に押し返してくれているからなんですよ!
俺たちが地面を走れるのも、地面が俺の足を押し返してくれてるからなのか!地面にも「いつも押し返してくれてありがとう」って言いたくなるぜ!
ふふ、素敵な感謝ね!もし地面が氷みたいにツルツルだと、うまく地面を押せないから、押し返してもらえなくて滑って転んじゃうのよね。
まとめ
ニュートンが見つけた「運動の3つの法則」、いかがでしたか? 最後に、今日のポイントをノートでおさらいしておきましょう!
📝 今日のまとめノート
1
第1法則:慣性の法則
物は今の状態を続けたい!止まっている物は止まり続け、動いている物は同じ速さでまっすぐ進み続ける。
2
第2法則:力と加速度の法則
強い力で押すほどグングン加速する!重いものほどスピードを上げるのに大きなパワーが必要。
3
第3法則:作用・反作用の法則
物を押すと、全く同じ力で押し返される!走る足も宇宙ロケットも、この跳ね返りの力で進んでいる。
🖍️ ✏️
サッカーボールを蹴るとき、自転車に乗るとき、バスに揺られるとき。 私たちの日常のあらゆる瞬間で、ニュートンの法則は休むことなく働いています。
身の回りの物が動く瞬間を見つけたら、「あ、いま慣性が働いた!」「作用・反作用の力だ!」と観察してみてくださいね!
今日のサッカーの練習では、地面をしっかり蹴って「作用・反作用」の反動をフルに使ったスーパーシュートを打ってみるぞ!
ふふ、ナイスシュートが決まるといいわね!でもその前に、机の上に置いてある理科の宿題プリントを終わらせておくのをお忘れなく!
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