小学生でもわかる!「有機(ゆうき)ELテレビ」

有機ELテレビ

はじめに

「ねえ、みんながふだん見ているテレビの裏側には、大きな『懐中電灯』が入っているって知ってた?」

家電量販店やリビングで、最新のテレビや「Nintendo Switch(有機ELモデル)」、お父さんやお母さんのスマートフォンを見たときに、「うわっ、画面がめちゃくちゃキレイ!」「横から見ると紙みたいに薄い!」とびっくりしたことはありませんか? 映画の夜空に浮かぶ星がキラキラ輝いて見えたり、暗いシーンでも影の中までクッキリ見えたりして、まるでその場にいるような迫力を感じた人もいるかもしれません。

その超キレイで超薄型な画面の正体こそ、いま大注目の「有機EL」です!

テレビの名前やゲーム機によくついている「有機EL」という言葉。「有機ってなに?」「これまでの液晶テレビと何が違うの?」と疑問に思う人も多いはず。 実は、画面が光る仕組みそのものが、これまでのテレビとはまったく違う革命的な技術なのです。

今回は、有機ELテレビがなぜあんなに薄くて美しい映像を映し出せるのか、その秘密を一緒に解き明かしていきましょう!

はると
はると
家電量販店で有機ELテレビを見たら、サッカーの試合の芝生やボールの動きが超リアルで鳥肌が立ったよな!
ひまり
ひまり
ふふ、まるでスタジアムの特等席で見ているみたいよね。実は画面の光らせ方がこれまでのテレビと根本から違うのよ。

有機ELってなに?「自分で光る」驚きの仕組み

有機ELテレビのすごさを知るために、まずはこれまでの「液晶テレビ」と何が違うのかを比べてみましょう。

一番の違いは、「画面が自分で光っているかどうか」です!

これまでの液晶テレビは、画面そのものが光っているわけではありません。 画面のいちばん後ろに「バックライト」という大きなライト(蛍光灯やLED)がついていて、そこから強い光を当てています。その光を「液晶」というシャッターとカラーフィルターを通して調節することで、色や映像を作っていました。 たとえるなら、「後ろから懐中電灯で照らされたステンドグラスや影絵」のような仕組みです。

ところが、有機ELテレビには後ろのライト(バックライト)が一切ありません! 画面の中に赤・緑・青などに光る小さな粒が何百万個、何千万個とぎっしり並んでいて、その粒のひとつひとつが電気を受け取って自分でピカッと光るのです。これを専門用語で「自発光」と呼びます。

光らせ方の違いをくらべてみよう!
これまでの「液晶テレビ」
後ろにあるバックライトの光をシャッターで遮って映像を作る!
ライトの光が少し漏れるため、暗い部屋だと黒が少し白っぽくなる。
後ろにライトや何枚もの板が入っているため、ある程度の厚みがある。
最新の「有機ELテレビ」
画面にある何千万個もの粒が、ひとつひとつ自分で光る(自発光)!
黒を映すときは粒の電気を完全に消すので、完璧な「真っ黒」になる!
後ろのライトがまったくいらないため、紙のようにペラペラに薄い!

ちなみに「有機EL」の「有機」とは、プラスチックや生き物の体と同じように「炭素」を含んだ特別な材料のことです。 電気が流れると光る不思議な有機材料を使っているから、「有機EL」と呼ばれているんですね。

はると
はると
後ろからライトで照らすんじゃなくて、画面の粒が自分でスイッチをオン・オフしてるのか!スタジアムで観客が一斉にペンライトを光らせているみたいだな!
ひまり
ひまり
良い例えね!後ろの分厚いライトがいらないから、あんなにスマートで信じられないくらい薄いテレビが作れるのよ。
写真:薄型有機ELテレビ

ここがすごい!有機ELテレビの3大スーパーパワー

自分で光る「有機EL」だからこそできる、液晶テレビには真似できない3つのすごい特長を見てみましょう!

  1. 宇宙のような「本物の真っ黒」を映し出せる!
    液晶テレビは、後ろの強力なライトをシャッターで遮って「黒」を作ります。でも、強い光を完全に遮るのは難しく、どうしても光が少し漏れてグレーっぽく白浮きしてしまいます。
    一方、有機ELテレビは「黒」を映したい場所の粒の電気を完全にゼロ(消灯)にします。光が一切出ないので、吸い込まれそうな本物の「漆黒」を表現できるのです。
    黒がしっかり沈み込むからこそ、夜空に輝く花火や星、映画のライトが息をのむほど鮮やかに浮き立って見えます。
  2. 息をのむ薄さ!まるで壁に貼るポスター!
    液晶テレビに必要なバックライトや光を拡散させる板がごっそり不要になったため、画面パネル部分の厚みはわずか数ミリしかありません。なんと10円玉数枚分、スマートフォンよりも薄いのです!
    軽くて薄いので、壁にペタッとポスターのように貼り付けたり、絵画のように飾ったりすることも簡単にできます。
  3. スポーツやゲームの激しい動きもクッキリ見える!
    有機ELは、電気を流した瞬間にピカッと光り、電気を止めれば一瞬で消えます。色を切り替えるスピード(応答速度)が液晶テレビの数百倍から数千倍も速いのです。
    そのため、サッカーの強烈なシュートや、激しいカーレースゲームでも、映像がぼやけたり残像が残ったりせず、滑らかでクッキリ映ります。

さらに、斜め横から見ても色が白っぽくならず、部屋のどこから見ても綺麗な色で見られるのも嬉しい特徴です。

Q. なぜ斜めから見ても画面が白くならないの?
A. 液晶テレビは光をまっすぐ通すためのシャッターの隙間から光をのぞき込む形になるため、斜めから見ると色が薄く見えがちです。一方、有機ELは粒そのものが全方向に光を放つため、端っこから見ても正面と同じ鮮やかさが見えるんだよ。
はると
はると
動きが速くてもボールの軌道がブレないなんて、サッカーの試合を見るのにもゲームで遊ぶのにも最高じゃないか!俺のシュート練習の動画も超クッキリ見えるな!
ひまり
ひまり
ふふ、リビングの端っこに座っていても家族みんなで綺麗に見えるのは嬉しいわね。でも動画を見る前に、今日の漢字ドリルを終わらせる約束よ?

世界初は日本!有機ELテレビを完成させた技術者たちの挑戦

いま世界中のリビングやスマートフォンで使われている有機ELディスプレイですが、世界で初めて製品として一般向けに有機ELテレビを発売したのは、日本の「ソニー(SONY)」だということを知っていますか?

2007年、ソニーが発売した世界初の有機ELテレビの名前は「XEL-1(エックスイーエル・ワン)」。 このテレビが登場したとき、世界中の家電業界やファンに大きな衝撃が走りました。 なんと、画面の一番薄い部分の厚さがたったの3ミリしかなかったのです!

当時のテレビはまだ分厚いものが多く、「テレビの画面が3ミリなんてありえない!」と誰もが目を疑いました。 画面サイズは11インチと、今でいうタブレットPCくらいの大きさでしたが、その圧倒的な黒の美しさと鮮やかさは世界中を驚かせました。

何千万個もの極小の粒を、ガラス板の上に髪の毛の太さよりも細かく均一に並べて光らせるのは、気が遠くなるほど難しい技術でした。 日本の技術者たちが何年も諦めずに実験と失敗を繰り返し、精密な技術を磨き上げたからこそ、世界で最初の有機ELテレビが誕生したのです。

その後、世界中のメーカーが開発競争を繰り広げ、現在のような55インチや65インチという超大型の有機ELテレビが作れるようになりました。

はると
はると
世界で最初に有機ELテレビを作ったのが日本のソニーだったなんて知らなかったぞ!たった3ミリって、筆箱の定規で見てもペラペラじゃん!
ひまり
ひまり
誰も作ったことがない新しいディスプレイを形にするために、何千回も実験を重ねた技術者さんたちの情熱って本当に素晴らしいわね。
ソニーの世界初の有機ELテレビ「XEL-1」

有機ELの注意点とワクワクする未来のディスプレイ!

まるで夢のような有機ELテレビですが、使うときに知っておきたい注意点もあります。

ひとつは「焼き付き」です。 有機ELの粒は、長い時間同じ色を光らせ続けると少しずつ疲れて明るさが落ちてしまいます。そのため、ニュース番組の時刻表示やゲームの固定ボタンなどを何千時間も同じ場所に映し続けると、うっすらと跡が残ってしまうことがあるのです。 もちろん最新のテレビには、人間の目には気づかないレベルで画面を定期的に微小に動かしたり、画面を自動クリーニングする機能がついているので、普通に使っていれば心配いりません。

また、直射日光がガンガン差し込むようなお昼のとても明るい部屋では、強力なバックライトを持つ液晶テレビのほうが明るく見えることもあります。

そして、有機ELの本当のすごさは「これからやってくる未来の形」にあります! 板のように固いガラスだけでなく、薄いプラスチックフィルムの上にも作れるため、「画面を自由に曲げる」ことができるのです。

有機ELが実現する!未来の暮らしの3つのカタチ
クルクル巻いて収納できるテレビ
見ないときはポスターのように丸めて箱の中にしまえるので、お部屋が広々使える!
向こう側が透けて見える透明ディスプレイ
お部屋の窓ガラスや水族館の水槽が、そのまま映画や案内を映す画面に大変身!
ペタッと折りたためるスマホ・パソコン
画面ごと二つ折りにしてポケットにしまえる端末がすでに登場中!

これからは「テレビは四角くて黒い板」という常識がなくなり、家の窓や車のフロントガラス、洋服やカーテンまでが画面になる未来がやってくるかもしれません!

はると
はると
クルクル巻いてしまえるテレビ!?それならキャンプに持って行って、テントの中でゲームしたり星空を見たりできるかもな!
ひまり
ひまり
ふふ、夢が広がるわね!お部屋の窓ガラスがそのままお天気予報の画面になる未来も、すごく便利で楽しそうだわ。

まとめ

📝 今日のまとめノート
1 有機ELは小さな粒が「自分で光る(自発光)」から、後ろのバックライトがいらない!
2 電気を消して「本物の真っ黒」が作れるから、息をのむほどキレイで紙のように薄い!
3 世界で初めて発売したのは日本のソニー!これからは丸まる画面や透明な窓など未来を広げていく!
🖍️ ✏️
はると
はると
テレビの画面の中で小さな粒たちが自分で光ったり消えたりしてるなんて、仕組みを知るとめちゃくちゃ面白いな!今度電気屋さんに行ったら、画面の薄さと黒の深さをじっくり観察してみるぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、ぜひ見てみてね!技術の進化を知ると、普段見ているテレビやスマホがもっと面白く感じられるわよね。
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