小学生でもわかる!「ごみのふしぎ」

ごみのふしぎ

はじめに

おやつに食べたスナック菓子の袋、学校の図工で作った工作の切れ端、サッカーの練習のあとに一気に飲み干したスポーツドリンクのペットボトル。

私たちは毎日の暮らしの中で、実にたくさんの「ごみ」をごみ箱にポイッと捨てています。

でも、ごみ箱に入れたあとのごみって、一体どこへ消えていくのでしょうか?

「ごみ収集車のおじさんたちがトラックで運んでいって、どこかの工場で燃やしているんじゃないの?」

そう予想したキミ、大正解……ですが、実はそれだけではありません!

もしも街からごみ収集車がたった1週間来なくなったら、道路やごみステーションはあふれたごみ袋で山積みになり、街は大パニックになってしまいます。日本中から毎日出されるごみの量は、なんと東京ドーム約70杯分にもなるのです!

いま、私たちが暮らす社会のごみ処理現場では、あっと驚くようなハイテク技術が次々に生まれています。ごみを燃やすときの猛烈な熱パワーを使って電気を作り出したり、海の底深くに沈んでしまったプラスチックごみを、人工知能(AI)を積んだ最新鋭のロボットが探し出して回収したりしているのです。

「ただの燃えかす」だと思っていたごみが、地球の環境を守り、みんなの未来を支える大切なエネルギーや資源に大変身しています。

今回は、知っているようで知らない「ごみのふしぎ」と、最新テクノロジーの秘密を一緒に解き明かしていきましょう!

はると
はると
俺、サッカーの練習帰りにペットボトルをごみ箱へポイッと捨ててたけど、あのあとどこへ行くのかなんて全然考えたこともなかったぜ!
ひまり
ひまり
ふふ、ごみ箱に入れたら終わりじゃないのよ。実はごみの行き先には、地球の自然を守るためのすごい工夫がたくさん隠されているの!

捨てたごみはどこへ行く?知られざる行き先を大追跡!

朝、登校するときに近所のごみ集積所(ごみステーション)を見ると、黄色いネットの中にたくさんのごみ袋が集まっていますよね。

そこへ軽快なメロディを響かせながらやってくるのが「パッカー車」と呼ばれるごみ収集車です。作業員の方々が手際よくごみ袋を投げ込むと、強力な回転板がバリバリと音を立ててごみを押しつぶし、あっという間にトラックの荷台いっぱいに詰め込んでいきます。

街中からごみを集めたパッカー車が向かうのは、地域の「クリーンセンター(清掃工場)」という巨大な施設です。ここは、毎日何百トンものごみを処理する街の巨大な心臓部です。

清掃工場の建物の中に入ると、まず現れるのが「ごみピット」と呼ばれる巨大な地下部屋です。深さはなんと20メートルから30メートル以上もあり、マンションの7階から8階分がすっぽり入ってしまうほどの深さがあります!

そこに次々とパッカー車がバックで並び、集めてきたごみを深底のピットへと豪快に落としていきます。

そして、ごみピットの頭上で活躍しているのが、鉄でできた巨大なツメ「ごみクレーン」です!ゲームセンターのクレーンゲームのアームを何百倍も巨大にしたような大迫力のアームで、一度になんと軽自動車2台分以上(約2〜3トン)のごみを軽々とわしづかみにします。

「なぜクレーンでごみをつかんでは落とすの?」と不思議に思いますよね。実は、ごみを「よく混ぜ合わせる」ためなのです。水気を多く含んだ生ごみや、カラカラに乾いた紙くずなどを均一に混ぜ合わせることで、焼却炉に入れたときに火が途中で弱まることなく、きれいに一定の温度で燃え続けるようにしています。

しっかりと混ざり合ったごみは、いよいよ「焼却炉」へと投入されます。焼却炉の温度は、なんと850度から900度以上の超高温!ピザを焼く窯(約400度)の2倍以上という猛烈な炎の海です。

これほど超高温で一気に焼き尽くすのは、人間や動物の体に悪影響を与える「ダイオキシン」という猛毒の物質を絶対に発生させないためです。

超高温の炎で燃え尽きたごみは、サラサラの「灰」になります。その体積(かさ)は、燃やす前のなんと「約20分の1」!ごみ袋20袋分あった大量のごみが、ギュッと縮んでたったの1袋分の灰になってしまうのです。

では、燃え残った灰や、燃やすことができない陶器・金属・ガラスなどの不燃ごみはどこへ行くのでしょうか?

それらが最後にたどり着く場所が、「最終処分場」と呼ばれる埋立地です。山奥の谷あいや海を分厚い遮水シートでしっかり覆った巨大なプールのような場所に灰を運び、土と交互にサンドイッチのように何層も積み重ねて埋め立てていきます。

しかし、ここで見逃せない大きな問題があります。日本の最終処分場は、いまのペースで埋め立てを続けると、あと「約20年分」で満杯になってしまうと言われているのです。新しい埋立地を作る場所を見つけるのはとても難しいため、「ごみを小さく燃やす」だけでなく、「そもそも出すごみを減らす」ことが強く求められています。

STEP 1 ごみ収集車が街中から集める!
決められた曜日の朝、パッカー車(ごみ収集車)が街のごみステーションを回り、強力な回転板でギュッと押しつぶしながら集めて清掃工場へ運びます。
STEP 2 クリーンセンターの巨大クレーンと炎で灰にする!
清掃工場のごみピットに集まったごみは、巨大クレーンで均一に混ぜ合わされたあと、850度以上の超高温で一気に燃やされて元の20分の1の灰になります。
STEP 3 残った灰を最終処分場に埋め立てる!
燃え残った灰や燃えないごみは、山奥や海辺の「最終処分場」へ運ばれ、周りに漏れ出さないよう土と交互に重ねて大切に埋め立てられます。
はると
はると
マンション7階分もある深さのごみピットに、軽自動車2台分をつかむ巨大クレーンだなんて、まるで巨大ロボットのアジトみたいですげー迫力だな!
ひまり
ひまり
ふふ、本当にかっこいい施設よね。でも、小さくした灰を埋め立てる場所があと20年くらいでいっぱいになっちゃうなんて、私たちもしっかり考えなくちゃいけないわ。
清掃工場の巨大ごみクレーン
▲ 清掃工場の深大なごみピットで大量のごみをつかみ上げる巨大クレーン(出典: Wikimedia Commons)

ごみがエネルギーに変身!?驚きの最新テクノロジー

ひと昔前のごみ処理といえば、「集めて、燃やして、煙を出して、残った灰を穴に埋めるだけ」というシンプルなものでした。

しかし現代のクリーンセンターは、ただごみを処分するだけの場所ではありません。最先端の科学技術を結集した、地球に優しい「クリーンな発電所」へと進化を遂げているのです!

その主役となっているのが、「ごみ発電(サーマルリサイクル)」というテクノロジーです。

ごみを850度以上の高熱で燃やすとき、焼却炉の中ではものすごい量の熱が発生します。この熱を逃さずに利用して、巨大なボイラーで水をグラグラと沸騰させ、ものすごい勢いで吹き出す高圧の蒸気(スチーム)を作り出します。

そして、その超強力な蒸気のパワーで「発電タービン」を猛スピードで回転させて、電気を生み出す仕組みです。ヤカンの口から出る湯気で風車を思いっきり回すようなイメージですね!

このごみ発電で作られた電気は、清掃工場の中で巨大クレーンを動かしたり照明をつけたりする電気をすべてまかなうだけでなく、電力会社を通して街中の家庭や小学校にも届けられています。

さらに、タービンを回したあとの余った温かいお湯は、近くにある温水プールの水を温めたり、お年寄りの福祉施設の暖房やお風呂にパイプで送られたりして、一滴の熱も無駄にせず地域全体で役立てられています。

また、プラスチックごみを新しい資源として再利用する「マテリアルリサイクル」の技術も急速に進化しています。

たとえば、私たちが飲み終わったペットボトル。回収されたペットボトルは細かく砕かれてフレーク状になり、徹底的に洗浄されてから溶かされます。そうして新品同様にピカピカなペットボトルへと再生される「ボトルtoボトル(水平リサイクル)」の輪が全国で広がっています。

それだけではありません!再生されたプラスチックから極細の繊維(糸)をつむぎ出し、軽くて汗を吸いやすいサッカーのユニフォームやスポーツウェア、暖かいフリースジャケットなどに生まれ変わらせる技術も大人気です。

さらに最近では、とうもろこしやサトウキビといった植物を原料にして作られ、使い終わって土や海の中に置かれると、微生物の働きによって自然と「水と二酸化炭素」に分解されて土に還る「生分解性プラスチック」の実用化も進んでいます。

「ごみ=ただ捨てるだけの邪魔者」という古い考え方は終わりを告げ、「ごみ=街を動かすエネルギーと資源の宝庫」へと生まれ変わっているのです!

昔と今のちがいを比べてみよう!
昔のごみ処理(燃やして埋めるだけ)
ごみをただ燃やして、残った灰をそのまま地面に埋め立てていた!
燃やすときに出る猛烈な熱を捨ててしまい、埋立地もすぐに満杯になっていた!
最新テクノロジー(エネルギーや資源に変身!)
燃やすときのすさまじい熱でタービンを回し、街の家庭へ届く電気を生み出す!
ペットボトルからサッカーユニフォームを作ったり、土に還るプラスチックで資源を循環!
はると
はると
俺が着てるサッカーのユニフォームも、リサイクルされたペットボトルからできてるかもしれないのか!ごみの熱でプールのお湯まで温めてるなんて無駄がなくてかっこいいぜ!
ひまり
ひまり
そうなのよ!捨てていたはずの熱やプラスチックを新しい価値に変えるなんて、科学の力って本当に素晴らしい知恵よね。
ごみの熱エネルギーを利用したごみ発電とクリーンな街づくり

海の底をロボットがお掃除!?「海底ごみハンター」

いま、地球全体の自然環境を脅かす深刻な問題として、世界中で大きな注目を集めているのが「海洋プラスチックごみ問題」です。

世界中の海には、毎年およそ数百万トンから1000万トン以上ものプラスチックごみが新しく流れ出ていると推定されています。これは、ごみ収集車いっぱいに積んだプラスチックを、「1分間に1台ずつ」海に投げ捨て続けているのと同じすさまじいスピードです。

「でも、海のごみって、釣り人や船に乗っている人がポイ捨てしたものじゃないの?」と思うかもしれません。

実は、海に存在するプラスチックごみの約「8割」は、海からではなく「私たちが暮らしている街や陸地」から川を通ってやってきたものなのです!

道端にポイ捨てされたお菓子の袋、あふれたごみ箱から強い風で吹き飛ばされたレジ袋やペットボトルのキャップ。これらが激しい雨の日に道路の側溝(溝)や用水路へと流され、小川から大きな川へと合流し、長い距離を流されたすえに海へとたどり着いてしまいます。

プラスチックは軽くてとても丈夫で、水や日光にも強いため、自然の力では何百年経っても完全に腐ったり消えたりしません。

その結果、ウミガメが海を漂う透明なビニール袋を好物のクラゲと間違えて飲み込んでしまったり、魚や海鳥が細かく砕けたプラスチックをエサと誤認して食べて胃を痛めてしまうなど、たくさんの海の生き物たちが命の危機にさらされています。

さらに、海のごみ問題にはもうひとつ、恐ろしい真実があります。

それは、「目に見えている海面のごみは、ほんの一部にすぎない」ということです。波に揉まれて細かく砕けたり、藻や貝が付着して重くなったプラスチックは、太陽の光も届かない「深い海の底(海底)」へと静かに沈んでいってしまうのです。

研究によると、海に流れ出たプラスチックごみの9割以上が海底に沈んでいるとも言われています。しかし、深い海底は水圧がすさまじく高く、真っ暗で冷たいため、人間のダイバーが潜って手作業で拾い集めることは絶対にできません。

そこで日本のエンジニアや研究者たちが開発に挑んだ秘密兵器が、深海をお掃除する無人探査ロボット「海底ごみハンター」です!

船の上からケーブルや無線でコントロールされるこのロボットは、暗闇の深海でも遠くまで見通せる高性能なAIカメラや音波センサー(ソナー)を搭載しています。泥や砂に半分埋もれた空き缶やペットボトル、岩場に引っかかったプラスチックの漁網などをAIが瞬時に見分けます。

そして、人間の手のように器用に動く強力な「ロボットアーム」を伸ばし、ごみをひとつずつつかみ上げて、背中に背負った回収カゴへと手際よく収めていくのです。

人が足を踏み入れることのできない深海をハイテクロボットがパトロールしてキレイにすることで、海の生態系と地球の青い海が守られようとしています。

Q. 海のごみはどうして街からやってくるの?
A. 街でポイ捨てされたり風で飛ばされたプラスチックが、雨で側溝や川へ流され、流されて海までたどり着いてしまうからなんだよ。海を守るためには、まず私たちが暮らす街をきれいにすることが一番大切なんだ!
はると
はると
深海を泳ぎ回って海底のごみを見つけ出すロボットアームなんて、めちゃくちゃ頼もしいじゃん!でも、もともとは街のごみが流れていったんだよな……。
ひまり
ひまり
ええ。川は海へとつながっているから、街でごみをポイ捨てしないことが海の生き物たちを守る第一歩なのよね。
海ごみハンター

ごみを減らす「3つのR」!キミにできるエコ作戦

最新の清掃工場の発電技術や、深海を掃除する海底ごみハンターの活躍は本当に頼もしいですよね。

でも、どんなに素晴らしいテクノロジーがあっても、機械やロボットに頼りきりになるのは禁物です。

一番かっこよくて大切なのは、「私たち自身がごみをできるだけ出さない工夫をして生活すること」です。

そのために、世界中の人々が取り組んでいる共通の合言葉が「3R(スリーアール)」です。ごみを減らして地球を救うための3つのアクションの頭文字(すべて英語のR)を取った言葉です。

  1. リデュース(Reduce:ごみを減らす):
    最初からごみになるようなものを買わない、もらわない作戦です。
    お買い物に行くときはマイバッグを持参してレジ袋を断ったり、外出するときはお気に入りのマイ水筒(マイボトル)を持ち歩いてペットボトルの消費を減らすこと。また、給食や夜ごはんを好き嫌いせず残さずに美味しく食べることも、大量の生ごみを減らす最高のリデュースです!
  2. リユース(Reuse:くり返し大切に使う):
    使ったものを1回きりで捨てずに、何度も大切に使い続ける作戦です。
    体が大きくなって着られなくなった服や、遊ばなくなったおもちゃ・本を弟や妹、友達にゆずったりバザーに出すこと。シャンプーやハンドソープはプラスチック容器ごと買い直さず、「詰め替え用パック」を買って同じボトルを長く使い続けるのも身近なリユースです。
  3. リサイクル(Recycle:再び資源として利用する):
    どうしても使い終わってごみになってしまったものを、もう一度新しい製品の原料としてよみがえらせる作戦です。
    ここで一番大切なのが「正しい分別」です!ペットボトルを捨てるときは、キャップとラベルをきれいに外して中を水でサッとすすいでから専用のごみ箱に入れること。新聞紙、段ボール、牛乳パックなどの古紙をきちんと種類ごとに束ねて出すこと。しっかり分別するだけで、ごみはただの燃えかすではなく、ピカピカの新しい資源に生まれ変わることができます。

「小学生の自分ひとりがやっても、たいした違いはないんじゃない?」と思うかもしれません。

でも、決してそんなことはありません!日本中の小学生がマイ水筒を持ち歩いたり、給食を残さず食べたり、ペットボトルを正しく分別するだけで、毎日何万トンものごみが減り、地球の未来は確実に大きく変わるのです。

キミはいくつできている?今日からできるエコ度チェック!
学校や習い事、サッカーの練習にはマイ水筒を持っていく!
お買い物に行くときはマイバッグを忘れずに持ってレジ袋を断る!
給食やごはんは好き嫌いせず残さずきれいに食べる!
ペットボトルのキャップとラベルを外してきれいに洗って分別する!
ノートや画用紙は最後のページや裏の余白までしっかり使い切る!
着られなくなった服や使わなくなったおもちゃは友達や家族にゆずる!
はると
はると
俺、サッカーの練習に行くときは毎日大きなマイ水筒に麦茶を入れて持っていくぜ!ノートのすみに落書きしてページを無駄遣いするのも今日からやめるぞ!
ひまり
ひまり
ふふ、素晴らしい心がけね、はると!でも、その前に真っ白のまま残ってる漢字ドリルの宿題もちゃんと片付けようね?私もお買い物に行くときはいつも可愛いマイバッグを持ち歩くようにしているの。みんなで地球を守っていきましょうね!
マイ水筒やマイバッグを持ち寄り楽しく3Rに取り組む小学生たち

まとめ

📝 今日のまとめノート
1 私たちが捨てたごみは、清掃工場の巨大クレーンと超高温の炎で20分の1の灰に燃やされ、最終処分場に埋め立てられている!
2 現代の清掃工場は熱で電気を作る「発電所」であり、服や新品ボトルによみがえらせる最新リサイクル技術が活躍している!
3 海底をお掃除するロボットも活躍中!街と海を守るため、マイ水筒の利用や正しい分別など「3つのR」を今日から実践しよう!
🖍️ ✏️
はると
はると
ただ捨てて終わりだと思ってたごみが、電気になったりサッカーのユニフォームになったりしてて本当にびっくりしたぜ!俺も身近な3Rを全力でやるぞ!
ひまり
ひまり
一人ひとりのちょっとした工夫が、海や地球の未来を大きく変えるのよね。キミもできることから今日のエコ作戦をスタートしてみてね!
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